第3話「ネバーエンドロールll」
少年が選んだ、幼馴染を救う為の秘策とは?
・第3章「継承されし輪廻の記憶」
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・第1話「希望の少年」
まず感じたのは何かで体が覆われている事。そして頭部以外の場所に暖かさを感じる。そして体制は何かに横たわっていた。紛れも無い、これはベッドの上にいるのだろう。実に単純明快だった。目を開くと眩しいほどの日差しが顔を照らしつけていた。そして体を起こし、辺りを見渡した。間違いない、ここは自分の部屋だ。場所を把握し、時間帯が朝だと判明したその直後、激しい頭痛が目の前の視界を眩ませた。
(?!なんだ?!痛ぇ!!頭痛?!生涯哀れ見る程の痛みだぞこれ!んん?視界がぼやけて......くっそ何がなんだかさっぱり........っておい誰かい......は?白髪の.....女の子か?.....)
すると記憶の中にあった悪夢が蘇る。学校がテロリストによって占拠された時の記憶が.....。
(っ!!確か俺はあの時確かあの子に願いを問われて.....まさか....本当に時間が戻ったのか?ていうかなんであの子がここに?!)
「お兄ちゃーん」
と声をかけられ、徐に我に帰る。
「大丈夫?考え事?悩みでもあるの?」
(やばい!!あの不思議な不気味な理不尽な意味不明なあの子に妹を会わせる訳にゃいかねえ!!なんとか誤魔化すか!)
「なんでもねえよ、ただちょっと頭痛がしただけ」
「そう?それならいいけど、早く起きなよー朝ご飯できてるよー?」
「わかった、すぐ行くわ先行ってて」
コクリと頷くと、俺の部屋を出て行き階段を降りていった。
なんとか妹を退避させ、辺りを見回す。
が、その子はその場にはもういなかった。
「何だったんだ?あの子は一応俺を助けてくれたって事でいいのか?....」
(いや!まだ信用できねえ!!時間を遡る力なんて異能力を用いる奴、安心して信用しろって方が無理な話だしな!十分に警戒しとかなきゃな!とりあえず、学校に行って状況確認をしよう。もし、時間が戻っているのだとすればまた、テロ組織が襲撃しに来るはずだ。ならその前に俺がなんとかみんなを誘導して避難させなきゃな!学校の命運は俺にあるだなんて、まったく傍迷惑な話だぞ。しかし、その希望を捨てちゃいけねえな!この事実を知ってんのは俺だけだし、みんなに説明した所でそんな易々と信用してくれるはずがねえ。とりあえず登校して状況確認から始めるとすっか!)
気持ちを決めて、俺は勢いよくベットから飛び出し、重くのしかかったその責任を背中に背負いながら学校へと向かう。あの事件が起きた、あの場所へと。
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・第2話「酔いて揺らめく運命の選択」
俺は30分もせず登校の支度を終わらせ、いつもより倍早い時間で登校する事となった。
「どうしたの?お兄ちゃん今日は随分と早めの登校だね」
「あぁ、今日は日直だかんな遅刻する訳にゃいかねえ!」
「ん...そんな急ぐ必要あるの?」
「なんか今日は早く登校したい気分なんだよ。この時間だから、俺のクラスの風紀員であり、風紀委員長である由梨を一人で拝む事ができそうだ!」
「わ?!お兄ちゃんもしや....由梨ちゃん目当てにこんな早い時間に登校するの?!.....なんかさっきまでいい印象が一瞬のうちに悪くなったよ凄い急降下だよ!」
「関原由梨」彼女はすぐ隣に住んでおり、幼馴染だ。彼女とは長い仲で妹ととも結構遊んでいた為妹的にはお姉さんみたいな感じらしい。それで俺との仲なのだが、本当は一緒に登校するのが彼女の本性らしいが、自分の気分で朝早く起こすのは悪いとかなんとかで、俺たち二人は別々で登校する形になっている。まぁそんな彼女を俺はとても好いてはいるのだが、中学になって以来会話が少なくなった為、あまり親しく会話できず、そこら辺の男子と同じ距離で接しているような現状だ。
「まぁまぁ、そこまで失望するなよお前のお兄様はちゃんと健全な男子高校生だって事だよ」
「こんなのが健全なの?.....なんか私の世界の男子高校生の印象がよくわかんない理解し難いものになったよ?!」
「いいんだそれで、男なんて所詮こんなもんだぜ?」
「まぁ、いいやお兄ちゃん早く行ってあげなよ由梨ちゃん寂しがってるかもよ?」
「ん?そうだなこの紳士的な俺を待ち望んでるかもしれん!」
「あぁそう....じゃあいってらっしゃい」
「おう!行ってきます!」
その時、兄を見る妹の目はどこか悲しいもの見るような目だった。
「とりあえずあんな感じで平凡を装っておけば、あいつも心配はしねえだろう」
(由梨の為にも早く行かねえと!)
