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覚悟と精神と頭脳  作者: ていきょー
6/11

005、プレゼン1

5/3 17:30-18:50 MHC応接室


向こうで大変な事になっている最中、

専務がちょっと遅くなるので待つようにと、なんとも居心地のいい客室に案内された本社凸組の4人。

コーヒーやお菓子があり、大きなソファが置いてある。しばしくつろぎの時間。

1時間くらいたっただろうか?


れみは戦争ゲーをしながら考えていた。

(はぁ、若様ー待っててね・・・素敵なプレゼント、

きっとしますからね!ふふふふふふふふふ)


zipにゃんとたまぴょんは2人ソファで向き合い、何やら話し込んでいる。

「─でね、これが防衛、これが攻撃。わかり易いと思うんですけどどうですか?」

「すごーい!その組み替えは分かりやすいね。もう覚えた。こっちはどうかな・・・」


・・・


ヵキーーーーーーーーーン!!!


・・・・・・・



「ふん。まーた無駄銭使っちまった!」

Mravinskyは課金している。



「それにしても遅いな。大学行った四人。」


「スマホあるので平気じゃないですか?


・・・あ、小島さんがDiscordになんか上げてくれてるー。動画ですね。

『大学の様子』 って書いてあります。なんですかね?」


zipにゃんはそのまま、動画を再生した。Mravinskyも横からスマホをのぞき込む。


「なんだこれは。どういう事だ?」


動画ではガラスの箱で人が蠢いてる映像が映し出されている。


「なんでしょうね。これは・・・・・・。最初は光るうねうね?みたいなのも映ってました。宗教施設かも?」


たまぴょんも近寄る。


「これは、大学の授業か何かかな?」


「・・・なにかヴァルさんが見つけたと言ってたが。本当に奇妙だな。」


そんな中、私はそれどころではなかった。


(ハァハァ…

若様ぁあああなんでこのタイミングでそんな優しいお言葉を!!

癒されすぎて死ぬもー死ぬーー)


《どかっ!》

「Wow! Wait! Who are you――」

「大変なんだ!ほらこれ!みんなどこ?」


《ドタドタっ!》

「Oh!aks2! Calm down Please…!」


あ、ヴァルさんの声だ。なにやら騒がしい。

皆夢から覚めたかのように扉の方に目を向ける。

相当慌てふためいてるなぁ。


《ばーん!》

扉が開き、真っ青な顔で汗だくのヴァルさんが躍り出てきた。


「大変なんです!天天さんたち襲われてます!宇宙人に!」


あれ?いつものグッ!が無い。

こりゃよっぽどだ。

宇宙人?何を言っている?


リーダーは落ち着いた表情でヴァルキリーの方へ歩み寄る。


「それじゃわからないよ。状況を教えて?」


「施設に4人で忍び込んで、見たこともないような機械とかみていたら、

突然白い繋ぎを着た男がフッと現れて!!!」


その時だ。

背後からフッと白い物体が現れた。


「はっはっはー待たせたね!aks2のみんな!」


「うわぁぁぁ!またでたー!!」


「!!!!!!」


ヴァルキリーは飛び上がったあと、尻もちをついた。

冷や汗の量がとてつもない。完全におびえているのがわかる。


一同は目を白黒させながら、そちらを凝視する。

扉のない方向に白い物体がうねっている。


やがてスーツを着た、

セフィロスのように長身で、髭の似合う

白人中年ダンディー男性に形を変えた。


「私はJames。よく来たね、遠くはるばるサンフランシスコまで。」


一同愕然としながら硬直している。


「あれ?翻訳機能動いてるこれ?カチャカチャ」


Jamesは何やら独り言をブツブツと話しているように見える。

目の前に何か機械が並べてあるかのようにJamesの目線が動き、

空中で手をあれこれ動かすような仕草だ。


なになになに??もーわかんないー!

パニックだー!


またも落ちつきを取り戻した表情で

Mravinskyが場の空気を鎮める。


「大丈夫です。ちゃんと聞こえてます。みんな驚いてるだけです。」


「Oh!そうだったか。もうこの仕組みが当たり前すぎてね。

これは失礼した。特にレディ達。驚かせてすまなかったね。」


「あれ?この人はちゃんと喋る!」


ヴァルキリーはやっと安堵の表情を取り戻した。

zipにゃんは見たことも無いこの出来事がなんなのか、興味津々だった。


「ええ!なにこれ!どうなってるのー?すごい!」


「そうだろう。まだこの技術はカリフォルニア州のごくごく関係者以外にしか出まわっていないからな。

これは量子力学の応用で、QRという。」


zipにゃんの目がさらに輝きを増す。


「あなたの実態はここには居らず、これは立体映像ということですね。

でもそれだと何か量子を飛ばす放射機が無いと映し出せませんよね?」


Jamesは目を見開いた。


「おお!よく分かったな。察しがいい。

最近映画でもよくある3D映像みたいなものと思っていい。


──だが驚くのは早いよ。その量子力学の応用をも、さらに応用された技術が

実は古代より地球にはあってね。公にはなってはいないが…『ある生物』から恩恵を受けている。

この姿はそれらが人類に与えた恩恵だ。ある条件と引き換えに。

放射機や半導体は要らないんだ。


2016年、スタンフォード大学での研究で明らかになった。」


ごくり。

何を分からないことを言っている?生物?怖い。

James?ガチか?ゲームの話か?


