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暴秦狂楚  作者: 南かずしげ
*ナイトメア・ランジェリー・サッカー・ストライク・ガールズ編
53/57

*夏の県大会・準決勝戦A(VS.正交.3)

前回の続きです。



 千葉県県大会準決勝戦・第1試合、正交女学園.VS.正処女学園の前半戦終了して、ハーフタイムが始まる。




 正処女学園側の控え室にて


 そこで正処の選手たちが、それぞれシャワーを浴びたり、スポーツドリンクを飲んだり、バスタオルで顔を拭いたり、簡易仮眠所で仮眠をとったりして、みんなが後半戦に向けて身体を休めながらモチベーションを高めていく。 一方で同じ控え室にいる監督とコーチは、二人で隅の方に座って何やら話し込んでいて、一体何を話しているのか、聞き耳をたてる暇な選手もいる。


「―――」

「いや、こうか? 否、そこか?」

「なるほど、そんな感じだな」

「相手は正交女学園だからな。 こんなもんだろう?」

「ああ、それでいいだろう」

「よし、決まりだな」


 どうやら二人で作戦会議中だ。


 まぁ監督やコーチとしては、前半のうちに得点できたのは大きいけど、ただすぐに失点してしまったのが、非常に残念なところでもあり、相手も勝つために必死だ。 同点で終わったことは、むしろまずまずの出来である。 選手たちには、しっかりと休ませてから後半に臨むつもりだ。


 やることは前半と同じ。 あとは守備の質をさらに上げて、自陣堅守してからの速攻・カウンターが理想的。 余計な事は言わずシンプルに攻めることだけを伝えて、あとはしっかりと休ませる。また交代選手にも作戦を伝えると、ハーフタイムが終了する。




 そこに監督とコーチが先発選手たちを控え室からピッチ・フィールドまで送り出して、両チームの選手たちが左右の、それぞれの自陣へ散っていった。






 後半、正処女学園のキックオフで試合開始。 (P.m.9:10)


 まずは自陣後方でボールを回す正処の選手たち。 また正交の選手たちも、すぐにはボールを奪いにいかず、まずは様子見する。


 そこで正処の選手たちが早くも中盤までボールを回していき、そこから前線までボールを運ぼうとする。 勿論、正交の選手たちも前線への侵入を阻止すべく、正処の選手たちからボールを奪いに来る。

 正処の選手たちは前線へボールを運ぼうとするけど、正交の選手たちに身体を張って阻止されてしまう。 それでボールがなかなか前線へ運べず中盤周辺での、両チームの選手たちによるボールの奪い合いが展開される。


 両チーム共に激しいボールの奪い合い。

 そのボールが中盤周辺からほとんど動かずに、時間だけがどんどん過ぎていく。





 しばらくして、少し焦りだし油断した正処の選手たちから、素早くボールを奪った正交の選手たちが、すぐに正処陣地内に攻めかかる。 正交の選手たちが敵陣地の手薄な所にボールを回していき、素早く前線へボールを運んでいく。


「し、しまったぁ!?」

「や、ヤバいわぁ!?」

「こ、これは……やられたぁ!?」


 これにはさすがの正処の選手たちも動揺して、すぐに対応することが出来ずに、正交の選手たちの自陣侵入を許してしまう。



   後半28分



 正交のMFのミサキが敵陣を切り裂く華麗なドリブルでボールを運ぶ。 さらに彼女の左右からFWのミキとクミの二人も凄く速度(スピード)で走ってきて、三人同時に前線まで駆け上がる。


「マークして!」

「チェックして!」

「誰か止めて!」


 当然、正処のDF陣もドリブルしてくるミサキにマークするけど、すぐにクミにパスして、正処のDF陣がクミにマークすると、今度はミキにパスする。 この三人でボールを回していき、あっという間にあっさりと正処のペナルティーエリアまで駆け上がり、この三人の連携が上手くいってる。


「よーし、行くわよ!」

「さぁ、来い!」


 ここでボールを持ったFWのミキが正処のペナルティーエリアのボックスゾーンに入った瞬間に鋭く強力なシュートを放つ。


 ズバァン、バシィッ!


 シュートしたボールがゴール右下隅の距離と角度のある所に入ろうとするけど、さすがのGK・浅村忍が横っ飛びの左手一本だけでボールに触ってゴールを阻止するけど、すぐにまたゴール前まで詰めてたFWのクミが素早く鋭くシュートする。


「そりゃああぁーーっ!!」

「な、なにぃっ!?」


 スドォン、ドォーン!