俺の本性として、友達を殺されたというのもかなり来るものがあるのだが、一緒に何十年間も遊んで過ごしてきた彼女が目の前で殺された事が一番きつく、精神に大きなダメージを負っていた。
(あいつだけはなんとか.....俺の命を引き換えとしてでも.....あいつを!救うんだ!もう何年もろくに喋ってねえし、あいつが俺の事をどう思っているかもわかんねえ。けど....だけど!.....救いたい...あいつの未来を断つような....未来の兆しを打ち消すような輩がいるんだとすりゃ...俺はそいつを放っておく事なんかできやしねえ!!それが俺の本心であり、俺の使命なんだ。だから、由梨。俺はお前を....)
「絶対救ってみせる」
俺は弾き出したそんな答えと共にあの悲劇が起きる学校へと足を進める。命を賭けての決戦はまだ、開けたばかりだった。その、彼女の未来の扉を開く為に彼は着実に足を進めていった....。
教室を覗くと、そこには幼馴染である関原由梨が座って読書をしていた。こちらに気付いたのか
「あ!あっくん!おはよう!」
清々しい笑顔でこちらを見つめて来る。それはどこかホッとするような安心感と、久々に笑顔を見れてとても嬉しい気持ちになった。
(やっぱり俺は好きだったんだな、ずっと...ずっと)
深々と確信しながら俺もその挨拶に返答するように
「おはよう!由梨!」
「久しぶりだねー!学校ではあんまり喋れないし、二人ともそれぞれの用事で会えてなかったねなんかあっくんの顔を見ると安心するよ」
「俺もだよ、なんか久々に会話すると気恥ずかしいな」
「そう?私は久しぶりにあっくんの笑顔を見れて、一緒に喋れてすごく嬉しいよ?」
(すっげえ嬉しい、ここまで思ってくれてたなんて)
「俺も一緒だよ由梨と喋れて、嬉しい」
そう言うと彼女は少し顔を赤らめながら優しく微笑む。今季節は秋だと言うのに、この教室に春風が吹いているかの様に心が暖かかった。
「ねえ、あっくん.....」
由梨に問いかけられた次の瞬間、廊下で喋り声が聞こえた。
「ん?おいおい!関原とアツシじゃねえか」
「アツシ達、幼馴染だけど中学から話せてなかったみたいだよ?」
「はーんだからあんな恋人同士みてえにもじもじして話してる訳かバレバレだっての」
「まぁまぁ、少し二人で話させてあげようよ」
「そうだな、邪魔者はさっさと退散するとしますか!」
なんかすごく廊下で茶化されていた様なので、
「おい、聞こえてんぞお前ら」
「おや?気付いてたみたいだよ」
「おっと、大丈夫だって借りてた本今のうちに返してくるから二人でゆっくりしとけよ」
「そういう事じゃねえ!」
「ではでは!」
「ごゆっくり〜」
とても揶揄われ、
「ったくあいつらは...んで由梨なんだって?」
「ん?あぁ!もういいの、忘れて!」
「そ、そうか?由梨がいいって言うならいいが、悩みとかあったら相談しろよ?いつでも相手になってやるから」
「うん....ありがと」
「じゃあ!時間もあれだし、授業の用意でもしとくか!」
「次数学だって、宿題やった?」
「?!やべえ!!やってねえ!!早くしねえと!!」
「もー、ほら早くやっちゃいなよ」
「ありがとう!由梨!恩にきる!」
「次からはちゃんとやって来なくちゃダメだよー?」
次があるかはわからない。だが、俺は救わなきゃ。明日を、また由梨と一緒に話したりする為に...平凡な生活を送る為に...
「おう!じゃあ、今日久々に一緒に帰らねえか?」
「んーそうしたいけど、でも委員会の会議があるの」
「待ってるよ!それまで」
「申し訳ないよー、そんな事しなくても....」
「いいや!この頃早く日が沈むしな!誰かが付いてやらんとならん!」
「んー、でも」
「いいんだよ、俺がそうしたいんだしさ!」
「んー、わかったよあっくんも、曲げそうにないしね、私も観念するよ」
彼女の表情はとても申し訳なさそうな表情だった。だが、少し嬉しそうにも見えた。
「うっし!決まり!」
「うん!」
そんなできるかわからない約束も、絶望してしまう未来も、希望と共に俺は行く。幼い頃に投げかけた、問いの回答を確かめる為に。
予想は的中した。
授業中に複数の発砲音と共に、断末魔が学校中に響く。
「みなさん!姿勢を低くしてください!」
先生の指示により、生徒達は一斉に椅子から降りて身を低くした。
「やっぱり、攻めてきやがった!」
なら、やる事はただ一つ。クラスのみんなを救うのだ。
こちらに銃口を向けてきた男に目がけて、カバンから取り出したビー玉を投げ込む。教室の廊下側に貼られていたガラスはビー玉により割られ、破片は雪の様に粉塵を撒き散らしながら男の方向へと飛んで行く。黒ずくめの男は一瞬怯み、その瞬間俺は教室の外へと移動した。
「アツシ君!!戻りなさい!!」
「あっくん!!危ないよ戻って!!」
先生と由梨の声が聞こえたが、俺はそれに反論するように
「大丈夫!!策がある!!」
その男に目がけて力一杯の溝うちを打ち込む。
男は酸素を吐き出すと同時に腹を押さえた。
その隙に俺は学ランのポケットに隠しておいた千枚通しを銃を握る左手目がけて差し込む。
グシャァ!!
