*夏の県大会E(VS.鹿亥.1)
まず最初は自陣後方からボールを回す正処女学園の選手たち。 ここら辺は、いつも試合でやってることと同じ作業である。
この正処の選手たちは試合を重ねるたびに、パス回しが巧みになっていき、なかなかボールが奪われないようになっていく。
だけど鹿亥女学院の選手たちの方も負けまいと、正処の選手たちからボールを奪いに来る。 そこに両チームの選手たちによるボールの奪い合いが展開される。
ここは正処自陣後方の場所であり、ここで鹿亥の選手たちがボールを奪い取れば、一気にチャンスになる。 それゆえに焦りと油断が生じることがある。
そこで鹿亥のFWのスミがボールを奪取して、そのまま正処のペナルティーエリア付近まで、素早くドリブルで駆け上がる。
だけど彼女の前方真正面には、正処のDMFの鈴木妖香が待ち構えていて、一瞬で素早くボールを盗られてしまう。
ここでボールを持った妖香が、そのまま中盤の所まで、一気にボールをポーンと蹴り上げると、中盤にいた正処のMFの佐藤瑠華がボールを受け取り、そのままボールをキープする。
このまましばらくの間、中盤でのボールの激しい奪い合いが展開されていて、時間だけが経過していく。
ボールを持った瑠華が逆サイドに、一気にボールをポーンと蹴り上げて、反対側にいた正処のMFの早乙女楓がボールを受け取ると、今度は鹿亥のMFのサキがしっかり楓をマーク・プレスする。
「………」
「くっ、この娘…強いわっ!?」
懸命にサキが楓にプレスして、なんとかボールを奪いに来るけど、楓はしっかりボールをキープしていて、なかなかボールが奪えない。 ここで正処の選手たちと鹿亥の選手たちの差が出始めてきた。
それがディフェンス力である。
これは正処の選手たちが普段から監督・コーチの指示に従い、彼らに手取り足取り教えてもらい、彼らのセクハラをなんとか我慢しながらも、必死になって練習してきた結果である。
つまり正処女学園の選手たちは、ディフェンス力とスタミナが強化されていて、他の学校の選手たちよりも、かなり高くなっているのだ。
なので、あまり無茶をすると、とんでもない事態に陥ることもある。
強引にサキが楓からボールを力ずくで奪いに来ると、
パチッ! スルッ!
なんとサキのユニフォームのブラジャーの背中にあるホックがブッ壊れてしまい、そのままホックが外れて、現在は激しい運動してる為、その反動でブラジャーが脱げてしまった。
「……っ!?」
「きゃあああぁぁーーっ!?」
ここでサキの大きな生のおっぱいが露になってしまい、なんとか慌てて両手で巨乳を覆い隠し、赤面しながらサキが、その場でしゃがみ込んで動けなくなった。
(※ちなみに乳首部分には、専用のシールが貼ってあり、見えないようにしてある)
「………」
その場で楓が立ち止まり、ボールをピッチ・フィールドの外にラインから出した。
ここで試合が一旦ストップする。
すぐに鹿亥女学院のスタッフたちがブラジャーの脱げたサキのもとに駆け寄り、サキの肩にバスタオルを羽織っていて、そのままピッチ・フィールドの外に出した。
その去り際に、サキが楓に会釈して、楓もサキに軽く手を振る。
「ありがとう」
「………」
この大会の試合では、特に相手選手からの何らかの故意により、ブラジャーやパンティーが脱げてしまったら、すぐに試合を止めて相手選手の注意・警告・退場などの処分を受けるけど、今のように明らかに自分から行って、自分の行為でブラジャーやパンティーが脱げてしまった場合、そのまま試合は続行される。
(※別に試合時間が延長される訳ではない)
しかし、少しエッチだけど、とても尊敬している監督・コーチには、普段から「スポーツマンシップの正々堂々の精神」を叩き込まれた正処の選手たちは、無条件でボールをピッチ・フィールドの外に出し、試合を止めてあげるのだ。
こんな下着姿でサッカーの大会の試合をしてる以上、こういうリスクも普段から、監督やコーチたちのもとで厳しく指導され、説明・注意されてきてる。 同じ女の子で同じ辛さや恥ずかしさがわかるからこそ、正処の選手たちは、どんな有利な状況にもかかわらず、相手選手の為に試合を止めてあげるのだ。
前半33分
ここで鹿亥のサキが代わりのブラジャーを着けるまでの間、少しだけ時間があく。
また正処の選手たちもピッチ・フィールドの外の所定の場所に立ってる監督やマネージャーの所まで駆け寄り、予めマネージャーが用意したタオルやスポーツドリンクなどを受け取り、少しは身体を休める。
(※まだ選手たちはピッチ・フィールドの中にいる)
監督が選手たちと少しだけ話し合う場でもある。
「これで少し休めるみたいだな」
「皆さん、これを―――」
「監督、私たちはまだ攻めに転じないんですか?」
「今しばらく待て。 今はまだ守備の時間だ。 俺の理想としては、0-0で前半を終わらせたいところだけど、相手も必死だからな。 ある程度は我慢しないといけない時間だ。」
「それでは前半は得点しなくともいいんですか?」
「いや、後方からしっかり守り、もし相手に隙が出来たら、得点のチャンスがあれば、いつでも速攻を仕掛けても構わない。 ウチは堅守速攻のカウンター精神だ。 忘れるな」
「はい、監督」
「はい、判りました。 監督」
「それでは後半勝負ですね? 監督」
「ああ、そうだ。 いつも通りに相手の体力を奪っていき、カウンター・フィニッシュはウチらがいただく。 いいな?」
「「「はい!」」」
あとは正処の選手たちが試合の準備をして、それぞれ所定の場所に散っていった。
そこに新しい替えのブラジャーのユニフォームを着たサキが、再びピッチ・フィールドの中に戻ってきて、会場の観客席からは、あたたかい拍手が送られ迎えられた。
下着姿でプレーする女子選手にとって、ブラジャーが脱げてしまった程度で、その恥ずかしさから動揺して試合を棄権するようなことは、絶対にしない。 それが自業自得ならば、なおさらのこと。 この屈辱は試合に勝利して晴らすのだ。
ここで再び正処女学園と鹿亥女学院の試合、前半戦が再開された。
まだまだ前半の途中ですので、これから一体どうなるかよく解りません。