 倒れ込む忍やゴール前を固める正処のDF陣の対応が遅れる間に、シュートしたボールがゴール左上隅に突き刺すように入ってゴーール!


「よーし、やったぁーーっ!!」

「オフサイドは……なし? ふ~う、良かったわぁ」

「どうやらオフサイドトラップはないようね。 助かったわ」


「くぅ、やるぅ~」

「なかなかやるわね」

「やられたわぁ~」


 ピィーーーッ!


 ここで審判のゴールの笛が鳴った。




 一瞬の油断が命取りになる。

 勿論、正処の選手たちだって、その事はよく判ってるハズなのに、それでも一瞬の油断から素早くゴールを決められた正交の選手たちも凄いのだ。

 さすがは県大会ベスト4に入るだけのチームである。



   後半32分


  正交2-1正処



◎選手交代・正処女学園

●14DF.糸井澤茜(SB) → 02DF.小早川かすみ(SB)

●09MF.シェイナ・シューベルト(OMF) → 10MF.白石恵美(OMF)


 ここで一気に二人交代させた。

 これが起死回生の交代になるのか?



 また両チームの選手たちがピッチ・フィールドの左右の、それぞれの自陣に散っていった。






 後半、正処女学園のキックオフで試合再開。 (P.m.9:42)


 正処の選手たちが後方でボールを回す。 今度は正交の選手たちも後方でボールを回す正処の選手たちからボールを奪う為、積極的に前へ出る。

 正交の選手たちがボールを持ってる正処の選手たちを徹底的にマークしており、(スキ)あればボールを奪って速攻して、このままゴールを決めて3点目をゲットしたい、そんな感じの攻め方である。


 正処陣地後方での両チームの選手たちによるボールの奪い合いが展開される。 もし()()()正交の選手たちにボールを奪われると、一気にピンチになる正処の選手たち。 だからこそ懸命にボールを死守する。

 ()()()()()で、しばらくボールを奪い合い、時間だけが経過していく。





 ところが試合は遂に動く。

 今のところ正交の選手たちに(スキ)はない。

 それならば(スキ)を作るしかない。


 途中から入ったDFの小早川かすみがボールを持つと、同じく途中から入ったOMFの白石恵美が前線右側を走っていき、すぐにかすみが恵美へボールをロング縦パスする。


「恵美ちゃん、行くわよ!」

「オーライ、かすみさん」


 パシィッ、タッ!


 ボールを受け取った恵美が、そのまま正交のペナルティーエリアの右側を、凄い速度(スピード)でドリブルしていく。


「えっ、速いっ!?」

「嘘っ、ちょっと待ってぇ!!」

「みんなぁー、早く戻ってぇー!!」


 恵美の素早いドリブルに焦る正交の選手たちが慌てて、自陣に戻って後方を固めてゴール前を堅固に守備するけど、それと同時に正処のFWの藍と倫の二人も、同じくゴール前まで()させてしまった。



   後半39分



 ここで恵美が正交のペナルティーエリアの右隅いっぱいまでドリブルすると、すぐにゴール前まで正確にセンタリングする。


「行きます! 藍! 倫!」


 バシィッ、ダッ!


「行くよ、倫」「了解、藍」


 ボールがゴール前の上空を移動していき、()()に合わせる様にして、FWの藍と倫の二人も同時に高くジャンプ。 ()()に合わせる様にして、正交のDF陣も高くジャンプ。 ()()()空中戦でのボールの競り合いだ。


「とりゃあああっ!!」

「させない!!」

「それはどうかしら!!」


 ザァッ、ズドォン、ドォーン!


「な、なにっ!?」

「いっけぇぇっ!!」


 まず藍とのボールの競り合いに勝った正交のDF陣がすぐにボールをクリアしようとするけど、すかさず倫が素早く鋭くヘディングシュートする。 正交のGKも真正面で待ち構えるけど、あまりに近すぎるヘディングシュートの威力と速度(スピード)の為、対応が間に合わずにボールがゴール正面上部を突き刺すように入ってゴーール!


「くっ……そぉ!!」

「嘘でしょぉぉぉ!?」

「これで同点……っ!?」


 ピィーーーッ!


 ここで審判のゴールの笛が鳴った。




 さすがは県大会ベスト4の正処女学園。

 ここですぐ同点にした。

 途中交代した二人が見事にハマってゴールをアシストした。

 やっぱり、ただでは終わらない。



   後半42分


  正交2-2正処



 どうやら試合はまだまだ続くけど、もうあまり時間が残されていない。




残りあとわずかの時間で決着つくのか?

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