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暴秦狂楚  作者: 南かずしげ
*ナイトメア・ランジェリー・サッカー・ストライク・ガールズ編
38/57

*夏の県大会D(VS.韓闘乱.4)


   後半13分


  韓闘乱0-2狂楚



 まず狂楚の選手たちが、自陣後方からゆっくりじっくりボールを回していく。

 当然だが、韓闘乱の選手たちも狂楚の選手たちから素早く強引にボールを奪いに来る。

 だけど狂楚の選手たちも(たく)みにボールをキープしていき、狂楚のDF陣とMF陣との連携で、ボールを中盤まで徐々に運んでいく。


 そこに狂楚のDMFの周蘭がボールをキープしており、そこから狂楚のMFの季布が周蘭からのパスで、すぐにボールを受け取り、中盤からいち早く抜け出し、一気に前線へと向かっていく。

 勿論、韓闘乱の選手たちもボールを奪いに来るけど、もう間に合わない速さでボールが動いていく。


 そこから狂楚のMFの鍾離眛(しょうりまい)が、既に韓闘乱のペナルティーエリアの左側まで来ていて、季布が鍾離眛(しょうりまい)にボールをポーンとロングパスする。



   後半18分



 ここで鍾離眛(しょうりまい)がボールを受け取ると、すぐに相手のゴール前までボールをセンタリング。

 でも相手のゴール前には、特に誰もおらず、韓闘乱の選手たちも狂楚の選手たちもいないので、あとは相手のGKが、普通にボールを両手でキャッチするだけである。


「よーし、このままキャッチするだけだぞ。」

「ここはぁー、いただきまーーす!」

「……えっ!!?」


 なんと何処(どこ)からともなく左側から、またしてもステルス英布が突如として現れて、落ちてくるボールに合わせるように、前のめりにダイレクトのヘディングシュートした。


 バッシュッ、ドォーン!


 またまた唖然とする相手のGKが、何もできず…動けず…。 いつの間にか、ゴール前まで()めていたスーパーストライカーの英布のダイレクトヘディングシュートが決まって、ボールがゴール右側上隅に突き刺すように、見事に入ってゴーール!


 ピィーーーッ!


 そこで審判のゴールの笛が鳴った。




 またもや韓闘乱の選手たちが、英布の存在を失念していたのか?


 あっさりと3点目である。 だけど、これは狂楚女学園にとっては予定通りのシナリオである。 もう3点も()れれば安定軌道にも入り、最早(もはや)韓闘乱女子高校など "恐れるに足らず" である。

 あとは堅守してゴール死守するか、または速攻・カウンターしての4点目を狙うか、その試合状況によって臨機応変に決めるだけである。


 一方の韓闘乱女子高校も、もう茫然自失してる(ひま)などはなく、すぐに次の行動へ移さないといけないのである。 せめて狂楚から1点は入れたいところだろう。



   後半21分


  韓闘乱0-3狂楚



「「イエーイ!」」


 ここで鍾離眛(しょうりまい)と英布がハイタッチした。



 再び両チームの選手たちが、ピッチ・フィールド中央から左右の自陣に散っていった。






 後半、韓闘乱女子高校のキックオフで試合再開。 (P.m.9:22)


 まず韓闘乱の選手たちが、自陣後方から普通にボールを回していく。

 最初のうちは、狂楚の選手たちも相手の選手たちから、強引にボールを奪いに迫ってくることはしない。 よほどの余裕があるのか、もう無駄なことはしないのか、あまりよく解らないけど、ひょっとしてこれも体力温存なのかもしれない。


「「……!」」

「「……!」」


 これはチャンスと言わんばかりに、相手の選手たちが(うなず)きながら、それぞれ合図を送り、徐々にボールを中盤まで運んでいく。 そのボールが中盤まで来ると、ここでようやく狂楚の選手たちも、ボールを奪うべく相手の選手にマークやプレスを仕掛けてくる。




 ここでしばらくの間、両チームの選手たちが、ボールを取り合う展開になっていて、両者の実力が拮抗しており、互角の奪い合いを見せている。




 そこからボールを受け取った相手のMF⑥の選手が、一気に中盤から最前線にいる相手のFW⑪の選手に、ボールをポーンとロングパスする。


 飛び出した相手のFW⑪の選手が、狂楚のペナルティーエリア正面の手前ギリギリでボールを受け取り、そのままの位置で素早くシュート体勢に入る。


「ちぃっ!?」

「うわぁっ!?」

「…っ!!?」


 ザザァーーッ!

 ガァッ、ドサッ!

 ピピィーーッ!


 慌てた狂楚のDFの丁公が、焦って横から相手のFW⑪の選手めがけて、鋭いスライディングをして、彼女の足を引っ掛けてしまい、このまま前のめりに倒れてしまった。


 すぐに審判が丁公の所まで駆け寄ってきて、丁公にイエローカード(警告)が提示された。

 非常に危険なプレーである。


「ごめん、みんな。 油断した」

「ドンマイ、丁公」

「仕方ないよね、アレは」

「でもアレ、狙ってたのかしら?」

「みたいだね、アイコンタクトしてたしね。」

「………」

「さぁ、戻るわよ。 みんな」

「ええ」


 相手の選手のフリーキックの為、狂楚の選手たちがそれぞれ自分の持ち場に戻った。



   後半37分



 狂楚のペナルティーエリア正面の手前ギリギリからのフリーキック。 キッカーは韓闘乱のFW⑩の選手である。 狂楚の壁は5人。


「おりゃあぁぁ!!」

「…おっ!?」


 バァシィッ、ゴロゴロ・ドォーン!


 相手のFW⑩の選手のフリーキックは壁の右側を抜き、ゴール右側下隅に転がるように入ってゴーール! GKの范増も左側から右側へ横っ飛びしたけど、残念ながら間に合わなかった。


 ピィーーーッ!


 そこで審判のゴールの笛が鳴った。



 ここでようやく韓闘乱女子高校がフリーキックとはいえ、1点返した。 これには韓闘乱の選手たちが大変喜んでいる。 狂楚相手に1点取ったことが、よほど嬉しかったようだ。


 一方の無言の狂楚女学園は、まだ2点差もあり、さらに1点追加して、一気に勝負を決めるつもりでいる。



   後半39分


  韓闘乱1-3狂楚



 ここから両チームの選手たちが、またピッチ・フィールド中央から左右の自陣に散っていった。






 後半、狂楚女学園のキックオフで試合再開。 (P.m.9:40)


 相変わらず狂楚の選手たちが、ゆっくりじっくりボールを回していく。 まだ特に狂楚の選手たちに慌てた様子がない。



  残り、あと5分間である。



まだまだ試合は続くけど、残りはあと5分なので、どのような展開になっていくのか、とても楽しみである。

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