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7 知りませんでした

 自分の部屋で一息ついた後、さっきの疑問を解決するべくサマンサに聞いてみることにしました。あの場に一緒にいましたし、スーパーメイドなサマンサなら知っているかもしれませんから。

「ねぇサマンサ、サロンでのお話聞いていたでしょ」

「はい」

「あれ、お父様達がおっしゃっている意味が私全く分からなかったんだけれど、サマンサならわかる?」

「ある程度推測でしたら」

 さすがサマンサです。頼りになります。

「ねぇ、教えて」

「わたくしの推測ですがよろしいですか」

「もちろんよ」

 どうか嫌な予感が回避できますように。

「来月の満月の日には王宮で舞踏会が3日間行われます。これは、毎年春と秋の満月に行われているものですが、成人貴族となられた方は、基本的には3日間のどの日かには参加することになっております。ですので、来月の満月の日にエド様がお出かけになるといえばきっと王宮での舞踏会のことでしょう。」

 ちょっと待って、貴族の舞踏会?ってことは、紫レンジャーは貴族ってこと?

 商売人じゃなかったの?

 舞踏会に紫レンジャーが行くのね。葡萄買いに行くのじゃなくてね。


「ええと、サマンサということは、エド様は私とゲームしてからその舞踏会に向かわれるということかしら?でもそれだと、間に合うとかお兄様とかいう意味が……」

 まさかとは思うけれど、すんごく嫌な予感がします。

「そうでございますね。その舞踏会なのでですが、そこにお嬢様をエド様かお兄様のアレックス様のどちらかがエスコートするというお話だったと思います」

 やっぱり~ そうじゃないと思い込もうとしてたのに~ 最悪です。

 私ダンスなんて踊れませんし、どう考えても紫レンジャーと一緒に行くなんて無理です。

 どうしてもなら兄さんですが、待ってくださいよ。貴族が行く舞踏会ってサマンサ言いましたよね?

「エド様は貴族としても、お兄様が行くということは、もしかしてお兄様もというかお父様が貴族なの?」

 ま、まさかね。

「ええ、エディハム家は男爵位をいただいております」

 うそっ、そんなの聞いてないよ!なんで?

「でもサマンサ、エディハム家は商家でしょう」

「商家ではございますが、旦那様は一代限りの男爵の称号をいただいております」

「ねぇ、一代限りということは地位としての称号ってことなの?領地がないのよね?」

「その通りでございます」

 ってどんだけやり手なのパパさん。ということは、まさか私も腐っても男爵令嬢って扱いなんでしょうか?

「ねえ、私も男爵令嬢なの?成人扱いなの?」

「ええ、令嬢になりますので、16歳になりましたら成人とみなされます。お嬢様は16歳程度でいらっしゃるようですから、そうでございます。16歳以下でしたらもうしわけございません」

 うそ……そんなに若く見えてたの。日本人×童顔って恐ろしいわ。


 とりあえず、紫レンジャーとうちのパパさんが貴族っていうのはわかった。でもそうなると、紫レンジャーってどの程度の貴族なの?すごく上の位の貴族だったらどうしよう。怒らせてはいないはずだけど、あんまり嫌われるとパパさん達にまで迷惑が及んでしまうかもしれないじゃない!自分だけならいざ知らず、お世話になってるパパさん達にまでというのは避けたいわ。

「ちょっとまって、そしたらエド様はもともと貴族なのそれともお父様みたいに最近爵位をいただいてなの?」

「エド様は最近爵位をいただいたと聞いております。お城に勤めておられます」

 あんまり商売人ぽくはないと思っていたんだけれど、そうだったの。でも、すごく文系な感じだから騎士とかではないでしょうし。

 そう、肝心の爵位を聞いておかなくちゃ

「爵位は?」

「伯爵をいただいておられます」

 伯爵か~ 少し上だけれど、公爵とかじゃなくてよかったわ。じゃあやっぱり

「エド様は文官ですか?」

「その通りでございます」

 じゃあ日本でいうところの、キャリア官僚よね~ 

 うわーなんかそんな感じするわ。研修に行ったらよくいた、肩書が何ちゃら教育課課長代理とかそのあたりの官僚ぽいわ~ 私の感もあながち間違ってはないわね。

「案外当たるものね」

 でも、あんまりお近づきになりたくないことだけは確かよね。

 って、当たったからって喜んでる場合じゃないわ! 


 紫レンジャーと舞踏会なんて絶対嫌!


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