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第1739話 亜美、教習所へ通う

突然自動車免許の話を始めた亜美。 

 ☆亜美視点☆


「ねぇ、弥生ちゃん」

「なんや?」

「車の免許って簡単に取れる?」

「免許か? まあ、亜美ちゃんやったら座学は余裕やろ? 実地はどないか知らんけど、ウチは簡単やったよ」

「なるほど」

「亜美ちゃんどうしたの? 車の免許取るのぅ?」

「うん。 あると便利かなと思ってね」

「将来的には私の秘書兼専属運転手までやるという事?」

「あ、あはは……そこまではどうかなぁ?」


 その発想は無かったよ。 本当に、あれば便利かなぁぐらいに思っていただけである。


「早い人やったら1ヶ月もあれば卒業出来るで」

「それはありがたいねぇ」


 私は実地の方がどうかわからないけどねぇ。 奈央ちゃん曰く「亜美ちゃんだったら実地もすぐにコツを掴んであっさり卒業しますわよ」との事。 全く人を何だと思っているのか。


「この辺だと市内のドライバーズスクールかな?」

「ですわね」

「色々と調べてみるよ」


 市内にあるドライバーズスクールについてはネットで調べてみることにするよ。



 ◆◇◆◇◆◇



「というわけで、私は申し込みに行ってくるよ」

「本当に取るんだな」

「うん。 ちょっと出かける時とかにあると良いし、旅行先や遠征先でレンタカーも借りられるからねぇ」

「なるほど」

「まあ、頑張りや」

「亜美なら余裕でしょ」

「なはは。 亜美姉が免許取ったら車乗せてー」

「うんうん。 ドライブに行こうねぇ」


 申し込みすらまだなんだけど、皆気が早いね。


「じゃあサクッと申し込んでくるよ」

「いってらー」



 ◆◇◆◇◆◇



 ドライバーズスクールでは、申し込んだ後で、簡単な適正検査と教習の説明を受けたよ。 視力や聴力、健康面や精神面等、問題が無いかを一通りチェックされるのだ。 基準をクリア出来ていれば、とりあえず入校が許可される。 私は問題無くクリアである。 やったね。 お勉強に関しては次回から本格的に始まるとのこと。 通うペースは自分のペースで大丈夫との事だけど、今は時間もあるし、大学卒業までには欲しいので、出来るだけ毎日通うつもりである。

 帰りには本屋さんに寄り、車の教習に関しての本を購入。 早速予習をしていくよ。


「ふむふむ。 標識やら道交法についてやら、色々あるねぇ。 まあ、全部知ってるけど」


 こんな物は小学生の頃に暗記したよ。 今更だねぇ。 こりゃ学科は余裕である。


「早く運転してみたいよ」



 ◆◇◆◇◆◇



 市内でゆっくりした私は、夕方には「皆の家」に帰宅。 皆は相変わらずのんびり過ごしていた。


「ただいまだよ」

「おー、えらいゆっくりやな」

「うん。 せっかく市内に出たからね。 ショッピングもしてきたよ」

「いつから通うのぅ?」

「明日から休み以外は毎日だよ」

「えっ?!」

「だはは! えらいハイペースやな」

「大学卒業までには免許取りたいからね」

「まあ、大学卒業したら忙しくなりますものね」

「うん。 目指せ早期取得だよ」

「短期合宿にしたら良かったやん」

「合宿はやだよ。 通う方が良いよ」


 短期とはいえ、ここの皆と会えないのは寂しいのである。


「まあ、そのペースでスムーズに行ったら来月頭ぐらいには取れるやろ」

「頑張るよ」


 さてさて。 私は普通自動車免許を取得することが

出来るだろうか?



 ◆◇◆◇◆◇



 私が自動車免許を取るという話から、弥生ちゃんが持っている資格の話になった。 たしか自動車免許の他に小型ボートなら運転出来る船舶免許も持っていたはず。


「持っとる資格? まあ、皆が知っとるように自動車免許と一級小型船舶操縦士。 他にはあらへんよ」

「船舶操縦士免許なんてよくまあ取ろうと思いましたわね」

「あると釣りの幅が広がるんや」

「手漕ぎで良くない?」

「疲れるやろ」


 との事。 私も船舶操縦士の免許はいらないかなぁ。 使い道が無いよ。


「亜美姉は免許取ったらどんな車買うのー?」

「まあ、とりあえずは普通で良いかなぁ? 家族が増えたらまた考えるよ」


 まあ、増えると言っても1人2人だろうけど。 大型ワゴンを買うまででは無いだろう。


「キャンピングカーとかは?」

「そんなのいらないよ……」


 それはまた使い道が大きく変わってくるからね。


「今から決めておいたら?」

「まだ免許取れてないのに気が早いよ……」


 何故か皆の方が盛り上がるのであった。 



 ◆◇◆◇◆◇



「亜美姉ー。 ゲームやろー」

「ゲーム?」


 部屋に戻ろうとすると、麻美ちゃんに呼び止められた。 ゲームといえばいつものオンラインゲームかな?


「カーレースゲームー」

「カーレースゲーム?」

「車走らせるやつー」

「なるほど」


 公道を走る練習にはならなそうだけど、ちょっとしたシミュレーションぐらいにはなるかもしれないね。


 というわけで早速やってみるよ。


「なはは。 亜美姉遅いぞー」

「安全運転だよ」

「これレースゲームー」


 私は速度を落として安全に運転しているよ。 おかげで順位は最下位である。


「教習所じゃないのに安全運転とは、さすが亜美姉ー」

「シミュレーションだよ」

「なははー」


 ちなみにこのレースゲームは信号も無ければ交差点も無い。 練習には不向きである。 麻美ちゃん曰く、自動車教習所の教習を体験出来るゲームもあるのだとか。 色々とあるんだねぇ。



 ◆◇◆◇◆◇



 翌日だよ。 私は早速教習を受ける為に市内のドライバーズスクールへやって来たよ。 初日は簡単なカリキュラムの説明である。 座学はお手のものだ。 まず最初は、学科教習という物を決まった時間受けなければならないとの事。 自動車を運転する際に関係してくる法令や、マナーについてを教えてくれるとの事だよ。 法令関係は元から頭に入っているが、運転マナーについては詳しく知らなかったので、しっかり聞いておこう。 

 学科教習を規定時間受けた後は技能講習がある。 実際に車に乗り、教習コースを使って運転の基礎を学ぶようだ。 技能講習には二段階あり、教習所のコースを使う第一段階、実際に路上に出てより実践的な事を学ぶ第二段階だ。 それぞれの段階で、しっかり基準をクリアしていないと、追加の講習が増えて卒業が伸びるとの事だ。 最後には卒業試験もあるようだよ。 試験と名の付くものは全て満点を取ってきた私。 ここも満点で卒業したいところである。


 というわけで、講習初日の学科教習を受けていくよ。 教科書もあるようで、ちゃんとそれに沿って進めていく。 まるで学生だよ。



 ◆◇◆◇◆◇



「お疲れ様でした」

「お疲れ様でした!」


 初日の教習は終わりだよ。


「法令に関してはもう完璧だよ」


 そんな物は小学生の頃に通過したよ。 早く車に乗って教習したいけど、学科は10時限受けなければいけない決まりだそうだ。 まだもうちょっとかかりそうです。 教習コースを見ると、何台かは教習中のようで、坂道発進や縦列駐車の教習をしている車が見受けられる。


「よーし、私も頑張るよ!」

遂に免許取得に乗り出した亜美であった。


「遥だ。 亜美ちゃんの事だから法律遵守した走りなんだろうなぁ」

「安全運転だよ」

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