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第1712話 準備はお早めに

亜美に呼ばれた夕也。 話の内容は?

 ☆夕也視点☆


「んん? 式の相談? 今のところ予定は6月だろ? まだ早くないか?」

「いやいや、遅いくらいだよ」

「5ヶ月あるが?」

「あっという間だよ」

「ふむ。 そうか」


 亜美に呼ばれて部屋に来てみれば、もう式の事で相談があると言われた。 新田さんの式は数日の準備期間だったと思うのだが? あれが普通じゃないのか?



 ◆◇◆◇◆◇



 バイトの休憩中に、名塚さんに訊ねてみる事にした。 名塚さんが式を挙げた時は、どれくらい前から始めたのだろうか?


「式の準備? んー、そうさねー。 たしか7ヶ月ぐらい前からかな」

「そ、そんな前からなんすか?」

「いや、それぐらい見といた方が良いよー? 親族だけでやる小さなものなら3ヶ月程度で出来るけど、私の時みたいにちょいと大きめの式になるとそんくらいよ」

「そ、そうなのか」

「良いなぁ、結婚……」

「三浦さんは相手いないの?」


 名塚さんがズバッと刺す。


「いないんですよー! うわーん!」

「あちゃー。 頑張んなー。 大学なら合コンとかチャンスあるってば」


 三浦さんも普通に綺麗な人だし、相手なんてすぐに見つかりそうなもんだが。


「にしても、式の準備には時間かかるんだなぁ」

「式場決めるのにも時間かかるからね。 早めに動いた方が良いのは間違いないよ」

「そうなのか」


 亜美が言ってたのは本当なんだなぁ。 帰ったら亜美と相談して準備を進めていくか。



 ◆◇◆◇◆◇



 バイトから家に戻ってくると、亜美と希望はマロン、メロンを連れて「皆の家」へ出かけた後のようだ。 晩飯だけ置いてあり「今日はあっちに泊まります」とメモが置いてあった。


