表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いごぶっ!  作者: フミ-毛交
初年度 五月
27/47

第26章 球技大会当日の部活動に於いて

朝六時。僕は此の日もスマホの目覚ましに起こされ、眠い目を擦り乍らスマホの画面を見てみると、稲田からのチャット連絡が入って居た。何でも、此の日の昼休みはクラスぐるみで練習をせねばならず忙しい為、部の特別延刻の申請を取っておいて欲しいと云う事なのだ。

...と、云われても読者の皆様には僕が何をせねばならなくなったのか分からないであろうから、説明する必要が在るであろう。我が校での部活動は、基本的には午後五時までと規定されて居る。然し、此れを延長する手立てが二段階用意されて居るのだ。一つ目は、「延刻」だ。此れは、事務室横に在るホワイトボードに、脇に積まれた部活名の書かれた磁石を昼休みまでに貼り付ける事で、六時までの時刻延長が認められる。これだけならば見ての通り、非常に簡単な手続きで済む。だが、六時よりも遅くまで活動したい場合は少々手間が掛かって仕舞う。先述したホワイトボードに、磁石と共に、「特別延刻届」なる物を貼る必要が出て来るのだ。但し、届と云っても、携帯塵紙くらいの大きさで記入事項も少なく、記入自体には其処迄の手間は取らない。問題は、此の届けに顧問印が必要であると云う事だ。此れでも生活指導の印が不要になった分楽になったらしいが、とにかく面倒である。其の上、顧問印が必要と云う事は即ち顧問の付添が必要と云う事になる。とは云え、実際部室に来るのは終了確認位で活動時間は校内に顧問が居れば特に問題無いのだが、少なくとも顧問が校内に残る必要が在る。まあ囲碁部は旧校舎に部室を構えて居る為、六時に日直の先生が帰って仕舞うと、顧問が残って居なければ旧校舎を施錠する人が居なくなると云う事情も有る訳だが。兎に角先生を残らせて仕舞う事になるので、一部の先生は特延を拒否する事も在る。よって特延を確実に取ると云うのは結構面倒な事なのだ。まあそういう訳で、僕は特別延刻届を作らなければならなくなった訳であるのだが、事はそう単純では無い。いつもであれば、午前中にも十分休憩が三回在るので或る程度時間は在る訳であるが、今日は球技大会で小休止が全く無い為、昼休みに全て済まさなければならない訳であるから、随分忙しくなりそうであった。更に、僕は特別延刻届を書いた事が無かったのだ。

さて、午前中の競技も無事終わり、昼休憩に入った。実は囲碁部の顧問は三人居る。主顧問が数学科の武石先生で、会計が国語科の荻山先生、そしてもう一人が数学科の羽咋先生である。然し、武石先生は通学中多少話す様になったとは云え一年生の授業には来ないし同じく授業の無い羽咋先生とは余計繋がりが無い。其の点では初めての特延が、古文の授業週に二回教室に現れる荻山先生の担当なのは助かったかも知れない。早速荻山先生を訪ねに国語研究室に行ってみた所、荻山先生は弓道部長と話して居た。そう、荻山先生は弓道部の顧問でもあるのだ。話に拠れば、今日は弓道部も荻山先生の許可で特延を取るらしい。成る程、恐らく先生は同日に囲碁部と弓道部の特延を受けて仕舞えば効率が良いと思ったに相違ない。と云う事を考えた所で、荻山先生に用事を訊かれたので、特延を取る旨を伝えたのだが、此処で一つ重大なる問題が在った。僕は稲田から何の詳細も聞かされて居なかったのだ。そう、届出用紙の置き場所さえもである。荻山先生は其れを聞くと、半ばあきれ顔で、弓道部長に僕を届出用紙置場まで案内する様頼んで居た。

さて、職員室前で用紙を手に入れた僕は、其の後、荻山先生からも無事許可が降り、特別延刻届は無事に提出された。然し、書類作成者とは云え、本当に「代表者」の欄は僕の名前で良かったのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