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皇女の猫【抑制版】  作者: WAKA
最後の戦い篇
158/170

フェリシア・ヴェイン・ボークラーク

お嬢様、お嬢様


誰?


私です、お嬢様


マリア? マリアなの?


はい


マリア!


おっとと――


マリア、うっ、ぐぅぅ


あらあら、私のスカートを掴んで泣く癖はそのままだなんて


やっと、姿を見せてくれたのね


いいえ、私はずっと。お嬢様の側におりました


そうなの?


ええ。何度もお呼びしました。けど、私の声は届かず、姿も見えなかったようで


なら、私が見えるようになったのね。マリアのことを


お嬢様が見てくださるから、ようやく私も触れることができましたわ。ずっとこうして触れたかった


私もよ。あなたに会いたかった、また一緒に過ごせる日を夢見ていた


はい


あの気持ちは本物だったわ。でも・・・・・・


いいのです。いいのですよ。私のことは忘れないでほしい。けれど、枷としてほしくありません


違う、枷だなんて思ったこと、ないもん


私のことが見えるようになったのは、あなたの心が光へ向かったから。あの方は、お嬢様を導いてくださった。だからこうして、髪を撫でてあげられる。お嬢様を抱きしめることができます


あの子、私を救ってくれた。それなのに私・・・・・・酷いことをたくさんしたわ。傷つけてばかり


はい、はい


殺してしまうところだった、あの子のこと


でも、止められました。お嬢様は勝ったんです


人を殺してきたのよ、私。何百人も・・・・・・全てマリアを甦らせるためだって・・・・・・マリアを逃げ道に使って、うぅ


お嬢様


え?


泣いても良いのです。嘆いても良いのです。けど、そろそろ立ち上がって。行かなければならない所があります


マリア


さあ私の手をとって


うん


あなたは、私の宝物。ですから。いきましょう。フェリシア・ヴェイン・ボークラーク様

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