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暴秦狂楚  作者: 南かずしげ
*練習試合編
9/57

*試合B(VS.上仲西.2)

ここで注目の後半戦スタート!


 後半、正処女学園のキックオフで試合開始。 (P.m.9:15)


 まずは後方のDFでボールを回していく。

 正処が後方でボールを回しているので、上仲西の選手もなかなかボールを奪えないでいる。


 上仲西の選手が強引にボールを奪おうとすると、その()()をついて、一気に速攻で行かれる恐れがある。

 そこで正処の選手がボールを回しながら中盤まで押し上げる。

 じわりじわりとボールを前線に繋げていこうとしているようだ。


「くっそっ!」

「ちょっと!」


 痺れを切らした上仲西のDF左が鋭いスライディングで、正処のMFの瑠華からボールを奪おうとする。


「うわぁっ!」


 ザザァーーッ! ガァッ!


 そこでMFの瑠華が前のめりになって転倒している。


「あっ!?」

「っ!!?」


 ピッピィーーッ!


 なんとここで審判の笛が鳴った。 すると、そこで審判から上仲西のDF左の選手に対して、イエローガード(警告)が出されてしまった。


「し、しまった!」

「………」


 かなり危険なプレーである。


 中盤より左前でのフリーキックで、キッカーはDMFの妖香である。


「それぇーー!」


 ドン! トーン!


 そこでDMFの妖香のロングパスが前線にいるFWの藍に上手く渡った。

 続けて藍が相手のペナルティーエリアの手前まで駆け上がっていたOMFの恵美にスルーパス。 なんとギリギリオフサイドでない。


「や、止めろぉーーっ!!」

「っ!!?」

「あっ!?」


 ザザァーーッ! ガァッ!


 とっさに上仲西のDF右が鋭いスライディングで、OMFの恵美の華麗なドリブルを止めに入るけど、よほど当たり所が悪かったのか、恵美が前のめりに転倒している。


「うわぁっ!」

「っ!!? し、しまったっ!!」


 ピッピィーーッ!


 当然なのだが、そこでまた審判の笛が鳴ってしまった。 その笛の鳴った場所が、上仲西のペナルティーエリアのラインギリギリ手前であった。

 さらに今度は、審判から上仲西のDF右の選手に対して、イエローガード(警告)が出されてしまった。


「くっそっ!」

「ちょっと!」


 かなり危険なプレーである。


   後半36分


 ここで上仲西の選手交代があって、既にイエローガード(警告)を貰っているDFの二人から、新たにDFの二人の選手を交代させた。


 上仲西のペナルティーエリアの手前でOMFの恵美のフリーキック。 上仲西の選手の壁は5人でほぼ正面に位置している。


 トーン、パスッ!


 恵美の鮮やかなフリーキックは、ゴールの左下の地面スレスレを物凄いスピードで、まっすぐゴールの左下の中に入り、遂に先制ゴーール!

 相手のGKは全く動けなかった。


 ピィーーーッ!


 審判のゴールの笛が鳴った。


「ようやく、やりましたわね。」

「やったぁー、入ったぁー!」

「やっとゴールできましたよ~。」


「……くっ!」

「……ちっ!」


 先取点を入れて喜ぶ正処の先発イレブンと、得点を入れられてしまい項垂(うなだ)れて落胆する上仲西の選手たち。

 まさに一瞬の()()をつかれた格好である。


   後半38分


  上仲西0-1正処



 後半、上仲西女子高校のキックオフで試合再開。 (P.m.9:53)


 そこから後方でボールを回す上仲西の選手たち。 だが、もう時間もないし、そろそろ攻めないと、チームの勝利どころか引き分けにもならない。


 なので危険覚悟で、一気に前線までボールを蹴り上げる上仲西のDF前の選手。


 ポーン、コーン!


 だがしかし、正処のDFの光がヘディングで中盤まで押し返し、ボールはDMFの妖香を経由して、OMFの恵美が中盤から前線へ、華麗なドリブルでボールを一気に運んでいく。


 さらに左前線を駆け上がる正処のMFの楓へロングパス。 (たく)みにオフサイドトラップにかからずに、相手のペナルティーエリア内に侵入してきたFWの藍にセンタリング。


   後半43分


 この一連の動作が、あまりに一瞬の出来事であり、上仲西の選手が何もできないでいる。


「それ、今だぁーーっ!」

「そりゃあぁーーっ!」


「……??」

「な、なにっ!?」


 まさにカウンターである。


 ドォーン、バサッ!


 楓のセンタリングに合わせるように、藍がゴール前に飛び込んで、ゴールの右側にヘディングし、見事にゴーール!

 相手のGKがまた動けなかった。


 ピィーーーッ!


 審判のゴールの笛が鳴った。


「やったぁー、引き離したぁーーっ!」

「ようやく、得点が入ったよぉーーっ!」

「はい、またやりましたわね。」


「…っ!?」

「……つ、強い!」


 最早、既に勝負が決定したかのように、凄く喜ぶ正処の選手たちと凄く残念がる上仲西の選手たち。


   後半45分


  上仲西0-2正処



 後半、上仲西女子高校のキックオフで試合再開。 (P.m.10:00)


 ここで遂に―――


 ピィィーーーーッ!!


 審判の笛が長く鳴り響き、試合終了の合図となって、ここで試合終了である。



 ━練習試合終了━ (P.m.10:00)



 お互いの健闘を讃えて、正処の選手と上仲西の選手が握手をしている。



 上仲西0-2正処

 今回は正処女学園の白石恵美と司孫藍が、それぞれゴールを決めている。



 まぁ練習試合とは言え、連勝で終えており、相手のチームも決して弱くはないけど、どうやら正処のチームもなかなか強くなっているようだ。




 そのまま専用バスで、正処女学園のみんなが自分たちの学校の特殊な屋内施設まで戻り、そこで部員の彼女たちが、すぐシャワー室に入り、全員が全裸でシャワーを浴びて汗や汚れを洗い流し、更衣室で濡れた身体をバスタオルで拭き、ドライヤーで髪を乾かし、自分たちの下着や赤いジャージに着替えて、今夜はこのまま解散することになる。


 また監督やコーチが、今回もシャワー室や更衣室を覗いたあとで、女子部員全員を家に帰して、自分たちは某所にて、ミーティングをしていた。



 そして、今回も遂に登場しなかった正処女学園の12人目の部員・選手は、果たして一体誰なのか!?



※審判は主審を含めて、全員が成人男性である。

練習試合、破竹の2連勝!

今回もしっかりと得点が取れているようだな。

なかなか良かったよ。

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