#2サイキッカーと医師と樹原と神と
「・・・・・・・。」
気がつくと、真っ白な世界に体育座りしていた。はっとして立ち上がると、そこは、キオクの中だった…。
キオクはシャボン玉みたいに私の周りをふわふわ飛んでいる。
ふと見て見ると、樹原の姿が、そして、黒髪ロングの綺麗な少女と笑いながら話していて、とても仲が良さそうだった。私は、きっとこの子が稔さんだ、そしてこれは稔さんのキオクだと悟った。
他のキオクを、見て見ると稔さんが紙を持って泣いていた、その紙は、”愛してる””君は僕の物だから、他の人に取られないようにずっと見てるから”とか、君の悪い文がつづられていた。電話が鳴る音、インターホンを鳴らす音、稔さんが泣いて怯える声、見ているだけで気分が悪くなってくる物だった…。
ピキッ!
「はっ!」目を覚まし、周りを見た
ベッドの上だった、天井を見上げてぼーっとしていると、「おっおはようさん、ブロッサム、なんで急に倒れたりしたんだ」とサイキッカーの医師、雄・エスカーラがニヤニヤ興味深そうに聞いてくる。
はぁと一つため息をつき、
「たけし、私は、倒れた後どうなったんだ」雄は口をとんがらかしながら、「メガネの青年が抱えてきたから倒れた時の話はしらーん、てか、たけしじゃなくて、ゆーだから!女だから!」と怒っているのも聞かずに、樹原に聞こう…と次のことを考えていた。たけしが自分の名前の由来を語っているのはシカトし、樹原の元へ向かった。樹原は、小学校の教師をやっているらしく、サイキッカーの子供達と一緒にサッカーをして遊んでいた。
火を吹く、0103MFlame通称 焰
自然を自由に操る0821WVerdant通称 蒼
など、普通の子供じゃない子達と普通の子供のように遊んでいた。
「テンバーさぁんホムラがまた火をはいちゃんったぁ」
「あぁ!大丈夫かい?ちょっとオイル飲んできな」と普通ではない会話を普通にしていた、というか、彼がオイルと火を食べることをもう知っていて、理解し、周りの子供達のことも、知っていた。「…すごい。」と思わず、無口な私が言ってしまうほど、仲が良くなっていた。
ホムラが「ブロッサムぅ、テンバーさんってぇすごい人だねぇ。」
「テンバー、ブロッサムのフィアンセ」と、アオイ
「あはは、違うよ。さ…ブロッサムの友達だよ」とにこやかに樹原。
あはは、友達でもない、ただの知り合いだ。
ぱっぱーーーん!
っ!?何事だっ。
振り向くと、がたいのいい男が二人立っていて後ろに銃を上に構えている紳士服の男がいた。
サイキッカーの子供達は、
「デウスだデウスだ」
怯えて今にも泣きそうだった。
樹原が「なんですか?貴方方は?」
私も、足が竦んで動けなかった。