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「はぁー。終わったぁ」


ローズマリーが扉を閉めた途端、ロバートがやれやれと息をついて、大きく伸びをした。

書記のロバートは、ふらふら遊び歩くのが何より好きという男で、情報収集にはとても長けているのだけど、こういった会議ではひたすら無言で会議録をとっている。

わたくしはロバートの意外に神経質そうなきっちりした文字の余白に、会議の際に気づいたイベント企画者たちの態度などをメモしていく。


「さて、今月の予算会議も無事終わったわけだが。このメンバーで迎える最後の予算会議だったんだ、無事終了したことを祝って、みんなで食事にでも行くか?」


来月には卒業するアランが、どこか浮き立った口調で言う。

するとシューとヒューが声を揃え、


「賛成!みんなでぱーっと食べに行こうよ!」


さっきまでぐったりしていたロバートも、「いいな」と賛同する。

わたくしもこのメンバーでの予算折衝が最後だと思うと感慨深いし、みんなが食事に行くのなら一緒に行きたい気持ちはやまやまなのだけど……。


「ごめんなさい、わたくしは」


言いかけたところで、会議室のドアをノックする音が聞こえた。

条件反射で、わたくしは入室を許可する。

すると顔をのぞかせたのは、さらさら髪の王子様顔。つまりわたくしの大好きな婚約者のレオンだった。


「失礼します。会議が終わったようでしたので、婚約者を迎えに参りました」


「レオン!ありがとう。……ごめんなさい、会長。わたくし、レオンと帰宅する約束をしていましたので、お食事にはご一緒できません。どうぞ皆様で行ってくださいませ」


「別に、レオン・ライツェンも一緒でもかまないが?」


「いえ、会長。御誘いは光栄ですが、この後彼女のお父上とも約束がございまして」


「なるほど。婚約者特権というわけか」


レオンはいつもどおりにこやかに笑っていたけれど、アランは自分の思い通りにならなかったのが悔しいのか、妙にレオンに絡む。

こういうとこがウザい兄っぽいと思ってしまうんだよねーというのは、誰にも言えない秘密だけど。


「次回はぜひ、ご一緒させてくださいな。それと、こちらをどうぞ。バレンタインのチョコレートです」


わたくしはアランを笑顔で圧すると、用意していたチョコレートをアランに押し付ける。


「バレンタインのチョコレート……?これを俺にくれるのか?」


アランは頬をなぜだかとても驚いたようで、真剣な表情で手の中のチョコレートを見る。

バレンタインにチョコレートを渡すというのは、去年、大々的に我が商会が始めた異世界のまねっこイベントだ。

チョコレートはそこそこ高級なお菓子で、去年はブームの先駆けとして学生をメインに流行させたから最愛の人に渡すというイベントとして広めた。

けれど思った以上に需要があったので、今年の我が商会の仕掛けバレンタインは「最愛の人だけじゃない。お世話になった方にも、日ごろの感謝を伝えよう」、つまり義理チョコもひろめちゃおうという企画だ。


ブームを作るには、まず自分の周辺からと思って、バレンタイを来週に控えた本日は、せっせとお世話になった先生や先輩にお渡ししている。

アランも多少ウザいとはいえ、基本的には尊敬する先輩だから用意したのだけど、そんなに真剣な顔をされると不安になる。

次で終わりです。

マウスの反乱がつらい。電池入れ替えても動きがおかしいです。

次話投稿も直接入力できないのですが、仕様の変更でしょうか。

読むほうではずっとアクティブ利用者なのですが、書くほうではお久しぶりなので

とまどいまくりです。

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