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神話【七つの大罪】~反英雄譚~  作者: スペル
第一章【集結せし大罪】
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第一節【目覚めⅠ】

リメイク前の話に基礎に話を変えてみました

今後も、そうやって行こうと面っっています


楽しんでもらえたら、嬉しいです

その場所の空気は、とても澄んでいる。いや、もっと正確にいうのであれば澄みすぎている・・・・・・・だろう。静寂と風が揺らす葉の音のみの世界。澄み渡り、余りにも幻想的な場所であるが、まるで、世界ライフから拒絶された様な場所。その証拠に、生命の鼓動を全く感じない。

時だけが、静かに流れる場所せかいはいた。


「‥‥‥‥‥‥」


四肢と半身を木と同化し、上半身のみが姿を見せている。瞳は閉じ、常闇の様に黒い逆立った髪が、風に揺られている。悪人面であろうその顔も、瞳を閉じた今では穏やかな物だ。しかし同時に、その顔は何処か苦しんで見えるかもしれない。


彼は永遠にその場所に縛られ、終わらない生を生きねばならない。死んでいる訳では無く、かといって生きている訳でもない。ただ漠然とした意識のみが、彼にはあった。

何万年・・・と押し付けられてきた罰。それでも彼は、諦めず、目覚めのときを待っている。


奇跡では彼は目覚めない。確固たる意志と運命そして極大の奇跡がかみ合わない限り、彼は目覚めない。そしてそれは、彼が彼足り得ない・・・・・のと同じほどの確率。


そう‥‥‥全ては動かない。故に、彼は目覚めない。

だから、世界ライフは、彼を嘲笑う。




































【ヴォロンテ】【プロメサ】【メモリア】【エレフセリア】【プレシアンス】【ヴェリテ】【ヴリエーミァ】 異世界【ライフ】に存在する七の大陸の名。


その中で中心に位置する大陸【ヴォロンテ】から東に位置する大陸【プロメサ】。その南西に位置する場所に存在する森。名は【フワン】。白銀の美しい木々が特徴で、陽の光を受けて美しく輝いている。

【フワン】は、特殊な森である。森の木々自体が特別な力を持っているのか、それとも何かの加護を受けているのかはわからないが、森の木々が失われる事も傷つく事もない。火事が起きても木々は灰とならず、その木を持ち去る事はどうしてもできない。そして何より、種族達が住まう事が出来ないという。

そんな不思議な森には、多くの命が育まれており、動物たちにとっての楽園である。


食事中だろうか、鹿の群れが草を食べている。ふと、その中の一匹が下げていた首を持ち上げ、少し遠方を見つめる。その黒い瞳に、小さな人影を写し見つめている。しかしそれもほんの僅かな時間。害がないと判断したのか、それとも単純に興味を失くしたのか、再び食事に戻る。如何に種族が住まう事が出来ない場所とは言え、子どもたちにとっては格好の遊び場であり、大人にとっては狩猟場所で在るのだから。



食事中の鹿の群れから数十メートル先、白銀の森を一人の少女が疾走している。近くの村の子供という訳ではなさそうだ。まず服装からして違う。一目見て高価な素材が使われているとわかる純白のドレス。しかし、所々破けており薄く汚れている個所が目立つ。本来ならば美しい輝きを見せるであろう、金色の髪は輝きを失っており、深緑の瞳には恐怖がありありと映し出され、優しそうな顔は、少しやつれ汚れてる。


「逃げなきゃ…‥逃げなきゃ」


零れる本音。恐怖を感じさせる声音ながらも、そこには確固たる意志がある。ふと耳に、何人かの足音が届く。


「ッ!!」


慌てて近くの草むらに身を隠す。と同時に現れたのは、軽装な鎧に身を包んだ三名の騎士。少女は、手で口を覆い息を殺す。


「この辺りに居るはずだ。手分けして探すぞ」


一人の騎士の言葉に他の騎士は頷く。確実に迫る危機に身体の震えが止まらない。


(大丈夫‥‥大丈夫)


自己暗示の様に心の中で呟く。それは決して事実を述べているわけでは無い。今すぐにでも表に出ようとする恐怖を紛らわせるための暗示に近い。


「この辺りは野盗もでる。あの方・・・が見つかる前に、早く保護するぞ」


「確かにな。何かあったら、俺らの首ゴエルさんに飛ばされるな」


「シャレになってないぞ、それ」


軽口をたたきながらも、三人は手を休めず辺りを警戒しながら捜索する。故に、素人である少女が逃れれる訳もなく。


「!!。見つけたぞ」


「!!」


茂みに隠れていた少女は、簡単に見つかってしまう。


「間違いない。特徴が情報と一致する」


「なら、早くゴエルさんの元に連れて行こうぜ」


「そうだな」


そう言いながら迫る三人から、逃れる様に後ろに下がろうとするが、木が背に当たりそれ以上下がれない。恐怖が感情の全てを支配し、呼吸が荒くなる。

一人の騎士の手が少女に触れようとした刹那


「がっ!!」


「え…?」


白銀の刃が一人の騎士の胸を貫いた。

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