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第1700話 今年は色々ありそう

まだ続く羽根突き大会。

 ☆亜美視点☆


 さて、羽根突き大会も遂に決勝戦。 ササッと終わらせて顔を洗いたいよ。


「ほな準備ええか?」

「良いですわよ」

「大丈夫だよ」


 私と夕ちゃんのペア対奈央ちゃんと紗希ちゃんペアの試合開始である。


「行きますわよ! ネオドライブサーブ羽根突きバージョン!」

「出来るわけないよ……」


 羽根突きの羽根はボールではないので縦回転なんかかからないよ。


 コンッ!


 大袈裟に助走してサーブをしてきた奈央ちゃんだが、やはり特にドライブ回転が掛かっている様子はない。


「夕ちゃん」

「おう」


 普通に夕ちゃんが拾い、私へのトスとなる。 このパターンが一番勝ちやすいパターンだ。


「てやや!」

「きゃはは! ブロックー!」

「えぇーっ?!」


 私のジャンプに合わせて紗希ちゃんも飛び上がる。 私に次ぐジャンプ力を持つ紗希ちゃんだから可能なプレーだ。 紗希ちゃんは羽子板を私がスマッシュしようとしている羽根の真正面に構えている。


「仕方ない! てや!」


 ココンッ!


 ダメ元で打ってはみたが、やはり叩き落とされてしまったよ。 まさか羽根突きでブロックプレーをしてくるとは。


「なあ亜美」

「何かな?」

「羽根突きってこうじゃないよな?」

「ルール無用にしちゃったのは失敗だったね」


 さっきから皆やりたい放題やっているからね。 競技羽根突きには細かいルールがあったりするんだけど。


「ふふふのふー。 亜美ちゃんの顔に落書き。 愉悦ですわ」

「これだけは羽根突きっぽいとこだよ……」


 しっかりと奈央ちゃんから落書きされる私。 夕ちゃんは紗希ちゃんに落書きされている。


「きゃはは。 何か目覚めそー」

「新たなサドッ気が……」


 紗希ちゃんは相変わらずだね。


「さて、次は点取るよ」

「しかしあのブロック、どうする?」

「まあ、何とかするしかないね」


 上手くブロックをかわす技術があれば何とかなるだろう。 バレーボールと同じ同じ。


「サーブいくわよん! とりゃ!」


 コンッ!


