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暴秦狂楚  作者: 南かずしげ
*ナイトメア・ランジェリー・サッカー・ストライク・ガールズ編
25/57

*夏の都大会B(VS.亀甲鎖.3)


   後半22分


  皇漢0-2亀甲鎖



 なんとここで皇漢のゴール前では、亀甲鎖のFWの選手と皇漢のGKの劉邦の一対一の状況になっていた。

 既に相手のFWの選手がシュート体勢に入っていて、その彼女が豪快に強烈で鋭く素早くシュートをした。


「くそっ!」

「そりゃぁあぁーーっ!!」


 ズゴォーゥ、ダァッ、ドォーン!


 予めシュートコースを読んでたGKの劉邦が思いっきり右側へ横っ飛びして、シュートしたボールがゴールの中に入るのを(ふせ)ごうとする。


「ふっ」(ニヤリ)

「な、なにっ!?」

ここから亀甲鎖のFWの選手が笑い、劉邦が凄く驚く。 


 なんとシュートしたボールが異常な変化、スライスしてカーブして、ボールがゴール左上隅に入ってゴーール!


 なんということなのか!

 ここで非情なる審判のゴールの笛が鳴り響いた。

 つ……遂に恐れていた事態が……遂に亀甲鎖に3点目が入ってしまった。



   後半24分


  皇漢0-3亀甲鎖


 この点差に亀甲鎖女子高校の選手たちが有頂天で狂喜する。 もう既に試合に勝利したかのような喜びぶりである。

 一方の皇漢女学園の選手たちは相変わらず動揺・困惑・落胆などはせず、彼女たちの瞳の奥の方の輝きは消えず、まだ闘気・闘志が燃え上がっている。

 この期に及んで、まだ逆転が可能なのか?


「ま、まさか……そ、そんなバカなぁ……っ!!?」

「……」

「残念ながら、この勝負は見えたな。 いかに皇漢といえど、逆転する為の4点は少し厳しいぞ。」

「ああ、しかも皇漢はまだ1点も()れられていないぞ。 亀甲鎖がよく無失点に(おさ)えている。」

「このまま何も出来なければ、あっさりと終わるぞ。 ……この試合……」

「あぁ、そうだな」


 そこで正処の監督とコーチが驚きを隠せないまま、それぞれ感想を()べている。




 皇漢女学園の選手交代

◎MF夏侯嬰→MF張耳

◎MF盧綰→FW彭越

 皇漢の選手が2人交代


 ここから皇漢のフォーメーションが変化して、「4-4-2」のシステムに変更となり、そこからFWの選手が2人になった。





 後半、皇漢女学園のキックオフで試合再開。 (P.m.4:35)


 試合が再開されると同時に、ボールを受け取った皇漢のDFの蕭何が、すぐにボールを中盤までポーンと蹴り上げた。

 そこからすぐ中盤にいた皇漢のMFの張耳がボールを受け取り、またすぐに前線にいる同じくMFの王陵にボールをパスして繋げる。

 そのまま王陵がドリブルで亀甲鎖のペナルティーエリア付近まで走って近づく。


 この皇漢の選手たちの奇襲・速攻に、先程まで勝ち誇っていた亀甲鎖の選手たちが驚愕・動揺して、慌てて王陵を止めようと焦るも思い通りにいかなかった。


「う、嘘っ!? もう(あきら)めたんじゃないのぉ!?」

「しまったわっ!! 油断したわぁ!?」

「お願い、みんな急いで戻ってぇ!!」


 焦る亀甲鎖の選手たちが、それぞれ慌てて指示やアドバイスなどしているが、完全に後手後手になって遅れをとっている。


 ここで王陵が亀甲鎖のペナルティーエリア手前から、豪快に強烈で鋭く素早くシュートをした。


「でぇぇいぃっ!!」

「くそっ!」


 ズゴォーゥ、パァシッ!


【劉邦の仇は私が討つ!】



   後半30分


 予めシュートコースを読んでた亀甲鎖のGKの選手が右側へ横っ飛び、精一杯伸ばした両手でボールを前方に(はじ)き飛ばした。

 だが、そこに先程交代した皇漢のFWの彭越が詰めており、素早く走り込んでボールを転がすように蹴り込んで、コロコロとボールがゴール左下隅に入ってゴーール!

 一度態勢を崩した亀甲鎖のGKの選手は、再び態勢を立て直すことができずに、遂に1点奪われてしまった。


 ここで遂に歓喜なる審判のゴールの笛が鳴り響いた。


 なんという電光石火の速攻なのか!

 亀甲鎖の選手たちは、あっという間に、あっさりと1点を失ってしまった。

 これは明らかに亀甲鎖の選手たちからは動揺・困惑・驚愕・疲労などのストレスが溜まっている。

 だが、まだ1点()れられただけで、2点差ある。

 このまま守りきれば、十分に勝てる試合なのだ。



   後半32分


  皇漢1-3亀甲鎖


「おお、遂に1点返したぞ!」

「おい、見事な奇襲・速攻だったな。 皇漢女学園」

「ああ、これで1点(はい)れば……この試合、どうなるかまだ解らんぞ!」

「ああ、その通りだな。 これで亀甲鎖女子高校もより一層気を引き締めねばなるまい。」


 多少興奮気味で感想を()べてる正処の監督とコーチの二人。





 後半、亀甲鎖女子高校のキックオフで試合再開。 (P.m.4:43)


 試合再開と同時に、ボールを受け取った亀甲鎖のDFの選手が、すぐにボールを中盤までポーンと蹴り上げた。

 そこからすぐ中盤にいる亀甲鎖のMFの選手がボールを受け取り、さらに前線にいた同じくMFの選手にボールをパスして、ボールを受け取ったMFの選手が、そのまま素早くドリブルして、皇漢のペナルティーエリア付近まで(せま)っていた。


 この一連の流れ……まるで先程の皇漢の奇襲・速攻を見ているようだ。


 なんとここから相手のMFの選手が、皇漢のペナルティーエリアの右側にいた相手のFWの選手にボールをスルーパスして、ボールを受け取ったFWの選手が、そのままの位置・そのままの体勢で、かなり(きわ)どいクセのあるシュートをした。


「な、なにっ!?」

「これで終わりよ! とどめ!」


 ズゴォーゥ、バァシッ!


 完全に意表を突かれて油断したGKの劉邦では対処・対応するには、とても間に合わないようだ。


【劉邦の仇は私が討つ!】


 だがしかし、予め予測していたDFの張良が右足を伸ばしてボールに当てて、シュートしたボールがゴールの中に入るのを(ふせ)いだ。

 そこからすぐDFの陳平がボールを拾い、素早くボールを中盤までポーンと蹴り上げてクリアする。


 どうやら試合は、まだまだ終わらないようだ。

大ピンチ!!

やっと1点返しても、まだ2点差。

しかも残り時間も、あとわずか?

一体どうする皇漢女学園っ!?


またブクマ・感想・評価などありましたら、どうぞ宜しくお願いします。

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