*夏の県大会D(VS.韓闘乱.4)
後半13分
韓闘乱0-2狂楚
まず狂楚の選手たちが、自陣後方からゆっくりじっくりボールを回していく。
当然だが、韓闘乱の選手たちも狂楚の選手たちから素早く強引にボールを奪いに来る。
だけど狂楚の選手たちも巧みにボールをキープしていき、狂楚のDF陣とMF陣との連携で、ボールを中盤まで徐々に運んでいく。
そこに狂楚のDMFの周蘭がボールをキープしており、そこから狂楚のMFの季布が周蘭からのパスで、すぐにボールを受け取り、中盤からいち早く抜け出し、一気に前線へと向かっていく。
勿論、韓闘乱の選手たちもボールを奪いに来るけど、もう間に合わない速さでボールが動いていく。
そこから狂楚のMFの鍾離眛が、既に韓闘乱のペナルティーエリアの左側まで来ていて、季布が鍾離眛にボールをポーンとロングパスする。
後半18分
ここで鍾離眛がボールを受け取ると、すぐに相手のゴール前までボールをセンタリング。
でも相手のゴール前には、特に誰もおらず、韓闘乱の選手たちも狂楚の選手たちもいないので、あとは相手のGKが、普通にボールを両手でキャッチするだけである。
「よーし、このままキャッチするだけだぞ。」
「ここはぁー、いただきまーーす!」
「……えっ!!?」
なんと何処からともなく左側から、またしてもステルス英布が突如として現れて、落ちてくるボールに合わせるように、前のめりにダイレクトのヘディングシュートした。
バッシュッ、ドォーン!
またまた唖然とする相手のGKが、何もできず…動けず…。 いつの間にか、ゴール前まで詰めていたスーパーストライカーの英布のダイレクトヘディングシュートが決まって、ボールがゴール右側上隅に突き刺すように、見事に入ってゴーール!
ピィーーーッ!
そこで審判のゴールの笛が鳴った。
またもや韓闘乱の選手たちが、英布の存在を失念していたのか?
あっさりと3点目である。 だけど、これは狂楚女学園にとっては予定通りのシナリオである。 もう3点も入れれば安定軌道にも入り、最早韓闘乱女子高校など "恐れるに足らず" である。
あとは堅守してゴール死守するか、または速攻・カウンターしての4点目を狙うか、その試合状況によって臨機応変に決めるだけである。
一方の韓闘乱女子高校も、もう茫然自失してる暇などはなく、すぐに次の行動へ移さないといけないのである。 せめて狂楚から1点は入れたいところだろう。
後半21分
韓闘乱0-3狂楚
「「イエーイ!」」
ここで鍾離眛と英布がハイタッチした。
再び両チームの選手たちが、ピッチ・フィールド中央から左右の自陣に散っていった。
後半、韓闘乱女子高校のキックオフで試合再開。 (P.m.9:22)
まず韓闘乱の選手たちが、自陣後方から普通にボールを回していく。
最初のうちは、狂楚の選手たちも相手の選手たちから、強引にボールを奪いに迫ってくることはしない。 よほどの余裕があるのか、もう無駄なことはしないのか、あまりよく解らないけど、ひょっとしてこれも体力温存なのかもしれない。
「「……!」」
「「……!」」
これはチャンスと言わんばかりに、相手の選手たちが頷きながら、それぞれ合図を送り、徐々にボールを中盤まで運んでいく。 そのボールが中盤まで来ると、ここでようやく狂楚の選手たちも、ボールを奪うべく相手の選手にマークやプレスを仕掛けてくる。
ここでしばらくの間、両チームの選手たちが、ボールを取り合う展開になっていて、両者の実力が拮抗しており、互角の奪い合いを見せている。
そこからボールを受け取った相手のMF⑥の選手が、一気に中盤から最前線にいる相手のFW⑪の選手に、ボールをポーンとロングパスする。
飛び出した相手のFW⑪の選手が、狂楚のペナルティーエリア正面の手前ギリギリでボールを受け取り、そのままの位置で素早くシュート体勢に入る。
「ちぃっ!?」
「うわぁっ!?」
「…っ!!?」
ザザァーーッ!
ガァッ、ドサッ!
ピピィーーッ!
慌てた狂楚のDFの丁公が、焦って横から相手のFW⑪の選手めがけて、鋭いスライディングをして、彼女の足を引っ掛けてしまい、このまま前のめりに倒れてしまった。
すぐに審判が丁公の所まで駆け寄ってきて、丁公にイエローカード(警告)が提示された。
非常に危険なプレーである。
「ごめん、みんな。 油断した」
「ドンマイ、丁公」
「仕方ないよね、アレは」
「でもアレ、狙ってたのかしら?」
「みたいだね、アイコンタクトしてたしね。」
「………」
「さぁ、戻るわよ。 みんな」
「ええ」
相手の選手のフリーキックの為、狂楚の選手たちがそれぞれ自分の持ち場に戻った。
後半37分
狂楚のペナルティーエリア正面の手前ギリギリからのフリーキック。 キッカーは韓闘乱のFW⑩の選手である。 狂楚の壁は5人。
「おりゃあぁぁ!!」
「…おっ!?」
バァシィッ、ゴロゴロ・ドォーン!
相手のFW⑩の選手のフリーキックは壁の右側を抜き、ゴール右側下隅に転がるように入ってゴーール! GKの范増も左側から右側へ横っ飛びしたけど、残念ながら間に合わなかった。
ピィーーーッ!
そこで審判のゴールの笛が鳴った。
ここでようやく韓闘乱女子高校がフリーキックとはいえ、1点返した。 これには韓闘乱の選手たちが大変喜んでいる。 狂楚相手に1点取ったことが、よほど嬉しかったようだ。
一方の無言の狂楚女学園は、まだ2点差もあり、さらに1点追加して、一気に勝負を決めるつもりでいる。
後半39分
韓闘乱1-3狂楚
ここから両チームの選手たちが、またピッチ・フィールド中央から左右の自陣に散っていった。
後半、狂楚女学園のキックオフで試合再開。 (P.m.9:40)
相変わらず狂楚の選手たちが、ゆっくりじっくりボールを回していく。 まだ特に狂楚の選手たちに慌てた様子がない。
残り、あと5分間である。
まだまだ試合は続くけど、残りはあと5分なので、どのような展開になっていくのか、とても楽しみである。




