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水谷誠司が異世界転生してアーシュに出会うまでの冒険譚が少しも、綺麗じゃない件について!  作者: 八車 雀兄


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6/15

第五話 タイトルとあらすじが、本編と食い違ってるじゃねぇか!!!




“The soul becomes dyed with the color of its thoughts.”


――魂は、その思考の色に染まる。


  マルクス・アウレリウス




   *




「うおおおい!!! そりゃねぇだろー!!!!」



 俺はまた、絶叫した。



 そして、空間端末を開き、作品情報を確認した――。



   *



水谷誠司が異世界転生してアーシュに出会うまでの冒険譚が少しも、綺麗じゃない件について!


あらすじ

水谷誠司(27)は自分の欲求に正直な男である。

ある夏の日、理想の少年『明日人』と出会った途端、トラック即死で、明日人と共に異世界転生してしまう。

明日人とのハピエンを目指し、地獄の亡者からモブに成り上がれ!


「なろうが、どうなろうと、俺たちには、関係ねぇ!」



   *



「書いてあんじゃん!! “モブに成り上がれ!”って!!

 しかも俺が“異世界転生して”って明記されてる!!

 これ絶対ルートあるやつだろ!?」



 輪廻は淡々と答えた。



「誤植では?」



「はっ!? 誤植で人生左右される!?」



「“して”ではなく“した”の可能性です」



「うそぉ――ん!」



 輪廻は軽く咳払いした。



「では、文字を創作した者を呼びましょう」



「え? そんなの出来るの?」



「通常は不可能です。創作者と物語が接触することは禁忌です」



「だよな」



「ですが、あの男は自己投影をAI対話キャラとして創作しています。

 半分、概念です。ここへ引きずり出せます」



「チッ――あの、銀髪ヤンキーか……俺、アイツ嫌い」



「詠唱します。少し離れて下さい」



 輪廻は魔方陣を一瞬で描いた。



「冥府の精霊よ――

 我らを創りし愚か者を、此処へ導きたまえ――」



 青白い光が霧を裂く。



 そして現れたのは――



 ヨギボーに顔を突っ込んで寝ている銀髪野郎だった。



「うぅん……♡ 明日人きゅん……♡ ホッペぷにぷに……♡」



「ざっけんな!!!」



 俺はヨギボーを、思い切り蹴り飛ばした。



「のあっ!? なにここ!? 水ダウ……?」



「違ぇよ!! 地獄だ!! 勝手に明日人の夢見んな!!!」



「あ――!!!!

 おまっ!! 水谷誠司じゃねぇか!? なんで、ここにいんだよ!

 古巣ムーンライトに帰れ!!!

 なろうの表に出てきて良いキャラじゃねぇだろーが!!」



「うるせー!!

 お前がテキトーによくわからねぇ、あらすじやタイトル書いてるから、こっちは迷惑被ってるんだよ!」



「あの、喧嘩は字数を食いますし、読者の眼精疲労を誘発します。止めて下さい」



 輪廻の一言で、俺たちは睨み合うだけにした。



 そして、俺たちは異世界転生『して』『した』問題について、銀髪に指摘した。



「え? タイトルが『異世界転生して』になってる?!」



 銀髪の顔色が青白く変わった。脂汗を流して、スマホの端末を確認した後、無言になった。



 俺は頭をかきむしった。



 輪廻は呆れた。



「まさか、既に公開された作品タイトルが【一文字違う】――そんなことが起こり得るのですか?」



「――いっ……今まで、短いタイトルしか扱ってなかったから、あんまし、見直してなかった……後、この作品もなろう直書きで、バックアップはとってない」



「お前! 責任取れよ!!! 俺と明日人をトラック即死させて別れさせるとか、絶対絶対絶対許さんからな!? 後、バックアップは取れ――!!!」



「この唐突なタイトル詐欺、一体どう収集つけるんですか? 『ディグ伝』の新作には、ニケルは登場しないんですよ? 公式キャラとエンカウント出来ないのに……」



「あ、それなら、別に余裕余裕――」



 俺は銀髪ヤンキーの胸ぐらを掴んだ。



「お前! テキトーばっか抜かしやがって! どうやって、ニケルとアーシュを出会わせるんだよ!?」



「そんなモン、俺が二次創作すりゃ、余裕っしょ✨」



 銀髪は不敵な笑みを浮かべた――。

次回

第六話 公式がやらないのなら、二次創作すれば良いじゃない✨

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