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5 緊張しました

 着せ替えごっこの後、ママさんに誘われて1階にあるサロンへ行きました。

 しばらくすると、お客様がいらっしゃいました。ママさんはご存じだったようです。

どうご挨拶したらよいのかさっぱりわからなかったので、ママさんの真似っこをして挨拶したのですが顔をあげたら、さっと目をそらされました。

 精一杯ご挨拶したけど、やっぱりよくなかったですかね。

 ってよく見たら昨日の紫レンジャーでした。今日は紫の服着てなかったからわかんなかったです。

 ママさんはお茶を紫レンジャーに進めながら

「マリーのドレスはわたくしが昔に着たものなの、とってもよく似合っているでしょう?」

 とにっこり笑って紫レンジャーに同意を求めていますが、ママさんそこ同意求めるところですか?

  紫レンジャーだって聞かれても困るでしょうに。

「ええ、とてもよくお似合いですね」

 って、紫レンジャー完全にセリフ棒読み状態じゃないですか!

 そのうえ顔が無表情って、逆に貶められてる感いっぱいですよ。

「よかったわねマリー」

「ええ、お母様」

 って、ママさんお願いです。気づいてください~ あの人全然褒めてませんからっ

 もしかして……ママさん天然ですか? 

 棒読み丸出しなら、鼻で笑われる方がまだましですよ。

 誰かここから私を連れ出してください。


 神様にお願いしてたら、パパさんと兄さんが帰ってきました。よかった助かりました~

 これで紫レンジャーから解放されます。 

 ホッと喜んだのもつかの間でした。なぜか夕食も紫レンジャーと一緒です。

 紫レンジャーは子どもの頃に、お宅に遊びにお邪魔しても夕食時には帰りましょうって、教えてもらわなかったんでしょうか。

 でも、しばらく食べてて気づきました。この人よくここでご飯食べてるみたいです。家族の一員状態です。

 お家に帰っても1人らしく、パパさんがご飯に呼んであげてたそうで、私が庭に突然現れた時も、どうやら遊びに来ていたみたいです。

 となると、どっちかというと私がお邪魔虫かもしれませんね。

 家族だけならともかく、紫レンジャーにこれ以上貶められないように、フランス料理のマナーに乗っ取りながら、必殺日本人空気を読むのスキルを発動して 大人しくご飯を食べました。

 高校の修学旅行であったフランス料理マナー講座がまさかこんな所で役に立つとは思いませんでしたよ。先生ありがとう。


 私にしては結構上手に&優雅に食べてるつもりなのですが、なぜか?やけに紫レンジャーがこっちを見てます。それもハァトな感じのちら見ではなく、完全に観察されてます。

 まさかとんでもない粗相を気づかないうちにしたとか? こ、怖すぎです。

 とりあえず、またこっち見てたので、日本人お得意のにっこり笑って誤魔化す作戦をしてみました。

 すると、紫レンジャーもにっこりと私に笑いました。

 思わずビクッとしてしまいました。ホントに心臓に悪すぎます。

 少女マンガみたいに無駄にまわりに星とか薔薇とか飛ばさないでください。

 完全に営業スマイルですよね。

 でもね、紫レンジャー私だって営業スマイルできますよ。保護者対応なら任せてください。にっこり微笑んでみました。

 2人してにこにこ、タヌキとキツネの化かし合いのようです。


 怖い~ 誰か助けて! 私の心の中はムンク状態です。


 顔がさすがに引きつりそうと思いだしたところに、空気を読まない兄さんが話しかけて、試合終了のゴングがなりました。


 カンカンカンカーン 両者一歩も引かず引き分け~ 


 疲れた。


 紫レンジャーがいたら、毎日顔の筋肉が鍛えられそうです。

 案外、美容に良いかもしれません。

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