「ふうむ。 飯食って俺も行くか」


 用意してある晩飯を急いで食べ、「皆の家」へと向かう事にした。



 ◆◇◆◇◆◇



「おーっす」

「あれ、夕ちゃん来たんだ?」

「おう。 昼の話の続きしないとと思ってな」

「何ですか? 昼の話の続きというのは?」


 冴木さんも今日は泊まるらしく、猫に囲まれてながら首を傾げる。


「式の準備の話?」

「おう」

「おー。 なるほど! 結婚式のお話ですか」

「式場は是非、西條ブライダルを」

「あはは……そのつもりではあるけど、夕ちゃんと相談しないとね」

「是非! 西條ブライダルを!」


 何か俺にも凄い圧をかけてきたんだが? まあ、西條グループなら心配はないだろうが。


「式場決めるにも時間かかって大変だって聞いたし、すんなり決まるなら西條ブライダルで話を進めて良いかもな」

「それはそうだね」

「ならば! 今度、私と春人君の打ち合わせの際に一緒について来て話を聞いてみては?」

「奈央、やけに前のめりね」

「他の式場なんかにお客を取られてなるものですか」

「あ、あはは……」

「ついて行くのはありかもな」

「なら、また三山夫妻でも呼んで行きますか」


 どうやら三山夫妻も式を考えているらしく、西條ブライダルの世話になるつもりのようだ。 まあ奈央ちゃんの口聞きで多少は安めに式挙げられるメリットがあるしな。


「明後日に東京の西條ブライダルへ行きますのでついて来るといいですわ」

「そうだね」

「わかった。 明後日だな」


 まあ、とりあえず話を聞いてからでも大丈夫か。 式場はあっさり決まりそうだしな。


「いよいよだねぇ、夕ちゃん」

「だなぁ」

「2人は色々とあったからね」

「その色々には希望ちゃんも絡んでるんだよ」

「はぅ。 亜美ちゃんが勝手に我慢してただけだよぅ」

「あぅ」

「思い出すわねー。 拗らせてた亜美とか」

「黒歴史だよ。 掘り返すの禁止」

「何ですか、その拗らせてた清水先輩というのは?」

「冴木さん、聞かなくていいんだよ。 黒歴史なんだよ」

「実はね、高校1年の頃の亜美はかなり拗らせててね」

「は、はい」

「奈々ちゃん!」

「ちょっと黙ってなさい、亜美」


 コツンッ


「あぅっ?! 痛い! 痛いよぉ! 頭蓋骨が割れたよ!」


 奈々美に軽く頭を小突かれて転げ回る亜美。 大袈裟に見えるが、奈々美にやられたら本当にああなるんだよなぁ。


「冴木さんは希望が清水家の養子だって知らなかったわよね?」

「まあ。 でも別姓で姉妹なのでそうなんじゃないかなとは思ってましたが」

「小学6年の時に、私の本当の両親が亡くなってね。 その時、色々あって清水家の子供になったんだよぅ」

「そ、そうなんですね」


 まあ、色々あったんだよな。 その辺のところ詳しくは知らないのだが。 亜美が色々と奔走していたのは知っている。


「そんで、そんな希望の幸せの為に姉の亜美は自分の幸せを捨てて夕也を譲ろうとしたのよ。 本当バカよね」

「本当だよぅ」

「亜美姉まだ転げ回ってるよー」

「胸が痛いよぉ! グサグサ言葉が刺さるよぉ!」


 頭の痛みはもう無いらしい。 その代わり胸が痛むらしい。


「はいはい。 亜美ちゃんをいじめるのはそこまでにしてあげなさいな」

「ぜぇぜぇ。 生きた心地がしないよ」

「かなり効いたみたいね」

「大ダメージだよ」

「い、色々とあったんですね?」

「まあねぇ。 でも、結果的に今の形に収まったわけだよ」

「はぅ。 私は負け組だよぅ」

「なはは……争いにすら参加出来なかったー」

「あはは……」

「冴木さんはいないんですか? 気になる男性」


 珍しくマリアちゃんが冴木さんに質問している。 たしか同級生だったよな。 普段見てても特別仲が良いところは見ないが。


「いないいない。 合コンとかにも誘われるけど、行かないし」

「冴木さんもそのタイプかー」

「マリアもよね?」

「そうですね。 行く意味がありません」


 勿体無いな。 2人とも美人なんだが。 まあ、本人達がそれで良いと思っているんなら構わないんだが。


「なはは。 マリアはお見合い結婚とかしそー」

「断ってます。 一応将来の相手は自分で探します」

「おお、そういう考えはあるんだねぇ!」

「意外ね」

「ですわね」

「私、何だと思われてるんでしょう?」


 あまり男性や恋愛には興味無い人だと思われているのだろう。 俺もそうだし。


「マリアちゃんが好きになる男の人ってどんな人だろう?」

「なはは。 髭の似合うナイスミドルとみたー!」

「いやいや、年下の可愛い男とみたわ」

「いえ、物静かで知性的な男性が好みです」

「春人君は上げないですわよ?!」

「だから盗ったりしませんよ……」

「マリアっぽい。 同級生にはそういう人いなかったしね」

「白山大学には割といるけど、気になる人はいないの?」

「いません」


 そこはいないんだな。 もしかしたらマリアちゃん、理想がめちゃくちゃ高かったりするのだろうか?


「そういう人が現れれば自然と好きになると思います。 そういう人が現れればですが」

「あはは……マリアちゃんの理想は高そうだね」

「どうでしょうね。 わかりません」


 マリアちゃんは未だに掴みづらいなぁ。 相変わらず考えてることはよくわからない。 もうちょっと仲良くなりたいもんだが、亜美ですらまだ仲良くなり切れてなさそうだしなぁ。 難しい子だ。

式の準備を始める事になった夕也と亜美であった。


「遥。 私ももう始めなきゃな。 先輩に相談するか」

「式場には是非、西條ブライダルを!」

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