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皇女の猫【抑制版】  作者: WAKA
展開篇
90/170

蜜 3

こちらは表現を規制させていただいております。


【ノクターンノベルズ】の「皇女の猫【解放版】」に完全な形で掲載しておりますので、そちらをご覧ください。

 中に戻った私たちは、警備の者達の許可を得て大浴場へ向かった。

 こびりついた涙と、暗い気持ちを洗い落とすためだった。

 

 脱衣所では無言のまま衣を脱ぎ、白いタオルを巻いた。すっとクリステル様が手を差し出してきた。私はその手を握り、浴場に入った。

灯りをつけて入ると、お湯が注がれる音が響いていた。兵士たちが気遣ってくれ、大浴場の浴槽にお湯まで張ってくれていたらしい。浴槽に注がれるお湯からもうもうと白霧が立ち込めている。

当然だが夜更けの大浴場には私たち以外、誰もいない。


「行こ?」


 手を引かれ、ひたひたと足音を鳴らしつつシャワーの前まで歩く。

 コックを捻ると熱いお湯が噴き出した。頭から浴びると、気分も優れてくる。

 両手を壁に着け、一心に水滴を受け続けた。


――気持ちいいな


 そう思っていた時、ズグンと鼓動が早まった。


「っく」


 思わず声を漏らす。

 解放の反動が今になって襲ってきた。

 モノノケの力を解放した後の後遺症、力の暴走。情けないことだが、私の場合は発情期の猫の如く性的な欲望が強まる。

 かつてないほどの解放をしたためだろうか。たまらなく胸が切ない。


――愚かな、こんな時に何を考えているんだ!


 痛みで紛らわせようと胸を強く握ると、抗い難い快楽が体を突き抜けた。甘い蜜を全身に流し込まれているようだ、体が火照っていたる所に痺れを覚える。


――鎮まれ、鎮まってくれ


 そう念じるが、どうにもならない。快楽に達する寸での所でおあずけを受けたような。あと少しで熱が解放されるのに、それができない。シャワーから流れる無数の飛沫にすら刺激を受け、私は身を縮ませる。

 苦しくてたまらない、いっそ達してしまえば――


――駄目だ、そんなこと考えては


・・・・・・・・・・



こちらは表現を規制させていただいております。


【ノクターンノベルズ】の「皇女の猫【解放版】」に完全な形で掲載しておりますので、そちらをご覧ください。



・・・・・・・・・・

 

 唇を離した私たちは名残惜しい瞳の光を無理やりに押し込め、しばしの間見つめ合った。


「お湯、せっかくだから入ろ?」

「はい」

「あ、残ってる」


 微笑み、私の唇の端を舐めとった。


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