「?!ぐわぁぁああ?!」
メキメキ....グシャグシャ...
骨が擦れ、手の筋肉が貫かれる。
男は悲痛な声と共に後方に倒れていく。
それと同時に、男の手に握られていた銃は床に落ちた。それを俺は空かさず手に取り、男の眉間へと標準を合わせた。
「殺されたくなきゃ、俺の指示に従え!」
男はそれに反論するように
「んぐぅ...は?何言ってんだてめえ!俺らはお前らを殺す為に来てんだぞ?うぅぐ?!は....歯向かうに決まってんだろうがよ....」
そう言うと男は不敵な笑みを浮かべた。
「そうか....じゃあ...」
その次の瞬間、
「あっくん!!!!」
「?!」
由梨の声と共に後ろに振り向く。
銃口をこちらに向けられており、安に銃のトリガーは引かれたのだろう。
パアッン!!!
凄まじい閃光と銃音と共に、銃口から発射された弾は俺の左肩へと吸い込まれていく。
グシャァ!!
血飛沫と共に骨がメキメキと抉れていく音が廊下に響き渡った。その反動により、俺は大きく後ろへと姿勢が崩れていく。そして後ろにいた男は俺の倒れつつある背中を凄まじい跳躍力で蹴り飛ばす。
メキメキという骨が砕ける音と共に俺の体は勢いよく前方へと蹴り出される。その先にはまたもや銃口をこちらに向けて構えている男の姿が目に入る。
(あぁ....失敗したか。やっぱり無理だったのか...)
自分の情けなさと、みんなを守れなかった悔しさで、目を瞑ると目から熱い液体が輪郭を沿って地面へと滴る。
二発目の発砲。さすがにもう耐えることはできないだろう。潤う目の先には泣きながら走ってくる由梨の姿が微かに確認する事ができた。
(すまねえ.....俺、お前を守る事ができなかった....嫌だ。嫌だ。死にたくねえ、俺まだお前と一緒に遊びたかった....喋りたかった.....一緒に気持ちを共有したかったよ.....でも.....もう.....嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)
パアッン!!
銃弾は俺の心臓へと一直線に飛んでくる。そんな銃弾を見ながら俺は静かに目を閉じた。
次の瞬間、辺り一面の色彩が抜け、白黒の世界へと変貌を遂げた。
いつになっても痛みがなく、不思議に思った俺は恐る恐る目を開く。
「?!こ.....これは?!」
前と同じ風景だ。目を開けると俺以外の動きは全て静止していた。
(これは......まさか.....)
「どうしたの?涙なんか流して!」
そこにはまたもや、白髪の少女がこちらに向けて手を差し伸べていた。
「こっちが聞きたいぞ、どういう事だこりゃ」
「どういう事って、この通りだよ?時間を止めたの」
「そういう事じゃねえ!何で止めた!!」
「え?!死にたかったの?!血飛沫撒き散らしながら無惨に殺されたかったの?!」
「いや、違う....死にたかねえよ、ただ何で止めたんだよ、理由が聞きてえんだよ」
「そりゃ、私は願いを叶える神様だから?かな?」
「.......」
「ええ....今の説明でダメだったの??」
「いや...もういい、とりあえずこいつらを止めねえと」
「フフ....やっと願う気になってくれたんだね」
少女はにっこりと満面の笑顔で俺に笑いかける。
だが、その目の奥は何故だか笑ってない様に見えた。
「じゃあ!戻そうか!!時間を!!君が紡いだ物語をもう一度1からやり直そうか!!そう!!それこそ君がすべき選択であり、君が何よりも願っている願い、願望だよ!!」
俺はその時なんて言ったのかは記憶にないが、多分肯定、願ったんだろうな。また1からのやり直し。そうやって繰り返す。無駄に無造作に繰り返す。まるで俗に言う「中毒」の様に同じ様に、筋書き通りに繰り返す。そんな日々は呆れる程続いた。とある一人の幼馴染を助ける為に。
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・外伝「酔いし少年の祈願」
一人の少年はみんなで笑い合う未来を望みました。しかし、運命は思う様にはいきませんでした。そんな時、一人の神様は問いかけます。
「貴方はこの一般市民の命と彼女の命どちらを選びますか?」と。
少年は悩みました。しかし、少年は彼女を信じて一般市民の命を救う事を選びました。
彼女も同じ問いを受け、少年と同じ答えを選びました。
神様はたいそうその思いやりの心を気に入ったらしく、
「ありがとう!!君達のおかげで、多くの人達が助かるよ!!」
と感嘆の声をあげました。
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ご視聴いただきありがとうございます!!
もうそろそろ「ネバーエンドロール」も終盤に入ってきました!!彼らの命運は如何に?
ゲーム実況もやっています!!
よかったらそちらもよろしくお願いします!!




