第十三羽
・・・しかし不思議なことに、ホルマリン漬けが見当たらない。
するとホルマリンは「ミキ!! ココへスワッテ~。」と椅子を差し出した。
実希はあっさりとその椅子に座る。
実希は、ホルマリンが知らないはずの自分の名を呼んでいたことに、全く気付かなかったのだ。
「オホン… さて…と♪ ……改めまして、こんにちは!
指名手配中の連続殺人犯…… 太田実希さん♪」
「!!??!」
実希は気を失いそうになった。
実希の頭は「!?」だらけになり、今起きたことを理解するのにとても時間がかかった。
「オオタサ~ン♪♪(笑) なんちゃって…。 私は殺人捜査班隊長の守屋ツナミ。
ちなみにハーフよ! 今から実希ちゃんにはもう一度牢獄へいってもらいま~す☆」
なぜだかすごく楽しそうなホルマリ………、守屋ツナミ。
「!?」
実希はヤバイヤバイと、とっさに出口から逃げようとした。
が、ドアが開かない……… (汗
そこで!!!
実希は頑張って事情を説明してみた。
そして10分後......
「ほー。 つまりあなたは父親に殺されかけて父親を殺してしまったと。
正当防衛を訴えるわけね。」
「し、信じてくれますか!!?」
「うん。 まぁ、今からあなたの家に捜査隊を向かわせてみるけどね。 一緒に生活した仲だし!
信じましょー!!」
「やった!!」
実希は大喜びで飛び跳ねていた。
が、それもつかの間。
「け・ど!! その後の殺人は? どうしてかしら? また正当防衛? そんなはずないわよね。」
「うっ………。」
実希は言葉に詰まる。
「一体いくつの命が失われてしまったと思っているの……? さあ!!
どうなのよ!!?」
作 M・S