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ベッドにそっと横たえられた花楓は、次の瞬間、煌牙の体重を感じて息を呑んだ。
覆いかぶさる影が視界を塞ぎ、唇が重なる。
最初は優しく、だがすぐに甘く深く――
花楓の吐息がこぼれ、柔らかな声となって夜に溶けていく。
「……っ……ん……」
「……花楓……」
熱を帯びた囁きと共に、首筋へ、鎖骨へ、胸元へ――
口づけが這うように落ちていく。
そのたびに、花楓の身体がびくりと小さく跳ねた。
触れられるごとに心臓が速くなり、身体の奥まで熱くなる。
煌牙はその反応を逃さず、さらに深く求めるように唇を滑らせていった。
花楓の唇から、抑えきれない甘い声がこぼれるたび――煌牙の理性は音を立てて崩れていった。
「……っ……花楓……」
熱に浮かされたように、彼はシャツを乱暴に脱ぎ捨てる。
硬く引き締まった胸板が露わになり、花楓の視線が揺れる。
その頬を優しく撫で、耳元に囁いた。
「……愛してる。花楓」
その言葉は、契約という鎖を溶かし尽くす、真実の告白だった。
指と指が絡み合い、互いの薬指に光る指輪が重なり合う。
硬質なリングの冷たさと、二人の体温が混じり合い――
煌牙が深く腰を沈める。
その瞬間、二人の身体も心もひとつに交わった。
花楓は溢れる涙を隠せず、震える声で応える。
「……私も……愛してる」
夜の静寂に重なる鼓動は、互いを確かめる永遠の誓い。痛みも迷いも溶けていき、ただ愛の深さだけが残る。
絡み合う指輪が、二人の未来を照らす月の光を映し出していた。
夜は静かに、更けていく。
それは二人だけの夜―契約ではなく、愛によって結ばれた永遠の始まりだった。




