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水谷誠司が異世界転生してアーシュに出会うまでの冒険譚が少しも、綺麗じゃない件について!  作者: 八車 雀兄


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2/15

第一話 不定期更新 オススメ地獄巡りへ行こう! カラダとココロに優しい旅。





 „Die Hölle selbst hat ihre Gesetze.“



――地獄にもまた法がある


 ラテン語格言




   *




 俺、水谷誠司(みずたにせいじ)二十七歳。トラックで即死した。そして、地獄法務部の輪廻(りんね)とか言う、しゃらくせぇ人外イケメンから、ギルティを食らって、即死した。



――地獄で即死!?!? 明日人に会えなくなるじゃねぇか――!!! 作者のバカヤロー!!!



 俺が心で毒づいていると、元の場所に戻ってきた。



 そして、金ダライに潰された俺の体が、何度か点滅して消えた。



 なにこれ? スーファミのゲームみたい――。クソ演出だるっ!



「お帰りなさい。水谷誠司」



 輪廻は、金ダライと紐を消して俺を見つめた。



「――え。あ。お、おぅ……なんか、死んで生き返ったんだけど……なにこれ?」



「令和七年七月七日から施行された、最新式処刑装置です。

 以前は、ブルボン王朝のギロチン式で、ありとあらゆる苦痛を罪人に与えていたのですけどね。

 流血、苦痛、うめき声が、前時代的。痛そう、可哀想、見るに耐えない。

 時代の流れで地獄法務部に多数苦情が寄せられましてね。地獄コンプライアンス会議で、昭和漂流者(ドリフターズ)式が採用されたんです。

 これなら、お茶の間のお母さんもニッコリ。安心安全に死をお届け出来るようになりました」



 わりとつい最近まで、グロい斬首刑だったことに、俺はゾッとした。

 この人外、まともそうにイカれたことを話してやがる。


 って、いうか俺を殺すのに、躊躇いがねぇ。フツーに怖くなってきた。やっぱり、ここは地獄だ。



「前回、レアケースだから、私が来たと申し上げたのを覚えてますか?」



――そんなこと、言ってたっけ? んー。情報量多すぎて覚えてねぇや。



「あ、うん。言ってた!」



 輪廻は無表情のまま、こちらを見つめた。



「嘘をつかないで下さい! ギルティ!!!」



 輪廻が、紐を引っ張ると、また! 金ダライが落ちてきて、俺は死んで――その場で生き返った。



「待て! それやられる度に、俺は俺の無様な死体を見るハメになって、気持ち悪いんだが!」



「言い忘れていましたが、私は地獄の亡者監視員兼、処刑執行人なのです。虚偽(ディセプション)不道徳(イモラリティ)違法行為クリミナル・コンダクト規約違反タームズ・ヴァイオレイションには、有罪(ギルティ)を与えるのが私の任務(デューティー)なのです」



「うっせっ! ルビが長ぇよ! 山羊野郎!」



 これ以上キャラが強いと、俺が負ける! 数学と物理は得意だが、英語は苦手だ! 正直止めてほしい!



「で? 明日人は今、天上で何してんだよ? あく、教えろよ」



「もー。人使いが荒いですねぇ。明日人様なら、転生先が既に決まっております。異世界転生されますよ」



「は?! 俺も異世界転生してぇ! どうすればいいんだよ?」



 輪廻は空間端末をスワイプした。



「明日人様の転生先はここですよ」



 そこには、俺が親の顔よりもよく見た、ゲーム会社『ANZAI』のロゴがデカデカと書かれていた。



 『ディグオンの伝説~Legend of Diggon~』



 へ!? 毎回新作が出る度に死ぬ程やり込んでるゲームコンテンツじゃねぇか!!



「明日人様は、来世こちらの主人公アーシュに転生されます」



―― マ ジ か よ ! ?



 明日人がアーシュ!?!? それは……ドチャシ――。



「おっと、それ以上はギルティですよ? 未成年を性的対象と見なした瞬間、即死刑ですからね?」



「うっせ! 俺のアーシュに、明日人がなるとか!! 神展開過ぎるだろ!! あー。早く発売しねぇかなー」



「いや、あなた、死んでるでしょ?」



――ハッ!! 俺、プレイ出来んのか!?



「そうです。異世界転生する明日人様のご活躍を、ここでSTAYして指でも咥えててください」



「いやだ――――

!!!!!!(汚い声で絶叫)」



「厭だなぁ。これだから、発狂するオタクは……」



「うるせぇ!!! おい、山羊!! 今すぐ俺を天上界に連れていけ!!! 俺も明日人と同じゲームのキャラになって、エンカウントしてぇ!!!」

次回

第ニ話 のんびり大人旅! ラグジュアリー溢れる天界ホテル。老舗の地獄温泉で癒しの思い出。

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