第1767話 マイカー
亜美の車の納車の日のようだ。
☆亜美視点☆
大宴会の翌日です。 カーディーラーから連絡があり、車の受け渡しの準備が完了したとの事です。 遂にマイカーを手に入れる時が来たよ。
「じゃあ行ってきます」
「なはは、行ってきますー」
「行ってくるわよー」
車を取りに行くのに、麻美ちゃんと奈央ちゃんがついて来るよ。 麻美ちゃんは単純に、私の車に乗りたいだけみたい。
◆◇◆◇◆◇
カーディーラーに到着! マイカーとご対面だよ。
「こちらになります」
「おお……感動だよ」
「なはは、可愛いデザインー」
「一応最終点検ですわよー」
というわけで、ディーラーの方と一緒に、不備や問題が無いかを確認していく。 オプション関係の動作も問題無さそうという事で、受け取りのサインをする。
「これで正式に私の車だよ」
もちろん支払いは一括なのである。 貯金はたくさんあるからねぇ。
「ありがとうございました。 またのご利用お待ちしております」
「うむだよ」
というわけで運転席に乗り込んで、サイドボタンで助手席と後部席のキーを解除する。
「なはは。 西條先輩が助手席ー。 私は後ろー」
「ではでは、助手席失礼」
「どうぞどうぞだよ」
「なはは。 広いー」
「8人乗りだからねぇ」
バックミラーやサイドミラーを調整して、周りの安全確認も実施。 ディーラーのスタッフさんが誘導してくれているので、ゆっくりと公道へ出るよ。
「よし、行くよ」
左折で公道へ出て、大海原へ!
ブロロロ……
「めちゃくちゃ安全運転ですわね」
「法定速度キッチリー」
「当然だよ。 若葉マークを付けてるから多少は許されるよ」
「で、どうしますの? このまま普通に帰っちゃう?」
「それは勿体無い気がするねぇ。 せっかくだし近くの喫茶店にでも行く?」
「おー、寄り道ー」
「良いですわね」
「じゃあ、ナビを使うよ」
近くの喫茶店を検索して、そこへ向かうよ。 300メートル先と800メートル先にあるようだ。 800メートル先の喫茶店に設定だよ。
「亜美姉カッコイイー」
「MT車とはシャレてますわよね」
「こっちの方が車を運転してるって感じがするからね」
カッカッとシフトチェンジしながら、順調に運転していく。 ミニバンは教習車と違い、運転席が少し高い為、前方の景色が良く見えるよ。
「おお、もう目的地が見えてきたよ」
「車だと楽ー」
「ですわねー」
喫茶店の駐車場に入り、車を停めて店内へ。 うん、駐車も問題無しである。
◆◇◆◇◆◇
「んむんむ。 パフェ美味しいねぇ」
「なはは」
「亜美ちゃんの運転は乗り心地良いわね? やっぱり安全運転大事ですわね」
「当然だよ。 教習所で学んだ事をちゃんと守って運転しなきゃダメだよ。 んむんむ」
さて、家に着いたら駐車場に車を停めるわけだけど、契約は来月一杯までにしている。 近いうちに「皆の家」に屋根、シャッター付きのガレージが作られるからである。 助かるね。
「明日ぐらいにちょっとしたドライブに行きたいね」
「たしかにー」
「8人乗りだし、連れて行く人を選ばないといけませんわね」
「だねぇ。 まずは候補者を募って、溢れちゃったらジャンケンしてもらおう」
「なはは! 勝ち取るー」
まだ人数がオーバーするかはわからないけどねぇ。
「んむんむ。 後は車内の内装とかも弄りたいね」
「良いですわね」
「うむー」
車内も少し華やかにしたいね。
◆◇◆◇◆◇
