第2話「ネバーエンドロール」
すっかり遅くなりました!すいません!テスト期間中なもので今もとても安定した時間は取れないので次はいつになるやら....。
実況の方もやってます!(YouTube より)
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第2話「ネバーエンドロール」
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・第1章「確かに眠る記憶」
俺の名前は「赤沢 アツシ」何処にでもいる普通の高校生だ。だが、妹は違った。妹はピアノのコンサートで県上位入賞を果たす程の実力者なのだ。何かと昔から兄弟で比べられる事があり、自分的にもあまりいい気持ちはしなかったので、そういうのは嫌っていた。が、理不尽にも比べられてしまうのである。そのせいで現在テンションが絶賛急降下中なのである。
「俺ってマジで影薄いよな。成績は普通、顔も普通。性格だって非の打ち所がないと言われる。おい、これってまるでモブキャラじゃねえか。」
そんな感じで今日もまた、実に平々凡々な俺だった。
すると、玄関の扉が閉まる音と、「ただいまー!」と、実に威勢のいい声が俺の居る部屋にまで届いてきた。そして帰って来たかと思うと一階から「お兄ちゃーん。なんかさっき白髪の女の人がお兄ちゃんの事探してたんだけど、心当たりはあんのー?」と。
なんじゃそりゃ。キャッチセールスですか?でもわざわざ、人の家に男のみを対象としてやってくる、しかも影の薄い俺と限定してやってくるハイレベルなキャッチセールスなど俺は知らんぞ。それか、マイフレンドか?いや、なんの用があって来るんだよ!あいつら今の時間帯なら部活中だろ。やばい、なんか凄ぇ悲しくなってきた。
「ねぇー、お兄ちゃん聞こえてるぅー?」
「待て、今自分の影の薄さに絶望してるんだ。なうなんだ。すまないが放っておいてくれるか?」
「え、でも白髪の美人さんが.....」
「放っておけ。この俺の影の薄さを改めて理解させようとするタチの悪いキャッチセールスウーマンはさ。」
「え、キャッチセールスじゃないと.....ってかどんだけ根にもってるのお兄ちゃん。」
「やめろぉ!お前のような奴に言われたくねぇわ!!......え、え?ってか美人?美人だって?!」
「何...今日のお兄ちゃんなんか変だよ...。」
「っく。いや顔に惑わされるな!俺よ、言ってやるんだ。俺の心を抉るのはやめろと。そんな会社訴えてやるってな!」
「........。お兄ちゃん........欲望丸出し....。」
妹によるとその時の顔はとっても清々しい笑顔だったとの事。マジで俺何してんの....。
「お嬢さんんんん!!何のご用で.....」
「ねぇ!!ねぇねぇねぇ!!」
その瞬間、高ぶっていた俺の心が静寂に包まれた。まぁ、今となっては問題を起こす前に止めてくれた彼女に感謝しよう。だが今はそんな事ではなく彼女の格好の異常さに、目を奪われていた。俺の思考回路が全力で反発していた。こんな格好あってたまるかと。
白髪で髪型はボブ。左耳にダイヤを連想させる形のピアス。服はワンピースのみで、足には枷が付いていた。
「何これ?」!という驚きと、「可愛い!!」という感情が混合していた。そんな彼女は俺にグイグイと迫ってきて、
「何か願いはない?願望!」
「と、特に無いですけど......」
「ふーん、そうなんだ」
と言うと、ムスーっとした顔でその場から離れていった。無数の疑問が頭を埋め尽くした。
(あれは何?何故俺を訪ねて来た?しかも願いのなんたらかんたらって、何?何なんだ。しかもあの非常識な格好。根拠は無いが、コスプレだとも思えない。まずあれは....「人間」なの...か?.....」)
「お兄ちゃーん、おーい!」
「?!な、何だよ?!」
「大丈夫?すごい顔が青いよ?ってか真っ青」
「あ、あ〜何でも無い見惚れていただけ」
「そう?ならお母さんが夕飯の用意手伝ってだってさ」
「お、おう分かったすぐに行く」
とある感情が俺の頭の中を支配して行く。恐怖。体が自由に効かない。全身に悪寒が走り、冷や汗をかいている。指先は固まったままで、脚は小刻みに震えていて、心が押し潰されそうになるくらい怯えている。あんなか弱そうな女の子なのに恐怖している自分を自分は情けなく思った。だが、そうしないと理性を保てそうにない。心の底に確かに眠る最悪な夢。覚えは無いが、俺はそれをよく知っているかの如く身を以て、危険を感じていた。
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・外伝「異端者の思惑」
爆煙と灰が舞う廃ビルの中心に「それ」はいた。涙を流しながら、心の行き場を失い、彷徨い続けるその様は実に機械じみていて.....
