「闇」「破壊」「穏やかな可能性」
一縷の望みにかけるのは、悪い事なのか。少女は少年に問いかけた。
悪い事ではないね。正しいことでもないけど。そんな少年の答えに、少女は口を尖らせる。口調は男らしいが、あどけなさの残る幼い少女。手には小さいおもちゃのような鎌が握られている。
おいおい、何が不服なんだい? 僕は僕が発するべきだと思った言葉を発したまでだ。それがあっているかあっていないかなんて知らないよ。少年はなだめるように優しく語り掛ける。少年の手にも少女と同じように鎌が握られていた。同じように、といっても少女のとは段違いに大きく美しく迫力があったが。
さあ、メトル。そろそろ行くか。そこまで魂をすくうのが嫌なのかい? しばらく無言が続いたあと、少女は小さく息を吐いた。
いいよ。はじめて。少女がそういうと少年は楽しそうに頷き、鎌を振り上げた。一瞬のうちに二人は薄暗い闇に包まれる。闇の中、少年は静かに鎌を振り下ろし、ぺきぺきと何かが壊れるような、剥がれるような音がして光が差し込んだ。
さあ、いくよ。メトル、君には僕の跡を継いでもらおうと思っているんだからね。少年は笑う。少女はこの感覚もこの仕事も、この少年も、好きにはなれなそうだな、と心の隅で思った。
ながらく書くの忘れていました久しぶりです空気田です。創作さんのが書きやすいけど私ワールドというこれ。どうしましょう。一人称に慣れません。どうしまっしょい。ごめんなさい。ありがとうございました!




