第21章 部長会議に於ける代理出席に於いて
研修旅行もどうにか終了し、其の次の週の火曜日の事である。此の日僕は、先日清音の囲碁教室の帰りに寄った豚カツ屋が美味しかったので、非常に機嫌が良かったのだが、部活にて唐突に、稲田先輩に部長会議の代理出席を頼まれると、少し面倒に思い、僅かに機嫌を損ねた。まあ、然しどうしようもないので、明くる日の部長会議に代理出席することにした。尚其の日の囲碁部では備品調査を行ったのだが、部の持ち物である碁盤等から書籍に至るまで、備品数を数え、調査書に記録する必要が在る。因みに囲碁部は囲碁関連の書籍を八十冊以上保有して居り、数えるのに少々苦労したが、どうにか数えきる事が出来た。
次の日会議では大した内容は扱わず、クールデオトラントが配布されるに留まった。注意点としては、「SNSにあげない」「人に向けない」「余りが在るので欲しければ保健室に行くこと」の三点くらいで、重要な連絡と云う物も特に無かった。取り敢えず囲碁部のグループチャットに会議内容を上げ、自分は五限目の体育の用意を始めようとした。
然し、此処で事件が起きた。と云うのも、三年生の園山先輩が、「稲田君、会計会議呼ばれてる!武石先生も怒ってるよ!」と云うチャットを流したのだ。然し稲田先輩と連絡はつかず、仕方なく園山先輩が代理した所、備品調査書と予算申請書の締切が今日らしい。僕は昨日備品調査をした事を思い出し、調査書は部屋に在る筈だ、と園山先輩に伝えた所、園山先輩は部室迄書類を取りに行ったのだが、此処で白紙の予算申請書を見つけて仕舞った。どうしようもなく、大急ぎで僕と園山先輩で囲碁用品の値段を通販サイトを見ながら調べ、報告書を完成させ、提出した。
其の後分かった事であるが、此の時稲田先輩は球技大会に向けて排球の練習に参加して居たらしい。一人だけ気楽な事である。
此れを機に、部内での役職交代の機運が高まった事は、言う迄も無い事である。




