第1768話 海岸沿いドライブ
亜美のマイカーでドライブ中の麻美達。
☆麻美視点☆
今日は何と、亜美姉が遂に手に入れたマイカーでドライブに連れて来てもらっているー。 海岸沿いの道を走ろうという事になっているー。 亜美姉の運転は実に安全運転。 まさに教科書通りという感じー。
「何というか、亜美らしい運転ね」
「きゃはは。 まあ、安全運転は大事よん」
「事故したら元も子もないからね」
「ちなみに後は渋滞気味ー」
「仕方ないよ。 法定速度を守らない他の人が悪いんだよ。 皆違反切符切られれば良いよ」
「結構言うわね……」
「当然だよ。 何の為に教習を受けて免許もらったかわかってないドライバーが悪いよ。 そんな人達は事故を起こす前に免許返納した方が世のため人のためだよ」
亜美姉怖いー。 とはいえ、言ってる事自体は別におかしい事は言ってないんだよねー。 こうやって周りを見ていても、普通に違反してる車ばかりであるー。
「市内に入ったよ」
「いつも電車でしか来ないから新鮮ね」
「ですわね」
「きゃはは。 さすがに交通量多いわね」
「安全運転でお願いします、先輩」
「らじゃだよ」
「なはは」
市内に入っても安全運転な亜美姉ー。 周りの車のペースに惑わされず、しっかりと法定速度を守って走っているー。
「そだ亜美ちゃん! 何か音楽流せないのん?」
「流せるよぉ」
「ふふふ、後部座席にモニターがあるでしょ? それはBluetooth対応モニタで、スマホやその他Bluetooth機器とペアリング可能なんですのよ。 スマホに保存してある音楽を聴く事も出来ますわ」
「へー。 ペアリングはどうやんの?」
「モニターを付けて、設定からBluetooth機器のペアリングをタッチすれば、後は画面に従って操作していけば出来ますわよ」
「ほいほい」
私からは見えないけど、神崎先輩は何やら操作しているようだ。
「ペアリング完了! えと、モニターで私のスマホを選んで……きゃは、本当だ! 私のスマホに保存してある曲が全部ダウンロードされてる。 んじゃこれ!」
神崎先輩が選んだ曲はブルーウィングスの1stアルバムのようだ。 車内のスピーカーからブルーウィングスの曲が流れてきた。
「映画とかも見れますわよ」
「へー」
「まあ、BluetoothやIoTなんてのは今や当たり前ですわよ」
「凄い時代になったよね。 私達が子供の頃は想像もつかないよぅ」
「それだけ技術の進歩する速度が早いんですわよ」
「ちなみに、自動車の全自動運転なんかも研究が進んでいますわよ」
「そうなると、自動車免許とかどうなるんだろうねぇ」
「それよね」
難しい話はよくわからないー。 全自動ってなると、たしかに免許そのものが必要無くなったり、法律とかも変わったりするんだろうかー? 色々と変えないといけない事が多い為、実現が難しいとも言われるー。
「さてさて。 このまま市内を横断して、海岸沿いへ出るよ」
「おー」
亜美姉は今日はナビを使わずに走るようだー。 一応昨日のうちにルートは頭に入れてきたらしい。 さすがは亜美姉ー。
◆◇◆◇◆◇
しばらく市内を走っていたが、現在は海岸沿いの道路に出てきて房総半島を南下し始めている。
「おー、海だー」
「きゃはは」
「窓を開けるよぉ」
亜美姉がサイドボタンで運転席と助手席、後部座席の窓を開ける。
「潮の香りがしてきますね」
「はぅー。 まさか亜美ちゃんの車で海に来る日が来るとはだよぅ」
「そうよね。 まさか亜美が免許を取るなんて」
「あはは。 何処か車を停められる場所があったら、浜に出てみよっか」
「ですわね。 ずっと車に乗ってても仕方ないし」
「じゃあ、その方向で」
という事で、15分程走った辺りで駐車場を見つけた亜美姉は、車を停めて外へ。 近くの浜辺へとやって来たよー。
「うーん! 海だねぇ」
「ですわね。 まだちょっと肌寒いですけども」
「風が気持ちええですね」
「ぅん」
「夏も海に来たいわねー」
「良いけど秋にはワールドカップよ?」
「練習で忙しいのでは?」
「でも海水浴には行きたいぞー」
「じゃあ今夏の予定に海水浴を入れておきましょうか。 久しぶり沖縄かハワイにでもいきましょ」
「なはは。 ガッツリ旅行ー」
「どうせならね」
夏が楽しみになってきたー。
「ありゃ? 弥生ちゃんから電話だよ」
「弥生から?」
「うん。 もしもーし、亜美でーす。 どうしたの弥生ちゃん?」
亜美姉がスマホで月島先輩と話している。
「え、千葉に来てるの? あはは……ごめんねぇ。 マイカーが手に入ったから、皆でドライブに来てるんだよ。 東京組皆で来てるの?」
どーやら、「皆の家」に来ているらしいー。
「明日の奈央ちゃんの式の為に前乗り? そかそか「皆の家」には夕ちゃんと春くんしかいないの? そかぁ。 私達も夕方くらいまでは戻らないよ。 ごめんねぇ。 じゃあまた後でねぇ」
「弥生達来てるの?」
「うん。 明日の為に先に来たみたいだよ」
「まあ、すぐには帰れないし」
「ドライブ楽しみましょ」
「だね。 じゃあ車に乗ってドライブ再開しよ」
というわけで、車に乗り込み更に南下していくのであったー。
◆◇◆◇◆◇
お昼過ぎだよー。 西條先輩が近くにある西條グループのレストランを探してくれたので、お昼ご飯にすることにー。
「ふぅ。 運転する時は適度な休憩をすることが大事なんだよ」
「集中しないといけないですものね」
「うん」
「じゃあ、ここで少しゆっくりしましょ」
「オムライス食べるぞー」
「私は親子丼にします」
それぞれのお昼ご飯を注文して、とりあえずゆっくりするー。
「そういえば明日は奈央と春人の結婚式だったわね。 前日にこんな事してて大丈夫なの?」
「大丈夫よ。 もう準備は全部済んでるし」
「そうなのね」
「奈々ちゃんも式挙げるなら西條ブライダルだよ。 紗希ちゃんもだよ」
「きゃはは。 すっかり西條グループの人間ね、亜美ちゃん」
「うむだよ」
さて、現在私達は木更津の辺りまで南下して来ているぞ。 このまま南下すれば房総フラワーラインという道路に出るらしい。 ただし、フラワーラインを走る時間は無いらしいので、今回は手前でUターンするとの事ー。
「フラワーラインドライブはまたの機会だね」
「ですわねー」
◆◇◆◇◆◇
お昼を食べて休憩した亜美姉。 更に南下していく。 亜美姉もかなり運転に慣れてきたようで、鼻歌を歌いながらドライブを楽しんでいる。
「ねーねー。 お姉ちゃんも免許取ろうー!」
「私は取る気無いわよ? 麻美が取れば?」
「たしかにー」
免許かー。 何だか車の運転はちょっと楽しそーだ。
「私としても長距離運転する時に交替出来る人がいると助かるよぉ」
「なはは。 考えてみるかー」
「大丈夫かいな。 麻美の運転て、目的地に着く気がせぇへんで?」
「きゃはは! たしかに!」
「ぶーっ」
「はぅ。 車で遭難……」
その後は皆にやっぱり免許取るなと言われたのだったー。
海岸沿いをした走るのであった。
「紗希よん。 亜美ちゃん中々の運転ね!」
「ふふんだよ」




