第十七羽
だんだん色々考えるのがめんどーになってきた実希は、家をでて、外をぶらぶら散歩してみた。
「あー、沖縄いきてぇー。」
そう思った実希は、本屋にはいって『沖縄観光Book』という本を眺めていた。
「あー、海ー、シーサー、サーターアンダギー………」
だんだん沖縄に行きたいという願望は強くなっていく。
とうとう我慢できなくなった実希は、沖縄に行くことを決意する。
しかし、実希はお金がなかった。
仕方ないので三日かけて、徒歩で空港に行くことにした。
無謀である。
それは実希も十分分かっていたがやってみるしか他にないので、やってみることにした。
次の日、朝5:00に家を出発した。
地図もないので女の勘でずんずん前へ進んでいった。
とにかく、歩いて歩いて歩きまくった。
夜になった。
家から持ってきたサバイバル用のテントを道に作って、そこで寝ることにした。
したがごつごつしていてなんとも寝にくいが、実希は根性でしっかり10時間睡眠した。
歩いて二日目。
実希の足はもうがたがただった。
筋肉痛どころではなかった。
しかし、実希はあきらめずに歩いた。
沖縄に行くために歩いた。
そこら辺に落ちていた木の棒を杖代わりにして、よたよた、よたよたと老人のように歩いた。
実希はふと思った。
「またニワトリになってあの日のように飛べばいいじゃないかっ!」
そして、実希はニワトリになろうとニワトリのことを考えて考えて考えた。
しかし、極度に疲れているのかニワトリに変身するのは無理だった。
実希はショックだった。
コーユー時のためのニワトリじゃないのか……。
実希はもうポジティブに考える余裕などなかった。
作 O・M