*夏の県大会ベスト8進出
後半40分
韓闘乱1-3狂楚
残り、あと五分間の試合・プレーである。
そこで狂楚の選手たちが、自陣後方からボールを死守しながら、ゆっくりじっくり回していく。
それに韓闘乱の選手たちが、急いで強引にボールを奪いに来る。
だけど、狂楚の選手たちも負けじとボールを死守し続ける。
ここで狂楚陣地後方での狂楚の選手たちと韓闘乱の選手たちのボールの奪い合いが展開された。
おそらく狂楚の選手たちは時間かせぎとカウンターを同時に狙っていると思われる。
だが狂楚の選手たちの一瞬の隙をついて、韓闘乱の選手たちがボールを奪った。
「よし、やったぁ!」
「ボールを盗ったわ!」
「うわっ、ボールが盗られたわ!」
「くそっ、すぐ奪取しろ!」
もう既に狂楚のペナルティーエリア付近までボールの奪い合いをしており、現在はまだ韓闘乱の選手たちがボールをキープしている。
ここで相手のFW⑩の選手と相手のFW⑪の選手が、突如としてもの凄い勢いで同時に走り出した。
ダッダッダッ!
相手のFWの二人の選手が、既に狂楚のペナルティーエリアの正面手前まで来ており、ボールを持った相手のMF⑥の選手が、相手のFWの二人の選手の方に向けて、ボールをポーンと蹴り上げた。
「行くわよ、これで最後よ!」
「ええ、わかってるわ!」
そこで韓闘乱のFW陣の最後の攻撃が開始される。
勿論、狂楚のペナルティーエリア内やゴール前には、もう狂楚の守備選手たちが完全に固めていて、思うようにシュートコースが見つからない。
後半44分
それでも相手のMF⑥の選手からのパスで、ボールを受け取った右側の相手のFW⑩の選手が、すぐさま素早くシュート体勢に入り、速攻で強烈なシュートをした。
「いっけぇーーっ!!」
ズゴォーン、ダァッ、バァシィッ!
「させるかぁーーっ!!」
すぐに反応したGKの范増が左側から右側へ横っ飛びするけど、それよりも前にゴール前を固めていた狂楚の守備陣のひとりのDFの桓楚の膝に不意に当たって、シュートしたボールの軌道が微妙にズレてしまい、そのままボールは左側の相手のFW⑪の選手の目の前まで転がっていった。
「な、なにぃっ!!?」
「し、しまったぁ!!?」
「ボールがそれたぁ!!?」
コロコロ、ドバァッ、ドォーン!
「いっけぇーーっ!!」
そこに相手のFW⑪の選手が、転がってきたボールをスライディング気味に蹴って、誰もいないゴール左側に押し込むように、ボールを入れてゴーール!
ピィーーーッ!
ここで審判のゴールの笛が鳴った。
この試合終了直前の土壇場に来て、遂に韓闘乱女子高校の選手たちが、さらにもう1点を返して、その差を1点まで縮めていた。
またしても一瞬の隙をつかれて油断した狂楚の選手たち。 これには、さすがの強気な項羽たちも少し悔しそうな顔をしていた。
「あぁ~~あぁ!」
「まさか、さらに1点返されるとは、また油断したわ!」
「ええ、確かに油断したわね。 項羽」
「でももう遅いわ!」
「ええ、そうね」
「………」
だがもっとも、ゴールを決めた韓闘乱の選手たちの方も、無言で最早喜びや嬉しいといった表情ではなかった。 どちらかというと完全に疲弊しきった顔をしている。
そして、遂にここで―――
ピィィーーーーッ!!
審判の試合終了を告げる笛の音が長く鳴り響いていた。
後半45分
韓闘乱2-3狂楚
━公式試合終了━ (P.m.9:45)
最初は立て続けに、3点を入れた狂楚女学園がなんとか逃げ切った形となった。
後半、韓闘乱女子高校が2点を入れて、なんとか1点差まで追い上げるけど、残念ながら、ここで時間切れである。
結局は、この1点差を守りきった狂楚女学園が予定通りに勝利した。
ここで両チームの選手たちが、お互いに握手して、それぞれが健闘を讃えてから、また両チームの選手たちが、それぞれ自分たちの控え室へ戻っていった。
これでようやく福岡県の県大会ベスト8まで進出した狂楚女学園。 またここまで順調に勝ち進んでいる狂楚女学園。 やっぱり他校との地力の差が出てきたようだ。
ナイトメア・ランジェリー・サッカー・ストライク・ガールズの大会。
夏の都道府県大会もいよいよ佳境。
今回は楽勝とまではいかずに、なんとか勝ち残った強豪校の狂楚女学園や―――
その他にも県大会でベスト8まで勝ち進んだ女子高校の中には、
この物語の主人公クラスでもあり、新鋭校である正処女学園も、脇役の女子高校相手に順調に勝利しており、なんとか県大会のベスト8にちゃっかり進出してきた。
◎県大会最終予選第1回戦 (ベスト16)
後半45分
正処2-1MW柳
━試合終了━
ちなみに都道府県大会のベスト8に進出した学校を紹介する。
◎鹿亥女学院 (千葉県)
◎正処女学園 (千葉県)
◎藤林東女子高校 (千葉県)
◎上仲西女子高校 (埼玉県)
◎莫賀北女子高校 (群馬県)
◎羽丙南女子高校 (東東京都)
◎亀甲鎖女子高校 (西東京都)
◎狂楚女学園 (福岡県)
◎暴秦女学園 (長野県)
◎工口女学園 (神奈川県)
以上が都道府県大会でベスト8入りを果たした学校の一部であり、次回はいよいよ県大会のベスト4を賭けて闘うことになる予定である。
そして、次回は遂に千葉県の同じ地域を代表する強豪校の鹿亥女学院と新鋭校の正処女学園が千葉県の県大会ベスト4を賭けて試合することになる。
なんとか狂楚女学園が勝利。
遂に都道府県大会のベスト8が出揃ったけど、次回の試合もまた激闘が予想されるようだ。




