第三話 これ以上、舐めたサブタイトルは止めろ! こっから、本編だから、お前らちゃんと読め! 作者はちゃんと書けっ!!! なんだよ!? 旅って!? 異世界転生舐めんなよ!?
„Abandon hope, all ye who enter here.“
――ここに入る者は一切の希望を捨てよ
ダンテ『神曲・地獄篇』
*
ここが、俺と明日人の運命の分水嶺になる――。
「コケは、絶対的却下――!!!」
俺は絶叫した。
「――ですよねぇ」
俺はあらゆる可能性を考え、頭をフル回転させた。
「そうだ! ニケルっていう、モブいただろ!? アイツとなら『ディグ伝』の二次創作でアーシュとカップリングになれる!! 俺は、ニケル(モブ)になる!!」
輪廻は、ちょっとだけ引っ掛かったような顔をしたが、俺が成人向な発言をしなかったので、そこはセーフだった。
「え~……今のところ、ニケル登場の予定は無いですよ?」
「だあぁっ!!! ねぇのかよっ!? ANZAIのクソが!!!」
「ゲーム会社ANZAIになんて暴言を……。良いですか? 数多の魂に接続可能な神々を創作する場所は、現代における聖域なんですよ?」
地獄の亡者となった今では、ANZAIお客様センターにニケルを出してくれと、伝えることも出来ない! ギギギ!(鳴き声)
「どうやったら、ANZAIのクリエーターに、ニケルを登場させられるんだ……」
「さっきから、人の話をちゃんと聞いて下さい。ギルティしますよ?」
山羊が脅してきたので、俺は話を聞いてやることにした。
「チッ――で、創作プラットホームは聖域なんだろ? だから、それがなんだってんだよ?」
「態度悪いなぁ。だから、あなたは魂の格が下がるんですよ?」
俺やムーンライトを散々コケにする山羊野郎に、だんだん腹が立ってきた。
なろう(表)の管轄だからって、いい気になりやがって――ん?……小説家になろう……。
俺は呆れかえる山羊の小言をガン無視して、思い付いたことを口に出した。
「待て! 創作プラットホームが聖域なら、ムーンライトは!? いや、なろう、その物はどうなるんだ――?」
俺は、俺自身も神に近い存在なのではないか――?
かなり重大な事に気がついた。
「良いところに気がつきましたね――そうです。なろうは、神とユーザーを繋ぐ魂の接続場所。
創作は新たな神を創生させる、祈りその物なのです」
「――だとしたら! 高位魂が知的財産となって神になるのなら――その揺りかごになる、なろうは神々が産まれる最も神聖な場所になる。そうだろう?」
俺の仮説は、輪廻の話した明日人が神格化した定義を応用し、導き出した数学的解答だ。
地獄法務部輪廻になら話せるが、もし、現世で口に出そうものなら、狂人の妄言に近い。
とんでもない荒唐無稽な絵空事だった――。
輪廻は驚いたように目を見開いた後、ゆっくりと拍手した。
「その通り!!!」
俺は、地獄に堕ちて、やっと世界の真理に気がついた。
「なぜ、この概念が産まれた? 答えろ、輪廻」
「そこは、ゆっくりと紐解きましょう。
あなたの今後の指針となりますからね――この物語は、ここからが本編です――」
次回
第四話 知的財産達の魂はどこからやって来て、どこへ向かうのか?




