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肯定の安売り

 何故だ

「へぇ、そうなんだ」


 幾度同じ話をしては初見の反応を示す君に

 もう飽き飽きだ


 二度三度も


「へぇ、そうなんだ」


 他になにかないのかい?


 それ以前に

 二度三度の時に君から既聞の意思さえも

 受け取れなかった


 君、僕は君を馬鹿にするべきなのか?


 けれども


 その台詞のあとに

 君はすっと顔を真っ直ぐ見て

 瞳に芯が通ることに


 僕は気付いていたから


 真に馬鹿にする僕が愚かになってしまうようで


 不思議な感覚にさせる君


 この感覚は永久に理解出来なくていいけれど




 どうやら僕は

 奇妙な迷路にはまってしまったらしい




 僕は再び君の瞳に見入る




  /そうね 肯定はひとを平安にもたらす最上級


   他人が気持ち良く語るその話に

   釘さしたり、否定したり

   そんなことしてしまっては


   誰かの気分を害してしまうから


   過去がわたしにそれをさせる


   「へぇ、そうなんだ」


   けれど


   無料でこんなサービスをするにも赤字が続くから


   いつしか試験の一環として位置付けてみたの


   あなたはここであぐらをかく程度の人間か



   わたしが関わるべきひとなのかを視る為に

   幾度も試行錯誤


   その度に他人はラインを引いて関わるべきだ、と

   思い知らされ



   わたしは此処に立つ



   けれど


   あなた不思議なの


   試験後のあなたの瞳が揺れていて

   わたしさえも迷い込む



   こんなの初めてよ



   なんだか


   あなた 面白そう


   わたしが人間というものを綴った繰り返しのページに


   新しい章が


   加わる予感




   あなたの視線には気付いていたけど

   わたしはみてあげない


   けれど 一度だけ

   ちら見して




   瞳を合わせて、




   くす







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