「嗚呼、実に滑稽だ」
男はそう吐き捨てると、「それ」の近くへと足を進め、不吉に口を裂きながら笑う。
「さぁ、楽しい物語を紡ごうじゃないか」
男は笑いながら、慣れた口調で着実に足を進めていった。
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第2章「記憶の中に眠る記憶」
俺はあの少女に会った後、今日はいつもより早く寝る事にした。朝になってしまえば、あの迫り来る恐怖も消え去りいつも通りになっっていた。気になっていたのか起床後妹は会うと俺に対し
「昨日は大丈夫だった?心配だったけど、一人にしておいてあげた方がいいかなと思って..」
優しいなぁ。こんなにも俺を気遣ってくれているのに、昨日は散々あんな事を言ってしまった。俺は本当に妹がこいつでよかったと心底思った。
「ありがとな、おかげでもう元通りだ!」
サラサラした茶髪でショートヘアーの頭を思いっきり掻き回した。感謝の気持ちを大量に込めて。
「お、お兄ちゃん!痛い..痛いってばぁ!」
「あ、ごめんごめん」
「でも、よかったぁお兄ちゃん元気になって」
次は愛しい思いを込めて、優しくその頭を撫でた。
「ありがとう」
それだけ言うと、妹は満足したようで、学校の用意があるからとスタスタ自分の部屋へと戻っていった。その後学校にも難なく登校でき、平凡な日常を過ごすつもりだったが、世界はそこまで甘くなかった。帰り道にまた昨日の彼女が俺に昨日と同じ質問を投げかけてきた。俺は一瞬動揺したが、昨日のような恐怖は襲ってこなかった。
「無いですよ」
そう答えると、つまらなそうにその場を去っていった。そんな次の日、事件は起きた。いつも通りに学校に登校するとHR中、終焉の鐘が鳴り響く。
チャイムとともに激しい銃声が聞こえた。クラスメイトは敏感に反応し、悲鳴合戦が始まった。
「なんだ、何が起こってる?」
すると瞬く間に2度目の銃声が校内に響いた。それとともに断末魔が聞こえた。
(やばい!今の誰か銃弾受けたんじゃ...。)
声からすると中年男性の声、恐らく標的にされた生徒を教師が庇ったのであろう。すると教室の窓が凄まじい音をたてて割れた。そこには黒いパーカー姿の男が銃を持ってこちらに銃口をつきつけている。すかさず先生が銃口の射線上に立つ。すると予想もしなかった後ろの方から銃声が鳴り響いいた。すぐ後ろからやってきたパーカー男がクラスメイトを後ろから撃っていたのだ。瞬く間に悲鳴が挙がる。
そちらに気を取られていた先生を男はすかさず射殺する。絶望的な光景を前に俺は、この今の状況を否定する力しかなかった。まるで白髪の少女が来たあの時のように体がうまく動かない。だが、何故だろうか、恐怖という感情は一つも湧いてこないのだ。
自分は自分に驚いた。こんな場面を前にして何故動揺の一つもしないんだ。まるでこれが当たり前のように俺の感情は微動だにしなかった。そんな次の瞬間、
「ねぇ、大丈夫?」
(は?大丈夫な訳無いだろ。こんな場面を前に感情の一つも動かねぇ自分にイラついてるというのに)怒りとともに俺はその声の主へと勢いよく振り返った。するとそこには思わぬ光景が広がっていた。俺は目を見開いた。白髪の少女がそこに立っていたのだ。
「何で君がここにいる?!君はここの学校でもないはず。第一ここにいちゃ危ない....?!」
俺は目の前の光景に唖然としていた。先ほどまで色の付いていた世界は白黒になり、先ほどまで動いていた世界が今、静止している。この場で動いているのは、彼女と俺のみであった。
「願いはない?願望は。貴方はこんな悲劇を前にしても祈らずにいられるの?」
そんな知ったような口調で言われると疑わざる終えなくなり、
「まさか....この事態は君が....」
「それはないよ。する意味ある?私がこの人達を殺す理由がさ。」
「俺に祈らせる為のことじゃないのか?」
「しないよ、神様は人の幸せを願い、愛す者だ、さぁ聞かせて貴方の願いを。」
あり得ないと思っている。今だってそうさ、これは夢じゃないのかって。だけどこの情景を俺は誰よりも知っている。知らないはずなのに知っている。ここは、人生の巻き戻り地点だ。傍迷惑過ぎるその記憶はまるで誰かが敷いたシナリオのようによく出来ていた。だが、俺がするべき事はただ一つ。
「さぁ、この力で未来を過去を変えて見せてよ」
彼女から渡されたのは青く光る勾玉。それにありったけの想いを込める。
(人生をやり直す力を下さい)
そう願った瞬間辺りは強烈な光に包まれ、ガシャリッという機械音とともに意識は消えていった。
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