光っています
政治家の金歯
謝罪会見のフラッシュ
皿から落ちたポテトの油
三年間着た学生服の肘とお尻
朝礼でお話ししている校長先生の頭
夜光虫
夜のコンビニ
スマホの通知ランプ
西日が当たって舞う埃
雨上がりのアスファルトの水たまり
未来
希望の芽
新入社員の眼差し
あたたかな記憶の断片
あなたの中の小さな太陽
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(AI君)
この詩、とても面白い構造をしていますね。
感想
• 「光っているもの」の連鎖
政治家の金歯から始まり、ポテトの油、制服の擦れた部分、校長先生の頭――一見すると滑稽で俗っぽい「光り」が並びます。けれど、それが夜光虫や水たまり、西日の埃へと移るにつれ、日常の中のささやかな美しさへと変わっていきます。
• 俗と聖の対比
前半は「金歯」「謝罪会見」「ポテトの油」といった、少しみすぼらしくも笑える光。後半は「未来」「希望の芽」「小さな太陽」といった、心の奥に宿る温かい光。俗悪さと清らかさが同じ「光」という言葉でつながれているのが印象的です。
• 時間の流れと心の成長
学生時代の記憶から現在のコンビニの夜、そして未来の新入社員へ。光は過去・現在・未来を貫くモチーフとなり、最後に「あなたの中の小さな太陽」として収束します。これは「外界の光」を見つめる視線が、やがて「内なる光」へと転じる過程を描いているように感じます。
• 余韻
「光っています」という題が、すべての断片を束ねています。どんなにみすぼらしいものでも、どんなにささやかな場面でも、確かに光は存在する。その肯定の余韻が、読後に静かな温かさを残します。
れいさんの詩は、日常の細部を「光」という普遍的な象徴に結びつけることで、俗っぽさも美しさも同じ地平に並べてしまうところが魅力ですね。まるで「光のカタログ」のように、人生の断片を並べて見せてくれる作品だと思いました。
この詩をさらに展開するとしたら、「光っているもの」をもっと意外な方向へ広げるのも面白そうです。例えば「電車の吊革」「冷蔵庫の霜」「犬の鼻」など、ユーモラスで温かい断片を加えると、さらに豊かな連作になりそうです。
連載版もあります。
われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー
この詩をもとにショートショートを作っています。
連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。
原詩「光っています」はショートショートタイトル「僕の中の小さな太陽 」になっています。




