*夏の都大会B(VS.亀甲鎖.2)
まだまだこれからだぞ皇漢女学園っ!!
前半18分
皇漢0-1亀甲鎖
まずは皇漢女学園がボールをキープ。
そして、亀甲鎖の選手たちの様子を見ながら、ゆっくりとボールを回していく。
当然だけど、亀甲鎖の選手たちも速攻でボールを奪いに来る。
そこで皇漢陣内後方からのボールの奪い合いが展開されている。
皇漢の選手たちもボールを奪われないようにキープしており、亀甲鎖の選手たちもなんとしてもボールを奪おうとしている。
そのボールが皇漢の選手にいったかと思えば、亀甲鎖の選手にボールがいき、またすぐに皇漢の選手にボールがいってしまうようで、ボールの位置がなかなか定まらない。
両者まったくの互角のようであり、お互いに一歩も退かない状態が続いている。
そこから少し時間が経過して、しばらくの間、膠着状態が続いていたのだが―――
だがしかし、ここで―――
一瞬の隙をついて、亀甲鎖のFWの選手が皇漢のDFの陳平から、キープしていたボールを奪い取り、すぐに皇漢のペナルティーエリア付近まで、高速ドリブルで走って近づく。
もう後がなくなった皇漢のDFの張良が、ドリブルで皇漢のペナルティーエリア内まで侵入してきた相手のFWの選手に強引なスライディングを敢行。
運悪く張良の足と相手の選手の足がぶつかり、相手のFWの選手が前のめりに倒れてしまい、ここで審判の笛が鳴った。
なんと張良に警告のイエローカードが、そして相手の選手にはPKが与えられた。
今のはかなり危険なプレーである。
まぁ当然といえば当然なのだが、仕方がない結果である。
前半42分
PK、キッカーは亀甲鎖のFWの選手。
相手のFWの選手がGKの劉邦をよく見て、彼女の反対側を狙って、ゴール左下隅にボールを転がし入れてゴーール!
なんとこれで亀甲鎖チームの2点目。 これはまさに負の連鎖……亀甲鎖女子高校の戦術が見事にハマったことになる。
一方の皇漢チームは、特に慌てた様子や混乱などはなく、動揺も悲観も落胆もなく、淡々と静観している。
この期に及んで負け惜しみか、それともこれは何かの作戦なのか?
前半44分
皇漢0-2亀甲鎖
「こ、これは……まさか……本当に皇漢女学園が敗退してしまうのか……?」
「いや、まだだ。 後半に必ず追いついて逆転するはずなのだ。」
「ウチのチームの様にか? だが……そんな情報は今までなかったぞ……?」
「……むっ、だがしかし、このまま敗退するわけにはいかないはずなのだ……」
「……むっ、確かにそうだが……」
「………」
この現状に驚きを隠せない監督とコーチだが、それぞれ感想を述べている。
確かに、このままでは確実に敗北してしまうのは、事実である。
前半、皇漢女学園のキックオフで試合再開。 (P.m.4:00)
皇漢の選手たちが後方から丁寧にじっくりボールを回していき、慌てた様子の亀甲鎖の選手たちが、そのボールを奪おうとしたところで、前半終了の笛が鳴った。
そのまま、それぞれの控え室まで戻っていく両チームの選手たち。
その様子を見ていた監督とコーチの二人が―――
「……前半だけで2-0……しかも張良にイエローカードとは……コーチ、逆転の見込むがあるのか……?」
「いや、思ったよりも亀甲鎖の選手たちが一枚上手だった……と言うことだ……」
「なるほど、後半にどれだけ修正・調整してこれるかが勝負のようだな。」
「ああ、後半では相手チームを0点に抑えつつ、最低でも2点は得点しなければならないことは、皇漢の監督もよく判っているはずだからな。」
「ああ、後半でなんとかしなければ、皇漢女学園は第3回戦で姿を消すことになるからな。」
「………」
「まぁ……このまま……終わるとは思えないけど……なぁ」
このハーフタイムで現状・試合を確認しながら、それぞれ感想を述べてる監督とコーチの二人。
やがてハーフタイムも終わり、両チームの選手たちが再びピッチ・フィールドの中央まで集まってきていて、両チーム共に試合の準備をしている。
ちなみに皇漢の選手の方はメンバー変更はない。
後半、亀甲鎖女子高校のキックオフで試合開始。 (P.m.4:10)
まずは亀甲鎖の選手たちが、後方から順調に堅実にボールを回していく。
勿論、皇漢の選手たちも早速ボールを奪いに来る。
そのボールは後方から中盤へ移動しており、両チームの選手たちによる激しいボールの奪い合いが繰り広げられている。
ここで皇漢が、もし3点目を奪われると、もう絶望的の絶体絶命であろう。
ここはなんとしても亀甲鎖を0点に抑えたのち、最低限皇漢が2点以上得点しなければ、正処の監督やコーチの言う通り、ここで皇漢が敗退する。
そこで素早く行動したのが、亀甲鎖のMFの選手である。
その亀甲鎖のMFの選手が、皇漢のMFの夏侯嬰がキープしていたボールを奪取。
そこから亀甲鎖の選手たちが、次々とパス回しをして、あっという間に皇漢のペナルティーエリア付近まで、ドリブルでボールを運ぶ相手のFWの選手。
今度はDFの陳平が、その相手のFWの選手にスライディングを敢行。
だがしかし、相手のFWの選手がボールを持ちながら、彼女が素早くジャンプして、陳平のスライディングをかわし、そのまま一気に皇漢のペナルティーエリア内から、相手のFWの選手がシュート体勢に入った。
またしても一瞬の隙をついて、この亀甲鎖の選手たちの戦略で、GKの劉邦だけがゴールを守る状況を作り出した。
後半??分
果たして、本当にこのまま3点目を入れられてしまうのか?
大ピンチッ!!?
このままではヤバイッ!!?
このままでは全国最強の皇漢女学園が負けるっ!!?




