第十四羽
実希は焦ってこう答えた。
「ホルマリン漬けにしていいので助けてください。」
すると守屋ツナミはあっさりと
「いいよ。 じゃあ、早速やろうか。」
と、了承した。
実希は
「あぁ、いいんだ。 まー、いいや。 えら呼吸できるし。」
と思った。
守屋ツナミは
「これは面白いものができたぞ。」
と、オークションで実希のホルマリン漬けを売り飛ばした。
しかし、ホルマリンの中の実希はえら呼吸をして生き延びていたのである。
実希のホルマリン漬けを買ったのは、森川よし男という27才のサラリーマンであった。
しかし、普通のサラリーマンではなく、超一流企業のサラリーマンであった。
そのため、森川よし男はお金持ちだった。
実希のホルマリン漬けは森川よし男のひろーい家の玄関に置かれた。
実希は
「よし、こいつが仕事に言っている間に逃げ出してやろう。」
としめしめ考えていた。
翌日、森川よし男が仕事に行ったのを見送ると、実希は動き始めた。
まずは、ビンの中から脱出しようとふたを開けようとしたが………。
「あかない…………………。 うそやーん!!」
ビンのふたが開かないことに気付いた!!
実希は考えて考えて考えた結果
「よし、ビンを割ろう。」
そう思い立って、体を大きく動かした。
―――パリーン
ビンは地面に落ちて割れ、実希はビンからの脱出に成功した。
「ふう。 これで口から呼吸ができる。」
作 O・M