第三羽
―――金もなく、何もかもが嫌になった実希は、いっそ車に引かれようと道のど真ん中に豪快に寝そべる。
そこへ偶然お金持ちの車が通りかかり、どういう訳か、実希を引き取ることになる。
あぁ、なんて幸せなんだろう。
そこから実希の幸せな生活が始まる―――
「ってなワケないかぁー。」
実希は独り言を呟き、ひとつ、ため息をつく。
今いるのは暗い路地。
一人静かに歩いている。
「動くなっ。」
いきなり低い声がした。
背後からだ。
その声とともに、実希は首にナイフを押し付けられる。
「―――っっ!!?」
実希は驚いて声も出なかった。
が、すぐに冷静さを取り戻す。
「何のようだ。」
実希が問うと、相手は「くっくっ。」と笑った。
「お前を売って、ひと稼ぎするのさ。
きっと、おいしいヤキトリに焼きあがるだろう。」
「………!!!」
実希の額に青筋が浮き上がる。
実希は、その手に持っていた包丁で、相手を刺す。
バタッ。
相手が倒れこむ。
その音と共に、実希は相手の顔を覗き込むと。
「―――!?」
なんと、そこにいたのは幼馴染の友達だった。
実希の首に押し付けていたのはナイフとばかり思っていたが、ただのおもちゃだった。
「あ……。」
―――どうしよう。 また殺しちゃった。
実希は最初こそ深く後悔していたが、時がたつにつれてどうでも良くなってしまった。
「ま、イーよね。 うん。 それより、なんか食べたいなー。」
そう言って、実希は友の死体を放り出して、また歩きだした。
作 前半 O・M
後半 M・Y
この章では、なんか文がおかしかったりしますが、笑い飛ばしてやってください。
これからも、変なところはいくつかありますが、それも、故意なので、笑い飛ばしてやっていただけるとうれしいです。