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暴秦狂楚  作者: 南かずしげ
*ナイトメア・ランジェリー・サッカー・ストライク・ガールズ編
37/57

*夏の県大会D(VS.韓闘乱.3)


   前半28分


  韓闘乱0-1狂楚



 ボールを持った狂楚のOMFの龍且(りゅうしょ)が、そのまままっすぐ韓闘乱のペナルティーエリアの手前まで、鋭いドリブルで来ていた。

 当然だが、そこに韓闘乱のDF陣が、龍且からボールを奪うべく向かってきた。


 そこで龍且がボールを奪われる前に、相手のペナルティーエリアの右側にいる狂楚のFWの項羽に、ボールをポーンとロングパスする。


「それ、項羽!」

「オーライ、龍且」


 龍且からボールを受け取った項羽は、すぐさま相手のGK以外誰もいないゴール前まで、そのままボールをセンタリング。

 これには韓闘乱の選手たちも、自分たちはまだゴール前まで戻りきっていないので、それぞれが困惑・動揺・驚愕して、慌てて焦りながらも、必死にゴール前まで戻っていく。


   前半29分


 誰もいないゴール前では、 (韓闘乱のGKは普通にいるけど) まだ相手のDF陣も狂楚の攻撃陣も誰もいない状況で、項羽がセンタリングで上げたボールだけが、相手のゴール前に落ちてくる。


 このまま相手のGKが、ボールを両手でキャッチして、それで終わりのはずである。



 なんと何処(どこ)からともなく、いつの間にか、狂楚のスーパーストライカーの英布が左側から走ってきて、前のめりに倒れながらも、頭をボールに当ててのヘディングシュートをした。


「……えっ!!?」


 ズバシュッ、ドォーン!


「とう!!」


 あまりの突然の出来事に、相手のGKが呆気(あっけ)にとられて身動き出来ずにいて、しかもオフサイドトラップにもかかってないようで、そのままボールはゴール左側に突き刺す様に入ってゴーール!


 ピィーーーッ!


 ここで審判のゴールの笛が鳴った。




 ここでも韓闘乱の選手たちが立ち尽くし茫然自失になっていた。


 得点した狂楚女学園のスーパーストライカーの英布。 彼女(えいふ)の存在を韓闘乱の選手たちが完全に失念していた。 今まで一体何処(どこ)に居たのか、いつの間にか、現れたのか? 韓闘乱の選手たちは完全に項羽だけしかマークしてなかった。

 英布の完璧なステルスモードが相手のオフサイドトラップをもかいくぐっていた。


「「イエーイ!」」


 そこで項羽と英布がハイタッチする。



   前半32分


  韓闘乱0-2狂楚



 再び両チームの選手たちが、ピッチ・フィールドの左右の自陣に、それぞれ散っていった。






 前半、韓闘乱女子高校のキックオフで試合再開。 (P.m.8:37)


 すっかり意気消沈の韓闘乱の選手たちだが、それでも自陣後方からボールを慎重に回していく。

 当然、狂楚の選手たちも韓闘乱の選手たちから、ボールを奪いに来ている。

 勿論、韓闘乱の選手たちも(たく)みにボールを死守して、狂楚の選手たちからボールを奪われないようにしている。

 そうして韓闘乱の選手たちが中盤までボールを運んでいく。




 そこからしばらくの間、韓闘乱の選手たちと狂楚の選手たちが、中盤で互角にボールを奪い合っていて、両者が拮抗している。


「くそっ! チェックして!」

「ボールは死守よ!」

「ちっ、こっちをマーク!」


「こっちからボールを!」

「焦るな! そっちは任せる!」

「ここで食い止めるよ!」


 ここで狂楚の選手たちが韓闘乱の選手たちから、なかなかボールを奪えないでいると、相手のMF⑦の選手が中盤から前線へドリブルでボールを運んでいく。


 さらにボールを持った相手のMF⑦の選手が、狂楚のペナルティーエリアの右側まで来ていた韓闘乱のDF④の選手に、ボールをポーンとロングパスする。


 ボールを受け取った相手のDF④の選手が、そのまま狂楚のゴール前までセンタリング。 だけど、しっかりマークしていた狂楚のDFの桓楚が、ゴール前に落ちてきたボールを素早くカットし、そのまま中盤までボールをポーンと蹴り上げてクリアする。


 そこで前半戦が終了した。

 審判が前半戦終了の笛を鳴らしていた。





 ここで両チームの選手たちがピッチ・フィールドから、それぞれの控え室まで戻っていった。



 そこからハーフタイムに入り、狂楚側の控え室では、ほとんどの選手が無言であり、スポーツドリンクを飲む選手やタオルで顔の汗を拭く選手やスパイクのヒモを結び直す選手などがいて、偉そうに腕組みする監督やコーチも特に何も言ってこない。

 また韓闘乱側の控え室では、苛立ちを見せる監督やコーチが、後半戦へ向けての作戦や役割を選手たちに声を大にして説明しており、選手たちは無言で真剣に聞いている。



 前半だけで、「韓闘乱0-2狂楚」…狂楚女学園からしてみれば、あともう1点くらいは前半で欲しいところだけど、まずまずの前半戦ではなかろうか? 一方の韓闘乱女子高校は前半戦で1点も得点することが出来なかった。 このハーフタイムだけで、どれだけ修正して作戦を練り直し、後半戦に臨めるか? 非常に厳しいところだろう?





 やがてハーフタイムも終わり、両チームの選手たちが、それぞれの控え室から、再びピッチ・フィールドに戻ってきて、それぞれ左右の自陣に散っていった。






 後半、狂楚女学園のキックオフで試合開始。 (P.m.9:00)


 後半戦は狂楚の選手たちが自陣後方でボールを回していく。

 時間をかけて、ゆっくりとボールを回しながら、慎重にゲームを組み立てていくので、韓闘乱の選手たちが自らボールを奪いにいかないと、いつまで経ってもボールは動かない。

 だけど、下手に無作為にボールを奪いに来ると、狂楚お得意の速攻で反撃される恐れもある。


 ここからは慎重に正確に間違いない様に行動しないといけない韓闘乱の選手たちである。



   後半??分


  韓闘乱0-2狂楚



 非常にキツイ戦いである。


相変わらず狂楚女学園は強いものだな。

だがしかし、まだまだこれからであろう。

両者共に、このまま終わるとは思えないからである。

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