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神音呼司学園生徒会の日常

作者: 綾崎琴音

友人の誕プレ用に書いた三題話です。

お題は「マフラー、時計、非常口」


文才のなさはご容赦ください。

これは、私が生徒会の活動中に起きたある事件のお話――


「はあぁぁぁぁ!!」


ザシュッ―

バンッバン!


夜、林の中に二人組の子供と異形な姿をした動物と思しきものが闘っていた。

「副会長~。今日はやけに悪徒あくとが多くないですか~?」

深緑の髪をした少年、桃木大和ももきやまとが悪徒を撃ち抜きながらそばで闘っている少女に話しかける。

「ああ、会長に報告した方がよさそうだ」

長い黒髪をたなびかせ、神桜院麗佳しんおういんれいかが刀で悪徒を切り付ける。

「闘うのは好きですけど~。こうも多いと疲れますわ~」

「安心しろ、そろそろ夜明けだ。奴らも巣に帰るだろう」


ズズッ

ズズズッ


「副会長」

「ああ、何か来たな」

大和が周りを見渡しながら麗佳に近づく。

麗佳も警戒しながら周囲を確認する。

「………なっ!?」

大和の視界に黒く小さな何かが映り込んだ。しかし、構えた時にはそれは大和の足に絡みつき、黒い穴のようなものの中へ引きずり込もうとしていた。

「桃木っ! くそっ!」

大和を引きずり込んでいるそれは範囲を広げ、麗佳の足元にまで及んできた。

しばらくすると二人を完全に引きずり込み、黒い穴は消えてしまった。


「…長………副会長~」

「んぅ……っ。ここは!」

大和の声に呼ばれるようにして麗佳が飛び起きる。

「やっと起きました~。なかなか起きないんで心配したんですよ~。あと、軽くこの辺回ってみましたけど~悪徒はでないし、外にはでれないしで~善いんだか悪いんだかわからないとこでした~」

麗佳は座ったまま周りを見てみる。

「(見たところ学校の教室のようだが、この暗さで悪徒が出ないとなると、何かに巻き込まれたか)…桃木、外に出れないというのは教室から外にか? 建物の外か?」

麗佳は教室内を見て歩きながら大和に尋ねる。

「ん~。廊下には出れましたけど~窓はどこも開かないですね~。あと、階段を上っても降りてもこの階に戻ってきちゃいます~」

「そうか。なら、この教室あたりに外へ出るヒントがありそうなんだが」

「そうなんですか~?」

机、ロッカーなどの中を確認しながら麗佳が話す。

「恐らく、さっき私たちを襲ったのは妖怪か神族の一種だ。時計が止まっているだろう? 時間や空間に干渉できるのはそいつらぐらいだからな」

「でも~俺の時計は~ありゃ? 止まってますね~」

大和は自分のつけていた腕時計を確認する。

「おっ、いいもの発見」

大和が麗佳の方へ視線を向けると、麗佳はロッカーからマフラーを取り出していた。

「勝手に持ち出していいんですか~?」

「こんなどこともわからない世界だぞ? 別にかまわないだろう」

マフラーを持ち、麗佳と大和は廊下へ出る。

「あとは私たちをここへ引きずり込んだ奴を探すぞ」

「そんなに簡単に見つかりますか~? 仮にも神様系なんですよね~?」

「ああ、だがこの狭い空間だからな。これを使えばどうにかなる」

麗佳は持っていたマフラーの糸を解きはじめた。

これくらいでいいか。という言葉を放つ頃には糸が足元に大量に重なり合っていた。

麗佳は糸の先端に鈴を取り付けた。

「さて、さっさとここを出るぞ。早くしないと会長に怒鳴られる」

「会長が怒ったとこもちょっと見てみたいですね~」

大和は麗佳から少し離れ、銃の弾を確認しながら話す。

「ふふっ、普段おとなしい奴ほど、怒ると怖いってな。あれは経験しないと分からないさ」

鈴のついた糸を目の高さに掲げる。

「導け、我が使獣よ。力の元凶へ」

その言葉と共に、鈴が浮かび上がり、廊下の先へ動き出した。

「本当、副会長の使獣って便利ですよね~僕もほしいな~」

「いいからさっさと行くぞ。この先に出口がある」

しばらく二人が歩くと、『非常口』と書かれた壁の前で止まった。

「ここだな」

「でもここって扉も何にもないですよ~? どこが出口何ですか~?」

大和が壁を叩く。すると、

「グオォォォォォ!」

壁だと思っていたものが動き出した。

「非常口と書いてあっただろう? あれを倒せば外へ出られる…………たぶん」

「うわ~副会長も自信のない時があるんですね~新発見です~」

麗佳は刀を、大和は銃を構え、走り出した。

バンッバンッ


弾は相手の体に弾かれる。

「こいつ固いですね~。副会長~これ切れます~?」


ザシュッ

ドサッ!


「胴体は固いが、腕や足のつなぎ目は脆い」

相手の左腕を切り落とし、体制を整える。

「なるほど~さすが副会長ですね~。じゃあ、ボクも~」


バンッバンッ


「グォォォォォ!」


ドォンッ


「うわぁぁぁ!」

大和の弾が当たる直前、相手は足を振り下ろし、建物を揺らした。

その振動によって、大和、麗佳が体制を崩してしまう。

「グオォォォォォ!」

だが、相手がいきなり苦しみだす。

「なんですか~!?」

麗佳が相手の胸元を見てみると、小さいが穴が開いていた。

「桃木の弾が貫通した? さっきまでは弾かれていたのに」

「あそこだけ脆いんですかね~」

「分からないが、とにかくあそこを狙う」

麗佳が走り出すと、大和は、は~いと言って相手の右足を狙い撃つ。


バンッバンッ

ドゴォンッ!


相手は体制を崩し、倒れた。

そこに麗佳が刀を突き刺す。

「はぁぁぁ!」


ザシュッ


「グォォォォォ!」

相手が苦しむのと同時に、刀を刺した先から相手の体が崩れていく。

体が崩れ去った瞬間、激しい光が二人を包んだ。



「以上が昨晩の報告です」

「そうか、ご苦労だったな」

生徒会室の中、麗佳は夜番の戦闘報告をしていた。

「やはりあれは妖の一種なのでしょうか。夏冬会長」

左腕に生徒会長と書かれた腕章をつけた黒髪の男。夏冬春秋かとうはるあきは薄く笑いながら言った。

「おそらくそれは付喪神の一種だろう。この土地の神様は皆悪戯好きだからね。遊びと称して自分たちの世界に引きずり込むんでは、いろんな方法で戦わせられるんだ」

僕も何度か行ったことがあるよ。と言って笑った。

「報告も終わったし、今日はゆっくり休むといい。今晩の夜番は司達だから声だけかけておいてね」

「わかりました。失礼します」

麗佳は一礼し、部屋を出ていった。

「さてさて、これからの時期は出てくる妖も強くなっていくだろうし、いろいろ考えないとね。ふふっ、楽しみだなぁ」


だいぶ久しぶりになろうに帰ってきました!

二年ほど前に書いた小説ですが、読んでくださった方々ありがとうございす!

また、次回投稿する機会があればよんでやってください!

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