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暴秦狂楚  作者: 南かずしげ
*プロローグ
1/57

*プロローグ.1


 時代はいつかは不明だが、とある時代の日本の出来事である。


 その日本では、様々なスポーツが盛んであり、その中でも、野球と並んで人気のあるスポーツが、あのサッカーなのである。


 特に女子サッカーは、近年から徐々に人気が出始めている。 近頃では、夜中に(おこな)われている特殊な女子サッカーが流行っているようだが、非常に危険な競技になっている。





 そんなある日のこと


 とある女子校……その名前も『正処女学園高等部』では、


 とある夜、この学校の校内の某所にある、とある特殊な屋内施設で、とある一人の女子生徒が、サッカーボールを使った何かの練習をしていた。 その彼女が、上下ともに赤いジャージを着て、何かを必死に……夢中になってやってるうちに、すっかり全身が泥だらけになっていた。


 また、この特殊な屋内施設の端の方には、白いTシャツと下に黒いジャージを着た、一人の成人男性が遠目から、その何かの練習をしている、その女子生徒の方を、静かにずぅーーっと見つめていた。


 その彼が腕組みしながら、非常に難しい顔をして、無言で彼女のことを見つめている。


「………」


 彼女はまだまだ伸びる。 ここは心を鬼にして、少し厳しくいかねばなるまい。





 ……はぁはぁはぁはぁ……


 どうも初めまして

 私の名前は『鈴木妖香』と言います。

 現在(いま)はコーチに練習を見てもらっています。


 正処女学園の高等部1年で『ナイトサッカーストライク部』に所属、赤い長髪の元気な女の子です。


 今はシュートの練習をしています。 ゴール左側の上隅に決める練習をしています。 これがなかなか難しい……ゴールポストに当たったり、はるか上空へ飛びすぎたりして、これがなかなか上手くいかないんだよねぇーー。


 ……はぁはぁはぁはぁ……





 ここ『正処女学園』は、千葉県某市にある、名門私立の女子校で「中等部」と「高等部」が、同じ敷地内にある学校である。 ちなみに学校名の読み方は、『正処(せいしょ)』・『(じょ)学園(がくえん)』であるので間違えないようにね。 この学校の内容自体は普通の学校とほぼ同じだと思う。


 制服は黒を基調としたブレザーとスカート、白色のワイシャツと藍色のネクタイとなっている。 また高等部では、色違いのネクタイピンがあって、一学年が橙色、二学年が碧色、三学年が蒼色である。





 次に『ナイトサッカーストライク部』とは、女子サッカーの一種である。


 ウチの学校にある部活動のひとつである。

 基本的に女子サッカーと同じルールと競技であるけど、なんと開始時間は夜中、さらに専用の特殊屋内施設で(おこな)う。

 あともうひとつは試合用ユニフォームである。 なんと、それは下着なのである。 水着を着て(おこな)う競技はあっても、さすがに下着姿で(おこな)う競技はないだろう。


 基本的にホーム用とアウェイ用の色違いの下着、また下着であるなら細かな規定はなく、ブラジャーにはチーム名(学校なら主に学校名)を、パンティーには前後でゼッケンを、それぞれ記載しないといけない。 試合用下着には特殊な加工をしており、それを着て試合に出場するので、つまり、下着姿でサッカーをするわけだ。 (ちなみにソックスやスパイクなどは普通の物を使用している)





 そして、それ専用の学生の大会もある。 その名も『ナイトメア・ランジェリー・サッカー・ストライク・ガールズ』なのである。 もちろん、女子校限定である。 まずは地区大会に参加して、多数のチームからなるグループステージで上位二位までなると、次は都道府県大会の出場となる。

 都道府県大会では、予選トーナメントに出場して、優勝チームと準優勝チームの2チームだけ、いよいよ全国大会に出場できる。

 全国大会では、決勝トーナメントに出場して、優勝チームを決めるのである。 これでようやく日本一のチームになれるわけだ。


 補足だが、特別ルールとして、下着を引っ張ったら警告イエローカード、下着を脱がしたら退場レッドカードである。





 今度は『鈴木妖香』についてだが、先程も紹介した通り。


 正処女学園の高等部1学年に在籍している少女で、千葉県某市在住の地元の人間でサッカー好きの女の子である。


 しかし、当初はこの学校には、女子サッカー部がなかった。 その代わりに、この変な名前の部活があった。


 とにかく、またサッカーができると思って入部したのが、運の尽き。 なんと練習試合や公式試合には、下着姿でサッカーをしなければならない。 いくら競技用の専用下着とはいえ、いくらなんでも、さすがに恥ずかしいだろう。


 この部には、さらに他にも問題があった。






 【登場人物紹介】


 名前:鈴木妖香 (15)

 ●正処女学園高等部1年C組

 身長:159cm

 出身:千葉県某市

 星座:山羊座

 趣味:サッカー

 ●得意ポジション:MF(守備的後方MF)

 秘技:なし

 3S:B82/W59/H83

 利足:右足

 備考:赤い長髪の元気で普通の女の子。 現在(いま)も家族と一緒に住む実家から徒歩通学しているようだ。 サッカーセンスとしては、なかなか上手く中盤を支配できないようだ。

 ●ステータス

 ◎Lv.1

 ◎パワー:D

 ◎スピード:C

 ◎ディフェンス:C

 ◎スタミナ:C

 ◎ドリブル:D

 ◎パス:C

 ◎シュート:D

 暴秦狂楚とは、


*暴秦とは……秦帝国、秦の始皇帝と二世皇帝胡亥による悪政を憂いた言葉である。 奸臣趙高は二世皇帝胡亥を殺害している。

*狂楚とは……楚王国、楚の覇王項羽が冷酷非道・傍若無人に振る舞った言葉である。 項羽は臣下の身でありながら、楚の義帝を殺害している。

*どちらの時代も皇帝を殺害されていて、まさに暴秦狂楚である。

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