第八羽
ボフッ!
バコドカバリーン!!
(こーか音だよ。)
実希が落ちたのは幸いにも洗濯物の上。
物干し竿の破壊音がしたが、実希は全く気にしていない。
一軒家の大き目の家で、実希が突っ込んだ洗濯物は、薔薇が咲き乱れる広い庭に干してあったものだ。
「ふう……命はたすかったぁ~。」
自分がヤキトリにされそうになった事を思い出していると、不意に足音が近づいてきた。
カツ カツ カツ ・・・
シーツに埋もれている実希はハッと気づいた。
「に、ニワトリにならなきゃ!!」
実希はニワトリになろうとしたが、空を飛んで体力を使ってしまった為、うまくなれない。
(も、もうだめだ……。 まぁ、ヤキトリにされなかっただけいいか。)
ポジティブになった実希はヤキトリについて考え始めた。
(ヤキトリだったら……つくねが好きだなぁ~☆)
その時!
実希はなんとヤキトリ(つくね)になっていた。
実希はヤキトリになったことなど全く気付かない。
カツ カツ カツ カツ ・・・ ピタッ。
「What' happend?!」
どうやら外人らしい女性だった。
女性は壊れていない物干し竿に、下に落ちてしまったタオル、衣類、布団、シーツをかけると、足早に去っていってしまった。
(よ、良かった……。 さぁ、さっさとここから逃げなきゃ!)
そう思ってたとうとしたがヤキトリだからたつこともできない。
「えっ?? 足、くじいたかな?」
作 M・N