蜜 3
こちらは表現を規制させていただいております。
【ノクターンノベルズ】の「皇女の猫【解放版】」に完全な形で掲載しておりますので、そちらをご覧ください。
中に戻った私たちは、警備の者達の許可を得て大浴場へ向かった。
こびりついた涙と、暗い気持ちを洗い落とすためだった。
脱衣所では無言のまま衣を脱ぎ、白いタオルを巻いた。すっとクリステル様が手を差し出してきた。私はその手を握り、浴場に入った。
灯りをつけて入ると、お湯が注がれる音が響いていた。兵士たちが気遣ってくれ、大浴場の浴槽にお湯まで張ってくれていたらしい。浴槽に注がれるお湯からもうもうと白霧が立ち込めている。
当然だが夜更けの大浴場には私たち以外、誰もいない。
「行こ?」
手を引かれ、ひたひたと足音を鳴らしつつシャワーの前まで歩く。
コックを捻ると熱いお湯が噴き出した。頭から浴びると、気分も優れてくる。
両手を壁に着け、一心に水滴を受け続けた。
――気持ちいいな
そう思っていた時、ズグンと鼓動が早まった。
「っく」
思わず声を漏らす。
解放の反動が今になって襲ってきた。
モノノケの力を解放した後の後遺症、力の暴走。情けないことだが、私の場合は発情期の猫の如く性的な欲望が強まる。
かつてないほどの解放をしたためだろうか。たまらなく胸が切ない。
――愚かな、こんな時に何を考えているんだ!
痛みで紛らわせようと胸を強く握ると、抗い難い快楽が体を突き抜けた。甘い蜜を全身に流し込まれているようだ、体が火照っていたる所に痺れを覚える。
――鎮まれ、鎮まってくれ
そう念じるが、どうにもならない。快楽に達する寸での所でおあずけを受けたような。あと少しで熱が解放されるのに、それができない。シャワーから流れる無数の飛沫にすら刺激を受け、私は身を縮ませる。
苦しくてたまらない、いっそ達してしまえば――
――駄目だ、そんなこと考えては
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こちらは表現を規制させていただいております。
【ノクターンノベルズ】の「皇女の猫【解放版】」に完全な形で掲載しておりますので、そちらをご覧ください。
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唇を離した私たちは名残惜しい瞳の光を無理やりに押し込め、しばしの間見つめ合った。
「お湯、せっかくだから入ろ?」
「はい」
「あ、残ってる」
微笑み、私の唇の端を舐めとった。




