蜜 4
こちらは表現を規制させていただいております。
【ノクターンノベルズ】の「皇女の猫【解放版】」に完全な形で掲載しておりますので、そちらをご覧ください。
アヤメとクリステルの考えが交差します。
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こちらは表現を規制させていただいております。
【ノクターンノベルズ】の「皇女の猫【解放版】」に完全な形で掲載しておりますので、そちらをご覧ください。
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部屋に戻ってみると、もう空が白みを帯びていた。
夜が終わってしまう。それが寂しくて、私たちはベッドの中で手を握り合った。布団をかぶるとまだ夜は終わっていないと思える。
「子供の頃ね、眠る前にベッドでよく空想したの。自分の世界を作って色んな冒険をして――寝たきりで本ばかり読んでいたから、願望をそれで満たしていたのね」
「楽しい空想は私もしていました。そういう時は眠りたくないものですよね」
「うん、そうなの。でも考え事して眠ると、夜に恐くなって起きてしまったことがあったわ」
「怖い夢でも?」
「そういうわけじゃないの、ただ漠然とすべてのことが怖いの。真っ暗な部屋も時計の音も静かな部屋も」
握る手が強くなった。
「お母さまに来てもらいたかった。けど、夜遅くだから迷惑だろうって――自分の呼吸の数を数えてもう一度眠れるのを待ったわ」
幼いクリステル様は、布団に潜り込んで恐怖に耐えていたと知ると胸が痛くなる。
「今もそういうことがあるのよ」
「クリステル様」
「でも平気なの、アヤメさんと会えたんだもの」
ちゅっと口づけをしてくれる。
「大切な人がいてくれると思うと、勇気が湧くの。恐い時はあなたのことを想うだけで、心に思い浮かべるだけで落ち着くの」
私は額を擦りつける。
「そのようなことをしなくとも、側におります」
「ええ。ふふ、夜中に目が覚めてあなたの寝顔を見れるとすごく落ち着くんだよ」
「忘れないでください、私はいつもあなたと共に」
「ありがとう」
眠ろう、そう言いだしたのはどちらからだったか覚えていない。
願わくば続きは夢の中で。
悲しみの中でのゆりゆりでございました。
さて、鬱展開一切なしのもう一つの物語「百合っと皇女の猫」を投稿させていただきました!
平行世界のどこかで、もしかしたらこんな物語があったかもしれない、というifストーリーを盛り込んであります。興味のある方は是非ご覧くださいませ。




