蜜
こちらは表現を規制させていただいております。
【ノクターンノベルズ】の「皇女の猫【解放版】」に完全な形で掲載しておりますので、そちらをご覧ください。
「アヤメさん」
「申し訳ありません、何でしょう・・・・・・申し訳ありません」
涙を堪えようとしなかったのは、クリステル様の前では、本来の私でいようと決めていたからだ。それが、裏目に出た。今まで抱えていたものが破裂してしまった。再会できたことの喜びや、私と彼女を取り巻く過酷な運命などが混ざり合い、全ての思いが津波のようにして押し寄せてきた。
苦しくて、ただ涙がこぼれた。
体をぎゅっと抱きしめられた。
柔らかい腕の中で、クリステル様の体温を感じる。
「私の全部は、アヤメさんだよ」
彼女は言う。
「桜花で別れた時、私に言ったことをそのまま返すね。アヤメさんは私のことを好きでいてくれる?」
「当然です、私はクリステル様が好きです」
私もクリステル様が言ったことをそのまま返した。
ありがとう、と言った彼女は微笑む。
「好き、ということ。何よりも大切な人・・・・・・大切があれば苦しみも生まれるの、これは仕方のないことなんだよ」
私の頬を両手で包み込み、そっと持ち上げた。
「でもね、私たちは一人じゃない」
柔らかな唇の感触に、私は大きく目を見開く。
自分の顔が真っ赤になるのが分かった。心臓が早鐘を打ち、頭が痺れる。
クリステル様は指先で頬の涙をぬぐってくれた。私の涙で濡れた指に口を当て、悲しそうに微笑む。
「悲しい味」
そして、ついばむような口づけをしてくれる。
二度、三度と唇が触れ合う。
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※アヤメとクリステルが結ばれるシーンです。、こちらは表現を規制させていただいております。
【ノクターンノベルズ】の「皇女の猫【解放版】」に完全な形で掲載しておりますので、そちらをご覧ください。
こうしたものが苦手という方は読み飛ばしていただいて何も問題はございません。




