第126話 3人で〇〇〇
皆での混浴を終えた希望達は、自分達の部屋に戻ってきた。
☆夕也視点☆
全員で混浴し終えた後、部屋に戻ってきた俺達。
戻ってくる時、亜美が希望に耳打ちで何か吹き込んだのか、顔を赤くしていた。
一体何を吹き込まれたのだろうか?
それにしても、亜美の体も中々えろいと思っていたが、紗希ちゃんのアレはやばすぎるな。 奈々美も想像以上にえろかった。
「夕ちゃん、顔がいやらしいこと考えてる時の顔になってるよ」
亜美が目聡く指摘してくる。 こいつは常に俺の表情でもチェックしてんのかと思うぐらい、いつも的確なタイミングで言ってくるな。
「別に良いだろうが」
「S級美少女──」
「しゅいません! 紗希ちゃんの体えろかったなーとか考えてましたー!」
くそぅ、俺のお気に入りを希望にバラされるわけにはいかん……。
ん? でも、これはこれでやらかしてしまったのでは?
ギギギッと、メンテナンス不足のロボットのような動きで希望の方を見ると、満面の笑みを浮かべてこちらを見ている希望と目が合う。
笑顔ではあるが、こめかみには血管が浮き出ていてピクピクしている。
つまり、怒っておられる。
「夕也くーんっ!!」
「亜美、謀ったな!」
「夕ちゃんが自爆しただけでしょー?」
「命の恩人に向かってこいつ!」
亜美の頭をグーでグリグリししてやる。 すると亜美は「ぁぁぁ……ぅぅぅぅ……」と、変なを出して呻きだす。
希望は希望で俺の背中をぽかぽかと叩いて怒りを発散している。 端から見れば結構カオスな状態である。
しばらく遊んで、亜美を解放してやると「痛かったよぉ」と、涙目で振り返ってくる。
そんなに強くやった覚えはないのだが。
必殺の涙目上目遣いで見つめられ、少し罪悪感に苛まれる。
「あー、そんな痛かったか? ごめ……んっ」
謝罪の途中で、口を塞がれてしまう。 亜美の口によってだ。
「んんっ」
「ああああ! 私の目の前で亜美ちゃん何してるのー!!」
即座に希望は怒りの矛先を亜美に向けて、亜美の背中をぽかぽかと叩き始める。
なんか亜美に良い様に弄ばれている気がする。 面白くないな。
「んふぁ……」
「……亜美、お前なぁ」
「どいて亜美ちゃん! 次は私! んっ!」
「んむっ」
引き続き、希望に唇を奪われる。
もう何なんだよこれ……。
数分後──
ようやく2人から解放された俺は、ソファーに座りテレビを点ける。
なにやらドラマがやっているので、それでも視ることにした。
「さっき亜美ちゃんが言いかけた、S級美少女──って何?」
びくぅっ! 希望の奴、しっかり聞いていたのか……。
俺は懇願するような目で亜美の方を見る。 亜美は目で「大丈夫だよ」と語ってくる。
信じてるぞぉ。
「何でもないよ? 『私達S級美少女と混浴できて良かったね』ってね?」
「そうなんだ……皆はともかく私はS級ってことは無いと思うけど」
「いやいや、希望ちゃんはS級だよ? ね、夕ちゃん?」
「おう。 そうだぞ」
「はぅー」
希望は顔を赤くしてしまう。
いつまでたっても、こういうとこは治らないな。
亜美も、そんな希望を微笑ましそうに見つめるのだった。
しばらくテレビを視ていたが、急激に眠気が襲って来たのでソファーに横になる。
「夕ちゃん、本当にソファーで寝るの?」
「んー……」
「体痛めるよ? 希望ちゃんと寝れば?」
「別にいいよここで……」
「頑固だね、夕也くんは」
どっちかと一緒に寝れば、もう片方は必然と1人になる。 それでは不公平だ。
3人で寝れるなら別に構わないのだが。
と、考えていると一気に眠たくなってきた……。
☆希望視点☆
夕也くんが、ソファーで眠ってしまった。
私と亜美ちゃんも、それぞれのベッドに横たわる。
しかし、亜美ちゃんは本気なんだろうか……。 一体何を考えてるんだろう?
