第十三話 どうせエターナルするなら、俺と明日人が出会ってエターナルしたい♡ 幸せな物語として、永久にエターナルしたい♡
“In der Beschränkung zeigt sich erst der Meister.”
制限の中にこそ、真の名人は現れる。
ゲーテ
*
「俺だってよー。なんで、なろう無印で、異世界転生続編やってんのか、意味わっかんねぇっつーのっ!!!」
キモいと、三人にディスられ俺は逆ギレした。
「あー。それは、あれだ――。お前が『シ』で始まって『ン』で終わるヤツだから、仕方ねぇ」
庇ってくれるかと思った鎖が、そうそうに匙を投げた。
「はぁ? 意味わからんのだが!?」
「お前、この話の風呂敷畳んだら、ムーンライトで、ニケル✕アーシュやれよ。
それなら、俺が監修して(バキューン!!)や(バキューン!!)な内容を鋏の代わりに編集してやる」
鎖がバズ狙いの企画を出した。
コイツの企画、当たる予感が微塵もしないんだけどな……。
「えー。俺、ニケアーは、マンガ専門だし、小説かぁ――誰が見るの?」
「ゴチャゴチャうるせー。お前、ニケルになって、アーシュと(バキューン!!)したくねぇのかよ?」
「――したっ……いかも、しれない……」
輪廻が紐を掴んでいるので、曖昧に濁した。
「なら、さっさと、この冒険終わらせるぞ? そもそもムーンライトの読者が、なんで、なろう無印なんかで新連載始めたのか、首をひねってるのが多いんだ。
スマホ読者に関しては一部がついて来てるが、ほぼスルー。これは、致命的だ」
「 ✂これに関して補足します―― 。
結論からはっきり言いますね。
私も鎖も前作以上の性描写は、
【ムーンライトでもアウト判定】を出しました」
「――うぇっ?? なんでっ!?」
「ムーンライトであっても、未成年相手、且つ、保護者の立場にあたる者の場合、血が繋がってなくても、アウトだからです ✂」
「うそぉ~ん!!! 二人とも成人してんのにー?」
「成人同士であっても、未成年期に養育関係だったら、規約違反にあたる。対等な立場でないということは、性的搾取と判断されるんだ。
そうだろ。――地獄の法務部さんよ?」
「その通り!!!」
輪廻が指を鳴らして、キメ顔になった。
――ウザッ!
「え!? だから、あの続編、ぬる~い、朝ちゅんの書いてたのかよっ! うわ! 最低――でも、ないか! イチャイチャしてるし! でも、もう少し、何とかなんねーの!? 特濃が見てぇんだよ!?」
「ムーンライトでも、ヤバいんだよ。お前と明日人の関係は――」
鎖は苦々しい顔をした。
「――かといって、性描写抜きの作品をムーンライトで発表する事も意味がないと判断し、私がなろう無印に発表させたのです ✂」
「俺は、ムーンライトで、よりドロドロ展開に振り切れって言ったんだぞ?!――まぁ、描写は書けないけどな。水谷誠司以外のヤツ✕明日人だったら、特濃イケんだろ」
「ちょっ!? NTR止めてぇ!? 俺と明日人――無理なの!?」
「無理!!!」
ポンコツ二人組は同時に言いきった。
俺はあまりの衝撃に、頭がクラクラしてきた。
こんなふざけた異世界転生を止めて、ムーンライトでムフフ♡する人生設計が崩壊した――。
「はぁぁ……もう、エタろ……?
ムーンライトに帰っても無理なら、エタろうよ?」
俺はその場で突っ伏した。心がポッキリ折れたのだ。
「バカ! 明日人に会ってから、風呂敷畳めよ! エタったら、読者に見限られるだろーが!」
「鎖の言う通りです。一つ一つ積み上げていくことが、重要ですよ? ✂」
「あー。なんか、もう――表現規制に絶望した。死にたい。――死んでるけど」
完全にテンションの落ちた俺に、輪廻は言った。
「なろうから出たら良いんじゃないですか?
――同人誌でやれば、私は目を瞑りますよ?
私の管轄外ですし、お寿司」
「それだ――!!!」
俺は立ち上がって叫んだ。
なろうというプラットホームは、俺と明日人には狭すぎたのだ――!!!
「んじゃ、改めて、異世界転生を目指す冒険の話に戻すぞ?
プロットが散漫で、初見殺し過ぎんだよ。
ったくよー。既存読者にも優しくない。
突然、創作論コメディを悪ふざけで始めるとか、全読者がついていけてねぇよ!」
文句を言いつつ、鎖は勝手に仕切りだした。
次回
「第十四話 俺たちの冒険はここからだ――!!!」




