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第1715話 小学生の成長

アルテミスジュニア達の練習試合はまだ続く。

 ☆亜美視点☆


 現在、小学生チームであるアルテミスジュニアが、初めての練習試合中だ。 アルテミスジュニアは初試合なのに、クラブチームの4年生選抜チームと互角以上に渡り合っている。 1セット目を21ー16で取り、2セット目も優勢に進んでいる。 今日は2セット先取制になっているので、このセットを取れば勝ちである。


「はい!」

「えい!」


 パァンッ!


「2セット目も変わらず絶好調だね」

「ですわねー」

「しかも、試合の中でもどんどん成長してるぞ」

「それよね。 試合始まる前と今じゃもう別人よ」

「私達、凄い子達を見つけちゃったのぅ?」

「だねぇ。 10年に1人の逸材が集まっちゃった感じだよ」


 本当に凄い子達である。 このまま練習を続けていけば、中学大会はかなりの成績を残せるレベルになるはずだよ。



 ◆◇◆◇◆◇



「試合終了、25ー16、14ー21アルテミスジュニアチームの勝利!」

「や、やった!」

「やりました!」

「わーい!」


 さゆりちゃん達、アルテミスジュニアは初の試合を勝利して戻ってきた。


「お疲れ様だよ。 良い試合だったよ」

「えへへ」


 褒められて照れるさゆりちゃん達。 初の試合でこれだけ出来るとは思わなかったよ。 本当に天才なのではないだろうか?


「皆、再来週の日曜日は空いてる?」

「さらいしゅー?」

「私は大丈夫です!」

「私もー!」


 他の子達も特に予定も無いとの事。 これなら、再来週の練習試合、受けられるね。


「監督さん。 子供達、再来週は大丈夫みたいですわ」

「そうですか。 嬢ちゃん達。 今日は4年生の子達の良い経験になったよ。 ありがとう」

「は、はい」

「再来週に、今度はスタメンチームと練習試合をしてほしいんだ」

「え?」

「い、良いんでしょうか?」


 と、私や奈央ちゃんの顔を窺うさゆりちゃん達。 私達は「うんうん」と頷く。 さゆりちゃん達はパァッと笑顔になり「よろしくお願いします!」と監督さんに頭を下げるのであった。



 ◆◇◆◇◆◇



 試合の後は、ジュニアの皆を「皆の家」に連れて来たよ。 汗もかいただろうから、お風呂を貸して上げたりしたよ。 お風呂でさっぱりした後はリビングに集まって祝勝会。 お菓子とジュースでお祝いだ。


「おん。 何だ今日は? お客さんが多いな?」


 夕ちゃんが「皆の家」にやって来てリビングを覗く。 いつもはいない小学生達の姿を見て首を傾げる。


「祝勝会だよ」

「この子達、今日の練習試合に勝ったのよ」

「ほぉ。 それは凄いな! おめでとう皆。 ゆっくり楽しんでいくといい」

「はい!」

「ありがとうございます!」


 夕ちゃんはリビングには入らずに、そのまま自分の部屋へと移動する。 まあ、さすがに入り辛いだろうからね。


「それにしても、快勝だったわね」

「4年生チームとはいえ、クラブチームに勝てるとは思いませんでしたね」

「そうかな? この間の練習を見た時点ではもう4年生チームには勝てそうだと思ってたよ」

「ですわね。 それに再来週はスタメンを引っ張り出せるし。 再来週が本番ですわよ、皆」

「はい!」


 スタメンチームには6年生も当然いるだろう。 中には月ノ木中学で一緒になる子もいるかもしれない。 実質来年度のスタメン争いみたいなものになるかも。


「そういえば来週は月ノ木ウイングスは大会に出るみたいね?」

「言ってましたわね?」

「当然スタメンチームが出るだろうし、見に行くのはありよね?」

「まあ、そうですわね?」

「私と希望ちゃんは東京の両親のとこに行くから無理だよ」

「だよぅ」

「あら、そうなの。 まあ、私達だけでも見に行くのはありですわね」

「私達も見に行きたいです!」

「です!」


 小学生達も次の練習試合に向けてやる気十分のようで、来週の偵察について行きたいと申し出ている。 私はさっきも言ったように、来週は東京の両親の家に行く予定なので、私達は不参加になる。 偵察は他の皆に任せるよ。



 ◆◇◆◇◆◇



 小学生達を家に送っていき、再び「皆の家」に戻って来たよ。 帰って来た前田さんに、今日の試合内容の動画を見てもらう。


「凄いですねー。 この前見た時より随分レベルアップしてますよ……しかも、試合中にもどんどん上手くなってます」

「だよね」

「本当、若いって怖いわね」

「それで、再来週には同じクラブチームのスタメンチームと試合ですか?」

「ですわよ。 どう思います?」

「そうですねー。 さゆりちゃん達の伸び率と、ウイングスさんの4年生チームのレベルから逆算したスタメンのレベルを比較すると……再来週には良い試合が出来るかもしれません」

「おお?」

「あくまで計算上ではですが」


 それでも、再来週にはスタメンチームと良い試合が出来るレベルまでは成長するかもしれないというのだから恐ろしいねぇ。 


「にしてもどうなってるのかしらね、あの子達」

「本当だよ」


 最初にバレーボール教室を始めた時は、間違いなく初心者だった。 にも関わらず、今既にはクラブチームの子達と戦えるぐらいに上手くなっているのだ。 希望ちゃんが聞いている話だと、学校でもお昼休憩とかには練習したりしているみたいだよ。 バレーボールが好きで練習もサボらない。 おまけに先生は私達日本代表メンバーだ。 そりゃ伸びるよ。


「来週は土曜日に練習、日曜日はジュニアの大会を観戦ですわね。 再来週は来週考えていきましょう」

「そうね」


 私達が教えて上げられる間は出来る限りの事は教えて上げたいと思うよ。



 ◆◇◆◇◆◇



 翌日だよー。


「おー。 寒いねぇ」

「寒いよぅ」


 今日はめちゃくちゃ寒いよ。 千葉ではマイナス9度を記録しているようだ。 寒いわけだ。


「マロン、メロン。 寒いねぇ」

「みゃー」

「なー」


 2匹の猫は暖かい場所で丸くなっている。 まさに猫である。


「こういう日は家に籠るに限るぜ」

「買い物には行かないとだよ……」

「はぅ」


 寒くても食糧を買いに出なきゃいけないのだ。 大変である。 私は当然のようにジャンケンに負けて、買い出しに出かける事になった。



 ◆◇◆◇◆◇



「寒いねぇ!」


 と、ぶつぶつ文句を言いながら駅前スーパーを目指す。 店内に入りさえすればしばらくは温もりの中を歩けるよ。


「ん?」


 ふと、小学校の横を通りかかると……。


「はい! さゆりちゃん!」

「えい!」


 パァンッ、


 寒い中、校庭でバレーボールの練習をしているさゆりちゃん達を見つけた。 ちょうどお昼休みだしね。 それにしても、こんなに寒い中かでもやるなんて凄いね。 そりゃ上達も早くなるわけだよ。


「私もバレーボールを始めた頃はあんな感じだったかもしれないね」


 小さな頃はとにかく夢中でボールを追いかけていたような気もするよ。 私も今年からプロになるし、しっかりと練習していかないといけないよね。 ワールドカップもあるし。


「よーし、頑張るよ!」


 それにしても寒いねぇ!

再来週にはスタメンチームと試合。


「奈々美よ。 再来週までにまた成長するのかしら?」

「多分ね」

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