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暴秦狂楚  作者: 南かずしげ
*ナイトメア・ランジェリー・サッカー・ストライク・ガールズ編
32/57

*夏の県大会C(VS.華紫斑.3)


   後半22分


  正処0-0華紫斑



 相変わらず正処の選手たちと華紫斑の選手たちが、中盤でボールを奪い合っている。

 なんとか華紫斑の選手たちが、(たく)みに必死にボールを死守しているのに対して、一方の正処の選手たちが、まだまだボールを積極的に強引に奪いに来ていないようだ。

 まだまだ中盤から、ボールが移動していかないようであり、正処の選手たちも華紫斑の選手たちも中盤に集まっている。


 またしばらくの間、両チームの選手たちが、中盤でボールを奪い合っていて、かなりの時間を経過させている。


 この華紫斑(チーム)の最大の特長は、どの場所からでも、オフサイドトラップが仕掛けられることができる。 そのなかでも、自陣のペナルティーエリア内・いわゆるボックスでのオフサイドトラップが最も得意である。


 この後も正処の選手たちが、度々(たびたび)華紫斑の選手たちの(たく)みなオフサイドトラップに引っ掛かっていたようで、結構苦戦してきたけど―――


   後半36分


 ここでボールを持った華紫斑のMF⑧の選手が、中盤から前線にいる相手のFW⑪の選手に、そのまま一気にボールをポーンと蹴り上げてロングパスする。


「あっ!?」

「うっ!?」

「ちっ!?」


 そこから、かなり前線にいた相手のFW⑪の選手が、すぐにボールを受け取ると、今度は正処のペナルティーエリア手前までいた相手のFW⑩の選手に、そのままボールをスルーパスする。


「……ちっ!」

「ひぇぇ、マ…マズーイ!」

「くっ、来るなら…こい!」


 なんと相手のFW⑩の選手が、正処のDF陣の裏をつくスルーパスでボールを受け取り、正処のペナルティーエリアの手前真正面から、すぐさま強力なシュートを素早くする。


「でぇぇい!」

「よし、こい!」


 ズドォーン、バシィッ!


 確かに強力なシュートだったけど、正処のGKの忍の真正面だったので、両手と身体全体で素早くしっかりガッチリとボールをキャッチする。


「行くぞ、それぇ!」


 ここからGKの忍が中盤まで、一気にボールをポーンと蹴り上げる。


 トーン、トッ!


 丁度ボールの落下地点にいた正処のOMFの恵美が、そのままヘディングで前線にボールを送る。

 前線にいた正処のFWの倫が、すぐにボールを受け取り、そのまま素早くドリブルしていき、一気に相手のペナルティーエリア付近まで走っていく。


   後半44分


 そこで倫が相手のペナルティーエリア内に、そのまま侵入するかと思ったら、なんとボールをヒールパスして、すぐ後ろにいた正処のFWの藍にボールが渡ると同時に、すぐさま高速強烈なシュートを素早くした。


「くらえ、龍将大砲(ドラゴン・キャノン)!」


 ズドォーン、ドォーン!


「…っ!!?」


 なんと言うことなのか!

 彼女のシュートは相手のGKが、一歩も対応できないほどに、あっという間にあっさりと、ゴールの右隅に突き刺さるように、勢いよくボールが入ってゴーール!


 もう既に後半45分が過ぎていた。


 ピィーーーッ!


 ここで遂に審判のゴールの笛が鳴った。



   後半45分


  正処1-0華紫斑



 そこでようやく得点が動いた。

 後半終了ギリギリで、やっとの思いで正処女学園が華紫斑(はなむらさきむら)女子高校から、貴重な1点を奪ったのだ。


 なんと言うことなのか!

 さすがと言うべきか、きっちり時間内に得点を取る正処女学園に対して、終盤でのオフサイドトラップがほとんど通用しなくなった華紫斑(はなむらさきむら)女子高校が、これで遂に敗北するのか…?


「むう、なかなかやるねぇ、正処女学園」

「やっぱり、入れてきましたね? 時間いっぱい使いきって、ウチから」

「ああ、ウチのオフサイドトラップにも、ようやく慣れてきたあたりの1点は非常に大きいな。」

「まぁ、ウチもなかなかやれたと思うけどね。」

「はい、大変貴重な経験ですよね。 この試合」


 もう既に敗北を悟ったような感想を()べる華紫斑の監督やコーチたち。


 この華紫斑の監督やコーチたちも、今後の課題や対策などを、慎重に精査・検討・調整していくことになるだろう。






 後半、華紫斑女子高校のキックオフで試合再開。(P.m.8:55)


 また華紫斑の選手たちが、後方でボールをパス回ししていくけど―――


 ここで遂に―――


 ピィィーーーーッ!!


 …審判の試合終了の笛が長く鳴り響いていた。


 これで千葉県の県大会第4回戦の試合は終了した。


 ━公式試合終了━ (P.m.8:55)



 両チームの選手たちがピッチ・フィールドから、それぞれの控え室に戻っていく。

 華紫斑の選手たちは、だいぶ疲れた様子で巨乳を揺らしながら引き揚げていく。

 正処の選手たちは、まだまだイケそうな感じで引き揚げていく。


 このまま得点が入らずに、延長戦に入っていたら、あきらかに正処女学園の方が有利であろう。


「ふーう、ようやく1点入ったようだな?」

「ああ、かなり危なかったけどな。 なんとか1-0で勝ちきったことになるな。」

「それにしても、あのオフサイドトラップは、やっぱり厄介だったな。 結局は1点止まりだったからな。」

「ああ、やっぱりオフサイドトラップの対策も必要かもしれないな。」

「やれやれ、やっぱりサッカーは奥深いようだな。」


 この試合を終えて、正処の監督やコーチも、それぞれ感想を()べている。


 一方の正処女学園側も、今後の課題や対策などを、慎重に精査・検討・調整していくつもりなのだろう。




 いずれにしても、これで千葉県の県大会第4回戦の試合において、正処女学園が華紫斑(はなむらさきむら)女子高校を見事に破って、そこで遂に県大会ベスト16に進出したのである。


ようやく華紫斑女子高校に勝利した正処女学園は、これで念願の県大会ベスト16となった。

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