「まずこの研究はこの世が仮想世界であることが証明された所から始まった。何者かがこの世界を産んだんだ。

応用している生物達は、実はもう今君たちの目の前にいるのだが…

分からないと思うので、その前に」


部屋が暗くなった。


唐突に始まる何かを察したヴァルキリーが止めに入った。


「ちょっとまったー!

あの、仲間が大変なんです!

あなたに似た人があっちのスタンフォードメディカルなんとかって建物で、仲間を襲っている!」


「Oh!それはおそらく我が社のAIロボさ。私と同じようにQRで描画された、映像だよ。

君は上手く逃げたした男性だね。驚かせてしまって済まない。

でも安心してくれ。3人は保護しているよ。


関係者以外は立ち入られるとちょっとおおごとになるからね。監視を置いているんだ。

aks2とかっこいいユニフォームだったのですぐに安全だと分かったよ。


でも混乱して暴れられないように、念の為に眠ってもらったんだ。彼らの安全は保障する。

あそこは普段は大学の医療研究をしているけど────」


「…そ、そうだったんですか…ほっ、良かった・・・・うううう」


「はっはっは!優しい男だな。それと、足も早そうだ。優しさや足の速さはとても重要な要素だよ。大事になさい。」


本当に怖かったんだなぁ。大の大人が泣いちゃったよ。でもよかった。少し安心した。


ドキドキ。。

Jamesは暗闇の中で光を放ちながら話を続ける。


「施設の話はまた後で詳しくするとして…全然脈絡のない話をするようだが」


立体映像がその場に映し出された。


「人類や生物は遺伝子という設計図を等しく持っててね。


脳があって、神経が組織と組織を繋ぎ、その神経という内部バスを

シナプスという物質が高速で流れて制御するように設計されているのは知ってるかい?


進化の過程でその設計図が変化してゆくこと自体、まず可能性の低いことなんだ。


これは昔から疑問視されてきた点だ。

何がきっかけで突然変異するのかは解明されていない。


チミン、アデニン、グアニン、シトシン。人間の場合これらが120億の配列を成し、

一つ一つの細胞の核に刻まれている。


この遺伝子という存在が発見されてから100年ほど経つが、

実は、特定の設計部分は交配により変化するけど、基本的な体を組織を構成する範囲には当初から

なんと100%配列が変わっていないんだよ。


障害を持った一部の方々を除いてね。。。


どの生物も等しく、交配ではその肉体的な構成部分は

配列を変えないことが分かっている。まだ、公にはなっていないけどね。


これが意味することが分かるかな?


つまりこの仮想世界の証明は、進化論が間違いだったという仮説をさらに裏付けるものになった。」


・・・


えっ なになに?ちょっとちょっと!

ついていけないんですけどー!zipにゃん助けてぇ!


願いが届いたかのように、一同の沈黙を破ってzipは質問に乗り出す。


「進化論が誤りなのかもしれないのは分かりました。

でもこの世が仮想世界という話とは別。それもそうかもしれないという仮説です。

何故そう言えるんですか?」


zipにゃんかっこいー!!


「いい質問だ。私も初めは信じられなかった。

しかしその疑いが反動となって、君はとてもいい研究者になれると思うよ。

解き明かしたいと欲するなら、ぜひ我々のクルー入らないか?わっはっは!


君のような逸材を逃さぬよう、話をわかりやすくするために動画をつくった。

大まかな所は動画を見てほしい。これが仮想世界と言わざるを得ない証明の序章、概要だ。

これを観てもらった後に『ある生物』の話をしたいと思う。これで多少は納得してもらえることだろう。体感してもらわなければまだ確信してもらえないかもしれないが。


ちゃんと、日本人にオファーをとって作ってもらった分かりやすく日本語になってるよ。」


https://youtu.be/nv7WQqJLru0


そう言うとJamesは音もなく姿を消した。


ソワソワ

なんだかよく分からないけど、この歓迎はとてもドキドキする・・・!


・・・・・


急にYoutubeの映像が真っ白な壁に映し出された。


あ、これ見た事ある。

YouTubeの訳分からん動画のやつだ。


二重なんたら実験だっけ・・・イーロンマスクさんがどーのこーの。

小島が以前紹介してくれたっけ。

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