*夏の都大会B(VS.亀甲鎖.3)
後半22分
皇漢0-2亀甲鎖
なんとここで皇漢のゴール前では、亀甲鎖のFWの選手と皇漢のGKの劉邦の一対一の状況になっていた。
既に相手のFWの選手がシュート体勢に入っていて、その彼女が豪快に強烈で鋭く素早くシュートをした。
「くそっ!」
「そりゃぁあぁーーっ!!」
ズゴォーゥ、ダァッ、ドォーン!
予めシュートコースを読んでたGKの劉邦が思いっきり右側へ横っ飛びして、シュートしたボールがゴールの中に入るのを防ごうとする。
「ふっ」(ニヤリ)
「な、なにっ!?」
ここから亀甲鎖のFWの選手が笑い、劉邦が凄く驚く。
なんとシュートしたボールが異常な変化、スライスしてカーブして、ボールがゴール左上隅に入ってゴーール!
なんということなのか!
ここで非情なる審判のゴールの笛が鳴り響いた。
つ……遂に恐れていた事態が……遂に亀甲鎖に3点目が入ってしまった。
後半24分
皇漢0-3亀甲鎖
この点差に亀甲鎖女子高校の選手たちが有頂天で狂喜する。 もう既に試合に勝利したかのような喜びぶりである。
一方の皇漢女学園の選手たちは相変わらず動揺・困惑・落胆などはせず、彼女たちの瞳の奥の方の輝きは消えず、まだ闘気・闘志が燃え上がっている。
この期に及んで、まだ逆転が可能なのか?
「ま、まさか……そ、そんなバカなぁ……っ!!?」
「……」
「残念ながら、この勝負は見えたな。 いかに皇漢といえど、逆転する為の4点は少し厳しいぞ。」
「ああ、しかも皇漢はまだ1点も入れられていないぞ。 亀甲鎖がよく無失点に抑えている。」
「このまま何も出来なければ、あっさりと終わるぞ。 ……この試合……」
「あぁ、そうだな」
そこで正処の監督とコーチが驚きを隠せないまま、それぞれ感想を述べている。
皇漢女学園の選手交代
◎MF夏侯嬰→MF張耳
◎MF盧綰→FW彭越
皇漢の選手が2人交代
ここから皇漢のフォーメーションが変化して、「4-4-2」のシステムに変更となり、そこからFWの選手が2人になった。
後半、皇漢女学園のキックオフで試合再開。 (P.m.4:35)
試合が再開されると同時に、ボールを受け取った皇漢のDFの蕭何が、すぐにボールを中盤までポーンと蹴り上げた。
そこからすぐ中盤にいた皇漢のMFの張耳がボールを受け取り、またすぐに前線にいる同じくMFの王陵にボールをパスして繋げる。
そのまま王陵がドリブルで亀甲鎖のペナルティーエリア付近まで走って近づく。
この皇漢の選手たちの奇襲・速攻に、先程まで勝ち誇っていた亀甲鎖の選手たちが驚愕・動揺して、慌てて王陵を止めようと焦るも思い通りにいかなかった。
「う、嘘っ!? もう諦めたんじゃないのぉ!?」
「しまったわっ!! 油断したわぁ!?」
「お願い、みんな急いで戻ってぇ!!」
焦る亀甲鎖の選手たちが、それぞれ慌てて指示やアドバイスなどしているが、完全に後手後手になって遅れをとっている。
ここで王陵が亀甲鎖のペナルティーエリア手前から、豪快に強烈で鋭く素早くシュートをした。
「でぇぇいぃっ!!」
「くそっ!」
ズゴォーゥ、パァシッ!
【劉邦の仇は私が討つ!】
後半30分
予めシュートコースを読んでた亀甲鎖のGKの選手が右側へ横っ飛び、精一杯伸ばした両手でボールを前方に弾き飛ばした。
だが、そこに先程交代した皇漢のFWの彭越が詰めており、素早く走り込んでボールを転がすように蹴り込んで、コロコロとボールがゴール左下隅に入ってゴーール!
一度態勢を崩した亀甲鎖のGKの選手は、再び態勢を立て直すことができずに、遂に1点奪われてしまった。
ここで遂に歓喜なる審判のゴールの笛が鳴り響いた。
なんという電光石火の速攻なのか!
亀甲鎖の選手たちは、あっという間に、あっさりと1点を失ってしまった。
これは明らかに亀甲鎖の選手たちからは動揺・困惑・驚愕・疲労などのストレスが溜まっている。
だが、まだ1点入れられただけで、2点差ある。
このまま守りきれば、十分に勝てる試合なのだ。
後半32分
皇漢1-3亀甲鎖
「おお、遂に1点返したぞ!」
「おい、見事な奇襲・速攻だったな。 皇漢女学園」
「ああ、これで1点入れば……この試合、どうなるかまだ解らんぞ!」
「ああ、その通りだな。 これで亀甲鎖女子高校もより一層気を引き締めねばなるまい。」
多少興奮気味で感想を述べてる正処の監督とコーチの二人。
後半、亀甲鎖女子高校のキックオフで試合再開。 (P.m.4:43)
試合再開と同時に、ボールを受け取った亀甲鎖のDFの選手が、すぐにボールを中盤までポーンと蹴り上げた。
そこからすぐ中盤にいる亀甲鎖のMFの選手がボールを受け取り、さらに前線にいた同じくMFの選手にボールをパスして、ボールを受け取ったMFの選手が、そのまま素早くドリブルして、皇漢のペナルティーエリア付近まで迫っていた。
この一連の流れ……まるで先程の皇漢の奇襲・速攻を見ているようだ。
なんとここから相手のMFの選手が、皇漢のペナルティーエリアの右側にいた相手のFWの選手にボールをスルーパスして、ボールを受け取ったFWの選手が、そのままの位置・そのままの体勢で、かなり際どいクセのあるシュートをした。
「な、なにっ!?」
「これで終わりよ! とどめ!」
ズゴォーゥ、バァシッ!
完全に意表を突かれて油断したGKの劉邦では対処・対応するには、とても間に合わないようだ。
【劉邦の仇は私が討つ!】
だがしかし、予め予測していたDFの張良が右足を伸ばしてボールに当てて、シュートしたボールがゴールの中に入るのを防いだ。
そこからすぐDFの陳平がボールを拾い、素早くボールを中盤までポーンと蹴り上げてクリアする。
どうやら試合は、まだまだ終わらないようだ。
大ピンチ!!
やっと1点返しても、まだ2点差。
しかも残り時間も、あとわずか?
一体どうする皇漢女学園っ!?
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