部屋に戻ってくる時──
「ねぇねぇ、希望ちゃん耳貸して」
「ん?」
言われて私は、耳を亜美ちゃんの方へ向ける。
すると、亜美ちゃんが耳打ちをしてきた。
「今晩……2人で夕ちゃんを襲わない?」
えぇ……。
何を言ってるの亜美ちゃんは? 2人で夕也くんに夜這いを仕掛けるって事?
ぶっ飛んだこと言うようになったなぁ亜美ちゃん。
これが、本気になった亜美ちゃんなんだろうか。
現在──
「……」
本当にやるんだろうか?
ベッドに入って20分ほど経過したところで、亜美ちゃんがゆっくり起き上がるのが見えた。
これは、やる気だ。 本当に亜美ちゃんも積極的に動くようになったなぁ。
ちらりと私の方を見る亜美ちゃん。 その目は「希望ちゃんはどうするの?」と語っている。
このまま、目の前で夕也くんと亜美ちゃんが事を始めちゃったら、私の居場所がなくなってしまう。
私も覚悟を決めて、ベッドから起き上がる。
夕也くんごめん。
「ふふ……希望ちゃんも好きですなぁ……」
「亜美ちゃんには負けるよ……」
紗希ちゃんの次くらいに、性欲魔人なんじゃないだろうか?
「さて……ではでは夜這い開始」
「はぅー……」
亜美ちゃんが、ゆっくりと夕也くんの方へ近付いて行く。 私もそれについていく。
一体どうやって襲うつもりなのだろうか……とか思っていると、亜美ちゃんが夕也くんの腰辺りに屈んで。
「はぅぅっ?!」
夕也くんの社会の窓をオープンした。
躊躇なしによくできるなぁ……。
しばらくボケーッと見ていると、違和感を感じた夕也くんが飛び起きる。
「な?! 亜美何して……」
「ん……希望ちゃんっ! 夕ちゃんを抑えて!」
「はぅ! 夕也くんごめんなさーい!」
もうヤケクソになって、夕也くんの手を抑えて無理矢理押し倒す。
亜美ちゃんは「グッジョブだよ」とサムズアップした。
その後は、私ももうヤケクソ気味に夕也くんに襲い掛かり、それを受けて最初はされるがままだった夕也くんが一転攻勢に出た後、私と亜美ちゃんは順番に足腰立たなくされてしまった。
「はぅ……はぅぅー」
「はぁ……」
「……さて、何か言うことは?」
「き、気持ちよかった」
「……ごめんなさいー」
私はとにかく謝る。
「希望が正解」
「えー」
「うぅ……2回目が3人でなんて……」
「私だって3回目だよ。 でも。3人で幸せを感じてみたくて」
亜美ちゃんがそんな事を言い出した。
夕也くんに言っても。絶対してくれないだろうから、今回の計画を咄嗟に思い付いたのだと言う。
亜美ちゃん的には作戦成功だったらしい。
「……3人でってなぁ」
「良いじゃん夕也くん。 私はその……楽しかったよ? また機会があればしてもいいかも……なんて」
「希望まで亜美に毒されて……」
「あはは、良いね良いね」
亜美ちゃんはケラケラと笑い出す。
亜美ちゃん的には、将来3人で生きていきたいと考えているのだろうか?
確かにできなくはないのかもしれない。
3人で「幼馴染」としてずっと生きていく道。 結婚したりは出来ないかもしれないけど、3人で家を借りてそこで一緒にずっと暮らしていく。
それはきっと、幸せだろう。
疲れてしまった私達は、結局狭いベッドに3人でくっつきながら眠りにつくのだった。
亜美と希望の夜這いが成功して、3人仲良く……?
「遥かですぞー。 え? 3人で? え?! なにそれ怖い……。 本当に今井も大変だよなー? こんな関係続けてていいのかねー? 亜美ちゃんにも希望ちゃんにも悪いじゃない?」