第1698話 新春羽根突き大会勃発
凧揚げに挑戦しているミアとキャミィ。
☆亜美視点☆
元旦のお昼過ぎだよ。 今、「皆の家」のお庭ではキャミィさんとミアさんが凧揚げに挑戦中だ。
「はなすデー」
「はい!」
ミアさんが走りながら凧を風に乗せている。 これで3回目のチャレンジだ。
「お、良いぞー。 ゆっくり糸を繰り出して高度を上げるんだ」
ミアさんの横では遥ちゃんがアドバイスを出している。 遥ちゃん、さっきあっさりと凧揚げを成功させてたからねぇ。
「おー」
「ミアやったやん!」
「出来ましタ!」
ミアさんは糸を上手く引っ張りながら凧を安定させている。 さすがに飲み込みが早いねぇ。
「ヨッシャ! つぎはウチ!」
「はい!」
今度は持ち役を入れ替えてキャミィさんが挑戦。 キャミィさんも3度目の挑戦で凧揚げを成功させた。 2人とも凄いねぇ。 私がやったら私も一緒に揚がりそうだよ。 私は体重軽いからねぇ! 軽いんだよ。 うん、軽いんだよ。
「ワハハ! おもろいナ」
「でス!」
2人にとっては新鮮な遊びなので、とても面白いのだろう。 2人で順番に糸を持ちながら、しばらく凧揚げを楽しんでいた。
◆◇◆◇◆◇
「次は羽根突きやな」
「私出来るよ」
羽根突きはやった事があるから私も出来るよ。
「じゃあ、亜美が2人に教えて上げて」
「らじゃだよ」
というわけで、羽子板と羽根を持ってキャミィさんとミアさんの前に立つ…
「2人とも、バドミントンはわかる?」
「しってるデ」
「ラケットを使ってシャトルを打ち返すスポーツでス」
「そうそう。 基本的にあれと似たようなもんだよ。 本来の競技としての羽根突きは結構細かなルールとかがあるんだけど……」
「何よ、競技としての羽根突きって?」
私の説明を聞いていた奈々ちゃんが首を傾げながら訊いてくる。 まあ、たしかに知らない人の方が多いかもしれないね。
「実は、羽根突きは大会とかが開かれたりする競技なんだよ」
「し、知らなかったわ」
「まあ、あんまメジャーな競技じゃないからね」
「そうよね」
と、話が逸れてしまったよ。 2人に説明しないとね。
「えっと、さっきも言ったように、基本的にはバドミントンと同じだよ。 2人で羽根を打ち合って、落とした方が負け。 勝った方は負けた方の顔に墨で落書き出来るんだよ。 まあ、それはなくても良いけど」
「あかん。 罰ゲーム無しは盛り上がらん」
と、弥生ちゃんが怒り出す。 たしかに、ただ羽根突きするだけじゃあちょっと物足りないか。
「奈央ちゃん、墨ってある?」
「ありますわよー。 取ってくるわね」
あるんだね。 さすがだよ奈央ちゃん。
「まずは2人で軽く練習してみたら?」
「ソヤナ」
「はい!」
2人はある程度距離を取って向かい合い、早速羽根突きを始める。
コンッ!
コンッ!
「お、中々上手いやん」
「ワハハ」
「えいっ」
コンッ!
「ワワッ?!」
キャミィさんが先に羽根を落とす。 外でやると風の影響をもろに受けるので、普通のラリーをするのも案外難しいのである。
「競技羽根突きって屋内でやんの?」
「うん。 体育館とかでやるよ」
「へぇ」
キャミィさんとミアさんは何度かやる内にコツを掴んだらしく、かなり上達したようだ。 さすがはトップアスリートだね。
「墨持ってきたわよー」
「よっしゃ。 ほな始めようやないか」
奈央ちゃんが戻って来たのを見た弥生ちゃんが、腕組みしながら何か言い出した。
「何を?」
「決まっとるやろ。 新春羽根突き大会「皆の家」杯や。 参加自由や」
「面白そうだな。 俺はやるぜ」
「宏太がやるなら私もやるわ」
と、奈々ちゃん宏ちゃんが参加表明。 キャミィさんミアさんも当然参加するとの事。
「亜美ちゃんは強制参加や」
「何でぇ?!」
「当たり前や。 その可愛らしい顔を墨まみれにしたる」
「面白そうですわね」
「たしかに」
何故か私が参加するとなると燃え始める奈央ちゃんとマリアちゃん。 私を倒す事が生き甲斐みたいである。 勝てれば何でも良いのだろうか?
