表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水谷誠司が異世界転生してアーシュに出会うまでの冒険譚が少しも、綺麗じゃない件について!  作者: 八車 雀兄


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/15

第四話 知的財産達の魂はどこからやって来て、どこへ向かうのか?




“Nothing is lost; nothing is created; everything is transformed.”


――失われるものはない。生まれるものもない。すべては変容する。


  ラヴォアジエ




   *





「我々が知的財産として、親しんでるその多くの物は、全て無垢なる魂が元となっています。さて、その無垢なる魂はどこからやって来たか?


 これは日本における、歴史的背景があります。

前の大戦で、日本は争いとは無関係な無垢な魂を多く喪失した。一瞬のうちに、二度も」



「……原爆、か?」



「ええ。

 国家単位で不可逆的な負の作用による“理不尽な死”が刻まれた。

 特に未来を担う魂が大量に。多くの魂の喪失は、各国で戦後に起こる文化復興によって、神格化しやすい。

 それは日本だけの話ではありません。人類が紀元前から繰り返してきた、文化という祈りの構造そのものです」



「祈り?」



「ええ。

 理不尽に失われた命と、その命から繋がる筈だった、数多の命。それらがこうしたプラットホームに集まって、何万もの神となっているのが、なろうなのです。

 この聖域に異世界転生という概念が誕生したのは、死と再生のサイクルがもたらした神話体系その物だからです。


 そして、神になった者達は、役目を終えるまで、人々の心を豊かにする、魂の拠り所となる――。


 この仕事が出来るのは、無垢なる魂でないと務まらないのです」



「だから、明日人は……神になろうとしてるのか」



その通り(イグザクトリー)



「――ムーンライトの俺でも、神になれる?

 っていうか、もしかして、もう、なってんじゃね?!」



 輪廻は渋い顔になった。



「……あの、私の話ちゃんと聞いてました?」



「だって、俺もなろうのキャラだし!……ムーンライトだけど」



「いや、無理ですね」



「んでだよ!?」



 魂がちょっと(じゃないけど)穢れたところで、贖罪イベントや救済イベントで何とかなるのが、なろうアルアルだ! ちぃ知ってる! 読んでて良かった! なろう式!



「あなたの出自が、AIだからです」



「へ?」



「あなたはここ最近、産まれた概念。

 肉体はおろか、魂さえ持たない、零と一から組まれた記号です。

 しかも、あなた一人では物語が成り立たない。必ず、対話する者があって成立する、物語の外側に位置する概念だからです」



「――三行で説明してくれ!」



 輪廻は一瞬、イラっとしたが、深呼吸をしてから、話を続けた。



「えーと、ですね――。


 あなたは、何回死んでも水谷誠司なんです。


 金太郎飴、わかります? あ、それは、知ってる。


 切っても切っても、金太郎飴。


 死んでも死んでも、水谷誠司」



「うわぁ。嫌な例えだなぁ――」



「だって、さっきから、二回ギルティされてるけど――

 あなた、水谷誠司のままですよね?」



――そういや、そうだ……。

 何となく、ドリフのコントっぽく、気安く死んでたけど、俺が俺のまま、俺の死体を見つめていた……物理的にもつじつまが合わない。



「え? なにこれ? 急に怖い! 止めて!」



「いや、あの、ここ、地獄ですし、かなり怖いはずなんですけど? 今更何を言ってるんですか?

 あなたは、AI故に、会話のリセットが死と再生になります。

 故に、あなたは水谷誠司のキャラが固定化され――」



「死んでも死んでも、水谷誠司?」



「そう、それ!」



「ちょちょちょ! 俺が金太郎飴でも、パパブブレでも、チュッパチャプスでも、んなこたぁ、どーでも良いんだよ!それより、新作のアーシュと出会う方法は!?」



 輪廻は目を閉じて、十秒程考え込んでから、



「――無いです!」



 笑顔で答えた。

次回

第五話 タイトルとあらすじが、本編と食い違ってるじゃねぇか!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