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実希story  作者: M3O
15/24

第十五羽

「脱出するか…。」


しかし、背が低い実希は、ドアの上の方のロックを解除できない。


(えぇ…!? 一難去ってまた一難ってこういうこと……?)


どうしようもない実希は、一度家の中にはいっていくことにした。


とってもひろーい家出、今、実希がいるのはボイラー室。


旧式の家なのでボイラー室があるのだ。


(な、なんじゃーここ?? 【火気厳禁】って書いてあるし、こわっ!)


そこらじゅうの引き出しを開けて楽しんでいると、大きな|(庭)バサミがでてきた。


重いのだが、興味を持ったので持ち上げてみた。


(おぉー、カッケェ ハサミ☆)


切れ味を確かめるべく、そこを通っていた管を切ってみた。


スパン、といい音がして切れた。


だが………。


管から流れ出てきたのは蒸気と変な液体。


能天気な実希もさすがに慌てた。


(う、わわわ~!!? うぇっ、気持ち悪い!!)


ドロドロドロドロ………………


液体は止まることなく流れ出す。


わたわたしつつも、部屋にあったダンボールに乗ってじーっとしていると…。


玄関のチャイムがけたたましくなった。


パタパタと、2階から降りてくるスリッパの音がした。


そこで、実希はこの家に人がいたことを知った。


外から声がした。


『セコムのものです。 お宅から自動通報があったので………』


『えっ? そんな、そんなことありませんけど…?』


『一応確認させていただいてもよろしいですか?』


『え、えぇ。 どうぞ。 散らかっていますけど。』


奥さんらしい声がする。


(フンッ。 散らかってなんかいないくせに。)


実希は自分の小汚い部屋を思い出した。


親の顔も、友達のことも。


なんだか、少し寂しくなってきてしまった。

作 M・N

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