第ニ話 のんびり大人旅! ラグジュアリー溢れる天界ホテル。老舗の地獄温泉で癒しの思い出。
“The mind is its own place, and in itself
Can make a Heaven of Hell, a Hell of Heaven.”
――心さえあれば、地獄でも天国にできる。
逆に、天国ですら地獄に堕とせる。
ミルトン
*
輪廻は、大きなため息をついて言った。
「それは、無理ですね。そもそも、あなたと明日人様では、魂の格が違い過ぎます」
「魂に格差つける方が、よっぽど品位がないだろう! 平等、公平性を地獄や天上界にも適応させるべき!!」
「うわぁ。一見、聞こえは良いだけの詭弁じゃないですかぁ――そこまで、一つの魂に執着しますか?」
「当たり前だ! 明日人に会いたい! あと、明日人がアーシュとか! 俺の理想や願望、萌えの全てが詰まり過ぎてて、クッソメロい!! プレイ出来ないなら、ゲームの住人になって――アーシュと……」
「おっと、それ以上は古巣に帰ってから、発言してくださいね」
なろう無印の地獄法務部が、コンプライアンスで俺を殴り始めた。
だが、ここで怯んでは、アーシュになる明日人と出会えねぇ――!!!
「ゲーム内へ異世界転生する方法を教えろ。輪廻。俺には、向こうへ行く理由がある」
俺は輪廻に詰めよった。
「何ですか?」
「明日人を守る為だ――!」
「……その必要はありません」
「なんでだ!?」
「知的財産として転生した魂は、肉体の軛から解放され、国境を越え、数多の大衆へ有益なミームとして伝播し、永遠の命を保証されるからです」
「へ?」
「つまり、あなた一人の魂で左右されるような、存在ではなくなります。
存在その物が、作品を通じ、ユーザーの魂へ接続可能な存在となる……難しいですかね? もっと噛み砕いて説明しますか?」
「ゲームキャラその物が……神に近い存在――ってことか……」
「オタクは理解が早くて助かります。
――そう。明日人様は来世、アーシュという神になるのですよ」
明日人が、アーシュになる――。
俺には、絶対に触れられない存在。
でも、アーシュを理想のシンボルとしてきた俺には、その神格化の意味は痛い程理解出来た。
「俺には!? 明日人と同じゲーム世界に転生出来ないのか!?」
「ちょっと待ってください」
輪廻は、空間端末から、膨大な情報を探し始めた。
「あ、ありました! あなたの魂レベルでも、ゲーム内転生出来るポジションが――!」
「俺は、何になれる!?」
「序盤の湖に生える、コケです」
「コケ――――ッ!?」
俺はニワトリのような声を上げた。
次回
第三話 これ以上、舐めたサブタイトルは止めろ! こっから、本編だから、お前らちゃんと読め! 作者はちゃんと書けっ!!! なんだよ!? 旅って!? 異世界転生舐めんなよ!?




