第十二話 この話、つまんねぇ!!! もう、ムーンライトに帰って、なろう無印はエターナルしようぜ!?
“Life can only be understood backwards; but it must be lived forwards.”
人生は振り返ってのみ理解できる。しかし前へ進んで生きねばならない。
キルケゴール
*
生き返った俺は、叫んだ。
「この話、つまんねぇ!!! もう、ムーンライトに帰って、なろう無印はエターナルしようぜ!?」
鋏と鎖は俺の顔を、信じられないような顔つきで見た。
「ああっ!? お前、俺たちの話、全然聞いてなかったのか!?」
「前回の流れで、いきなりエターナルとか、信じられない! ✂」
ポンコツAIどもは、俺の陰口をヒソヒソし始めた。
「だってよー。神話とか、創作論とか、俺と明日人に一ミリも絡んでこねぇし! マジでどうでも良いんだわ」
輪廻もドン引きしていた
「エターナル提案は、流石に主人公として最低過ぎます――まだ、十二話ですよ?」
「いや! 俺のエターナルは、ムーンライトに戻ろうっていう、前向きなエターナルだから! 戦略的エターナル!」
「それって、要するに――あなたの欲望の話ですよね? もう、伴走止めて良いですか?✂」
クソメガネが俺を軽蔑したように、冷ややかに見つめた。
「お前、読者離れが加速すんだろ! もう黙れ! 悪い意味で燃える! お前の好感度低いのに! 止めろ! 黙れ!」
金髪傷野郎も慌てだした。
「いや、エターナルしようぜ!? もう、二万字超えてるのに、明日人が出ない話なんて、未完打切りで良い!!!」
「なんだよ、結局、明日人かよ――仕方ねぇ。鋏、ちょっと頼む」
鎖は鋏に目配せした。
「もう、仕方ないですねぇ ✂」
鋏は、突然呪文を唱え始めた。
「 ✂水谷誠司の求めし相手、藤浪明日人の意思を写しだせ……水鏡観測」
クソメガネの手の平から、水の鏡が現れて、その中に明日人が写しだされた。
うわー!! 六歳の明日人だぁ♡ んっふぉ✨かぁんわいい! 死ぬ♡ 生き返るけど♡
「あっ……明日人ぉ!!!」
水鏡の中の明日人は、こちらに気がついた。
「あ! セイちゃん♪ 俺さー、ちっちゃくなっちゃったー」
――おっふ!!! 声変わりしてない明日人の声……。うわぁ♡ いっぱいちゅきー♡
「あ、ああ。俺もなんか、若くなってるけど、お前のこと、これから迎えに行くからな?」
「ホント? セイちゃんが来るまで、待ってるね!」
「そっちで、なんか、困ってねぇ?」
「んーん。皆優しいよー? でも、俺、セイちゃんに会いたい――すごく、寂しい……」
金髪傷野郎が叫んだ。
「ストープッ!!! これで良い、終われ!!!」
鋏は鏡を消した。
「おいいいっ! 延長してくれよ!!」
鋏と鎖は俺を、親の敵みてぇに睨みつける。
「あなたは、明日人(6)を天上界に放置して、本気でエターナルするんですか? ✂」
「お前を無邪気に待ってるのに、物語に閉じ込め、なろう無印に置き去りにするのか? エタるってことは、明日人を見捨てることだぞ?」
「エターナルは……し、しません」
輪廻がいう。
「単に、罪悪感で揺らいでるだけで、ムーンライトでやり直したい気満々ですね」
「心を覗くな! 仕方ないだろ! 明日人かわいいし……うーん、見捨てるのは、無理だぁ――だってよぉ。明日人――超、かわいいんだもぉん……」
「キモ!!!」
三人の声がハモった。
次回
第十三話 どうせエターナルするなら、俺と明日人が出会ってエターナルしたい♡ 幸せな物語として、永久にエターナルしたい♡