さて、喫茶店を出て自宅近くの駐車場まで帰ってきたよ。 私の駐車場は26番だね。 車庫入れも完璧にこなすよ。
「ふぅ」
「亜美姉の運転最高だー」
「これなら私の専属運転手も任せられますわね」
「あ、あはは。 高級車の運転は怖いねぇ」
何があったら凄い額を賠償させられちゃいそうだよ。
「よし、『皆の家』に行くよ」
「ですわね」
「おー」
きっと皆も来ている事だろう。 早速明日のドライブ同行者を募るよ。
◆◇◆◇◆◇
「という事で、明日私とドライブ行きたい人ー」
「なはは! はいはいー!」
「私も亜美の車に乗ってみたいわね」
「私もぅ」
まずは3人。 あと4人だね。
「私も行きますわよー」
「夕ちゃんは?」
「俺はまあ、いつでも乗れそうだしな」
「そっか。 あと3人だよ」
「きゃはー。 じゃあ私も行くわよん」
「私も良いですか?」
「マリアちゃんも大丈夫だよ。 あと1人だよー」
「遥ちゃんはどう?」
「私は明日用事があるのさ」
「残念。 宏ちゃんと前田さんはお仕事だよねぇ」
「だな」
「ですね」
「ほな、私が行きます」
「渚ちゃんね。 他にいたらジャンケンになるけど」
他に立候補もなく、8人が確定したよ。 明日は私、希望ちゃん、奈々ちゃん、麻美ちゃん、渚ちゃん、奈央ちゃん、紗希ちゃん、マリアちゃんの8人でドライブだよ。 楽しみだね。
「さて、行き先をどうしようかなぁ」
「この時期だと桜もまだ咲かないしね」
「なら、海岸沿いに房総半島を南下して行きましょう」
「ふむふむ。 途中まで走って、適当な場所で休憩して帰ってくる感じだね」
「初ドライブにしちゃ結構な距離走りそうね」
「なはは。 大丈夫かー?」
「何とかなるよ。 休み休み行けばね」
明日の予定も定まり、今日のところは解散だよ。 自宅に帰ってゆっくり休んで、明日のドライブに備えるよ。
◆◇◆◇◆◇
「ふむ。 まずはこのルートで市内を横断して、海岸沿いの道路に出る。 後はずっと南下だねぇ。 さすがにフラワーラインまでは行けないかなぁ? 明後日には奈央ちゃんと春くんの式があるし、早めに戻って来なきゃだからねぇ。
「明日のルート考えてんのか? ナビがあるだろ?」
「まあ、そうだけどね。 一応だよ一応」
「ふぅん」
「みゃっ」
「なーっ」
「はぅ。 マロンとメロンはどうするのぅ?」
「うーん。 明日はさすがにお留守番かなぁ」
「みゃっみゃっ!」
「なー」
お留守番はあまり好きじゃない2匹。 何とか連れて行ってもらおうと必死にアピールしてくるが、残念ながら明日はお留守番決定だよ。
「みゃー……」
「なー」
聞き分けが良くて助かるよ。
「夕ちゃん。 そういう事だから、明日はこの子達の事をお願いね」
「おう」
「みゃ」
「なっ」
◆◇◆◇◆◇
翌日だよ。
朝早くに車を出して「皆の家」へ。 ドライブについて来るメンバーを車に乗せるよ。
「おお、広いわね」
「むふふ。 そうでしょ」
「今日はお願いします」
「うんうん。 マリアちゃんもゆっくり堪能してね」
「私が助手席ー」
「はいはい。 皆、乗ったかしら?」
「はーい」
「ではでは、清水亜美、マイカーゲット後の初のドライブに出発だよ!」
「イェーイ」
という事で、車を出していざドライブを開始。 まずは市内に出て市内を横断していき、海岸沿いの道路に出るよ。 途中で昼食休憩や道の駅で休憩を挟む予定である。 今日は楽しむよ。
ドライブ開始!
「奈央ですわ。 亜美ちゃんの運転は丁寧ですわね」
「一時停止だよ!」