 今度は紗希ちゃんのサーブ。 それをまた夕ちゃんが拾って私に任せてきた。 紗希ちゃんも既にネット前まで来ており、私に合わせてジャンプする準備をしている。


「紗希ちゃん勝負!」

「臨むとこよー!」


 同時に飛び上がり一騎打ちになる。 羽子板でブロックする構えの紗希ちゃん。 その羽子板の位置を確認し、そこからずらして打ち込むよ。


「こっちだよ!」


 私は紗希ちゃんが構える羽子板の位置からクロスに打ち込んだ。


「きゃは!? あえてのクロス?!」


 紗希ちゃんはクロス打ちは読んでいなかったらしく、反応出来ずに羽根は相手コートへ。


「ふぅ。 とりあえず1点だよ」


 というわけで、私達も奈央ちゃん達に落書きタイムだよ。 奈央ちゃん紗希ちゃんはまだ1試合しかしてないから顔も割と綺麗だ。 しっかりと墨まみれにしていくよ。


「奈央ちゃん覚悟だよ」

「まあ、仕方ありませんわね」

「書き書きだよ」

「今井くぅん、顔じゃなくて胸とかお尻に書いてみりゅ?」

「紗希ちゃーん!」

「きゃはは」


 まったく紗希ちゃんは……。



 ◆◇◆◇◆◇



 その後も激戦が続いた決勝戦。 結局は6-7で奈央ちゃん達に負けてしまい、顔は真っ黒になり更には奈央ちゃんに煽られるという最悪な展開となった。


 その後、私達はお風呂を沸かしてお風呂に入り、汗を流して顔を綺麗に洗う。


「ふぅ。 何だかんだ楽しんだね」

「キャミィ、ミア、どやった?」

「おもろかっタデ! ニホンのブンカにふれたかんじヤ」

「でス。 もっと日本の事知りたいでス!」

「良いですわね。 今年は日本の文化に触れる旅行とかもありかしら」

「ナルホド」

「日本の遊びとかももっと見せてあげても良いわよね?」

「日本の遊びって例えば?」

「お手玉とかおはじきとか? けん玉とかどうなんだろう?」

「なんやソレ!」

「楽しそうでス!」


 アメリカ娘の2人からすればどんな事でも楽しめるんだろうね。 私達もお手玉やおはじきの経験はそんなに無い。 小さな時に遊んだ記憶が微かにあるぐらいだ。


「まだまだニホンについてはしらんコトおおいナー」

「でスね!」

「まあ、日本とアメリカじゃ色々と文化も違うだろうしね」

「そうね」


 私達だってアメリカの事では知らない事が多いし。 私も色々と知りたいねぇ。



 ◆◇◆◇◆◇



 お風呂から上がり、のんびりとテレビを見ながら駄弁りタイムだ。


「お正月から結構遊んだね」

「なはは。 私は見てただけー」

「私もだよぅ」


 羽根突きをしていない人はたしかに見てただけだね。


「明日はどうする?」

「また餅でもつく?」

「ゆっくりしましょうよ」

「それは退屈っしょ」

「三ヶ日はどこ行ってもねー……」


 と、明日の予定に関しては未定。 今日みたいに突発で何か勃発する可能性はある。


「ちびっ子にバレーボール教えるんはいつや?」

「正月明けてからだね」

「さよかー。 もっかいぐらい教えてやりたいとこやけど、それやと無理やな」

「また機会があればね」

「やな」


 バレーボールか。


「もうすぐ春高だね」

「4日からですわね」

「月学、立華、都姫、3校とも凄い選手いるらしいじゃん」


 と、宮下さんが珍しく情報を持っているらしい。 私は詳しくは知らないんだけど。 月学には海咲さんというOH(アウトサイドヒッター)がいて、全国屈指の選手らしい事だけは知っている。


「テレビで試合見よ」

「ですね」

「立華には大空って選手がおるらしいで」

「都姫には浜波って子がいるみたいよ」


 なるほど。 各校に注目選手がいるようだ。 観戦する方も楽しみだ。


「下の世代からもどんどん良い選手が上がって来るわよねー」

「ほんま、気が抜けへんわ。 もう天堂さんやら神園さんはすぐそこまで来とるしな」

「アルテミスの方もまだ負け無しですわよ」

「やっぱりメンバーが強いですよ」


 前田さんの言う通り、我らが千葉西條アルテミスはメンバーに日本代表やフランス代表がいたりと、かなり強力なチームだ。 今年の春からは私達も合流予定だし、もっと強くなるよ。


「来シーズンが楽しみやな」

「ワールドカップもあるっけ?」

「だねぇ」


 今年はまたバレーボールの1年になりそうだ。 大学卒業したらまた新しい生活が始まるんだね。


「私も早く卒業したいー!」

「私らは来年やな」

「私は再来年です」


 マリアちゃんがプロに来るのは再来年かぁ。 アルテミスに入るつもりらしいけど、いずれは他チームで私と対戦したいとも思っているのだとか。


「まあ、皆がプロに上がって来たら楽しなるで」

「そうねー」

「私達も負けないように精進しないと」

「ヤナー」

「私もまだでス……」


 ミアさんもまだ大学生。 プロの舞台にはまだ上がってこれない。 ミアさんはクリムフェニックス志望。 強敵になるよ。 私も負けないように頑張らないと。

大学を卒業する今年は新しい生活が始まる年。


「紗希よ。 4月になったら私も千葉に戻ってきてデザイナーのお姉さんの下で修業よ」

「私も幼稚園の先生ですよぅ」

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