「他は?」
「きゃはは、私もやるー」
紗希ちゃんも参加。
「武下君はやらへんの?」
「下手だから……」
「さよか。 今井君は?」
「ん? まあ、出ても良いが」
「ほな、参加やな」
現在参加が決まっているのが、私、夕ちゃん、奈々ちゃん、宏ちゃん、奈央ちゃん、紗希ちゃん、マリアちゃん、弥生ちゃん、キャミィさん、ミアさんかな。
「人数多なったな。 ダブルスでやろか」
「そだねぇ。 5チーム作ってトーナメントにしよう」
というわけでチーム分けは……
私と夕ちゃんペア、奈々ちゃんと宏ちゃんペア、奈央ちゃんと紗希ちゃんペア、弥生ちゃんとキャミィさんペア、マリアちゃんとミアさんペアとなったよ。
「ほなら組み合わせ決めるで。 ここは公平にクジや」
「良いですわよ」
何故か私ばかり見てくる弥生ちゃんと奈央ちゃん。 私を倒す事しか考えてなさそうである。 私、別に羽根突きが凄く上手いわけじゃないんだけどねぇ。
「どうせなら競技羽根突きをやりましょう」
「そやな。 亜美ちゃん、どないな感じなん?」
何だか急に本格的になってきたよ、羽根突き大会。
◆◇◆◇◆◇
何故か町内体育館へ移動してきた私達。 風の影響が無い場所で実力勝負をしたいとの事。 何だかなぁ。
「コートはこれでオッケーね」
「ネットもオッケー」
まさかここまでになるとは。
「ほなら7点1ゲームマッチで行こか」
「らじゃだよ。 2タッチまでに羽根を相手コートに返せばセーフね」
「オッケー。 ほな、早速やるで。 1試合目は西條さんと紗希ペア対藍沢さんと佐々木君のペアや」
「紗希、覚悟」
「奈々美ー、あんま力入れ過ぎで羽子板割らないようにねーん」
奈々ちゃんと紗希ちゃんは互いに認め合うライバル関係である。 バレーボールでもエースを取り合ってバチバチだよ。
「ここに勝って亜美ちゃん達と試合するわよ」
「簡単に負けてたまるか」
さてさて、この試合どうなるやら。 まずは奈央ちゃんがサーブだ。 羽根突きにドライブサーブなんて物は無いから普通に下からのサーブを打つ奈央ちゃん。
「宏太!」
「お、おう」
コンッ!
「きゃはは! メテオストライクー!」
コンッ!
「ちょっ! 卑怯よ紗希!」
「別に卑怯じゃないっしょ」
「亜美?! ルールではどうなってるの?!」
「うんと、一応禁じ手って事になってるけど、面白いからアリでいくよ」
「はぁ?!」
「はい、墨」
「きゃはは! 落書きー」
ポイントを取ったペアは相手ペアに落書き出来るルールも採用してある。
バドミントンやバレーボールみたいにジャンプして強打した紗希ちゃん。 中々パワフルな羽根突きである。 こうなると奈々ちゃんも負けてられない。 すぐさま強烈なスマッシュを返して1-1のイーブンに戻す。
「何か激しいな? 羽根突きってこんなんだっけ?」
「どうなんだろうね」
まだまだ熱戦が続きそうな、新春羽根突き大会。 一体この先どうなるのだろう?
いきなり始まった羽根突き大会。
「奈々美よ。 紗希の顔を墨まみれにしてやるわ」
「きゃはは!」




